あらすじ
◎不安、ストレス、怒り、孤独、虚無、自責から自らを解放する科学的メソッド!!
(本書のまえがきより)
この本で言う “最高の状態”とは、あなたが生まれながらに持つ判断力や共感力、好奇心といった能力を存分に発揮できるようになった姿を意味します。私たちの目を曇らせる不安や思い込みが取り除かれた結果、意思決定力と他者への寛容さが上がり、いまネガティブな人は気持ちが安定し、ポジティブな人はさらに幸福度と判断力が高まる。そんな状態です。
なにやら眉唾物のようですが、かく言う筆者も幼いころから人生の辛さと格闘してきた人間のひとりであり、本書で取り上げる対策から多大な恩恵を受けてきました。
十数年ほど前から本書の技術を実践し続けたところ、興味深い変化が起きました。ある時からふと仕事や人づきあいのプレッシャーを覚えなくなり、いつも「失敗をしたらどうすべきか」を考えていたのが、「現状をより良くするにはどうすべきか」へ思考の方向がシフト。いつも浅い呼吸しかできないような感覚を抱いていたのが、少しずつ深く息を吸える感覚が生まれ、いまではかつてない落ち着きを得ています。
無論、私が持つ根っこの気弱さが変わったわけではなく、いまも内面に様々な負の感情と思考が渦を巻くことがしばしばです。その点ではまだ筆者も見習い坊主ながら、かつてとは「苦しみ」との付き合い方が変わったのは間違いありません。
■本書の目次■
序 章 苦
第1章 自己
第2章 虚構
第3章 結界
第4章 悪法
第5章 降伏
第6章 無我
終 章 智慧
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なかなか理解が難しい。自己と物語りを作り出す脳。抵抗するから苦が肥大する。何度も読み返し、ちゃんと理解したいと思う。読みやすくデータも豊富で根拠はあるが、理解は難しい。
まぁそういうもんだと受け入れよう。
様々なワークが紹介されているので自分に合ったものを自分のペースで気長にやっていけば気づいたら「無」になっているだろう。
Posted by ブクログ
脳科学の観点から「自己」や認知について書かれた本。
あらためて「自己」の定義を読んで納得できるところが多かった。
★★★★★
どんな場所にあっても、どんな時間軸にあっても「私は一貫した存在である」との感覚
★★★★
自己にこだわる人ほどメンタルを壊しやすい
★★★★
「自己注目」
★★★★★
ヒトの脳は0.1秒でストーリーを生み出す
★★★★
理想の自己を思う時間が長い人も不安や抑鬱の症状を起こしやすい
★★★★
物語をもとに脳は事前に「現実」をシミュレートし、その予測にもどづいて
★★★★★
ストーリーとは「特定の物事の因果関係を説明したもの」
★★★★★
私たちが知覚する「現実」の大半は、脳が生んだ物語で構成された「世界のシミュレーション」
★★★★
ドーナツの穴を食べることができないように、ありのままの自分を探すのもまた不可能なのです
★★★★★
不快な感情をできるだけ受け入れる
★★★★★
「思ったより苦しくない」と自分を偽ったりするのではなく、「運動の不快感は避けられないのだ」と認め、ネガティブな感情を迎え入れる。
★★★★★
不快を受け入れた参加者は「苦しみ」の認知が大きく変わり、運動の辛さに抵抗したグループと比べて主観的な辛さが低下した
★★★★★
山に登れば誰でも足や背中の痛みを経験しますが「苦しみ」まで抱く人はほぼいません。登山者はみな「この困難を選んだのは自分だ」との認識があるため、山歩きの痛みに抵抗しないからです。
★★★★★
苦しみ=痛み×抵抗
★★★★★
降伏
★★★★★
自分の思考や感情に真正面から立ち向かううのは、ビーチボールを水の中に沈めようとするようなもの
★★★★★
優秀な科学者は「この電気抵抗は良いことか?悪いことか?」などと主観的な判断をしません。電気の流れをただ冷静に見つめ続け、どのような条件で低効率が上がるのかを見極めるだけです
★★★★★
苦しみをこじらせる人は、すべてを「自分ごと」に捉える
Posted by ブクログ
不安や心配事をクリアにし、能力を最大限に活かす方法を目的とした本。
1.大前提に、食事、運動、睡眠の改善
2.事象に対し、感情を細かく分析→ストレス軽減
3.自分の対処行動を言葉にする
4. 予測や感情を抜きにした、現実だけを整理
5.現実に対する対処を実践
幸せを求めすぎないこと.現実とのギャップにまた悩んでしまう,
ストレス反応を下げる対処法…100から7ずつ引く。
ストレスに抵抗しない方法…海に向けて、弾丸を発射。水の中でエネルギーを失い、やがて沈んで影響を及ばさないイメージ
Posted by ブクログ
自分で自分をしんどくしているな〜とは思っていたんだけど、それがどうしてなのかがわかった気がする。
真の苦しみは、一の矢の出来事(例えば、怪我をしたとか)のあとに、二の矢(出来事に対して思う気持ち、たとえば、「なんで自分が!」とか)を刺すかどうかで決まる。
めちゃくちゃ二の矢刺しまくってるわ…と思った。
苦しみは、痛み×抵抗らしい。
痛みを消そうとしたり、大したことないって思おうとしたり、治療に大きな期待を寄せると、苦しみがどんどん大きくなる。
降伏することが大切みたい。今の痛みはこれくらいだと現実を見つめて、心に波風を立たせないままできる限りの対処をする。
(抵抗と降伏は地図作りのメタファーがわかりやすかった!
・抵抗:このビルがなかったらスッキリするのに!皮がもっと右に曲がってたらいいのに!
・降伏:ただ情報を正しく観察する)
降伏では、反芻(望んでもない思考が勝手に浮かぶ)、身体イメージ、失敗の記憶、自分の性格、自分の感情に対して、積極的に白旗をあげる。
特に、反芻を静かに見つめること、失敗の記憶で失敗が変えられないことを認めるとか、自分の性格に潔く従うとかは刺さったな。
身近にいるメンタルの安定している人は、降伏をしている印象だったので、さらに納得感があった。
Posted by ブクログ
ふとした瞬間、頭の中が騒がしくなっていませんか。
過去の失敗、他人の評価、まだ起きてもいない未来。
止めようとしても止まらない「考えすぎ」は、私たちを静かに蝕みます。
鈴木祐『無(最高の状態)』は、そんな“思考の暴走”から抜け出すための、
科学的な心のリセット法を教えてくれる一冊です。
仏教の「無我」や「観察」を、脳科学と心理学の視点から再解釈。
著者は、「自己とは脳がつくり出す物語にすぎない」と語ります。
そして、その物語を“観察”するだけで、心の仕組みは静かに変わり始める。
たとえば、明日の仕事が気になったら、「今、明日の仕事を考えている」と認識するだけ。
評価も判断もいらない。ただ、気づく。それだけで、
脳の“ミー・センター”(自己意識)と扁桃体の結びつきが弱まり、
感情に巻き込まれにくくなる──そんな変化が、実験とデータで裏づけられています。
特に心に残ったのは、禅僧・菩提達磨の言葉。
「迷いにあるうちは心が景色に包まれている。見性してからは心が景色を包んでいる。」
──思考に支配される私たちが、思考そのものを包み込む存在へと変わる。
この瞬間、宗教的な“悟り”が科学的に説明されるのです。
読後には、不思議な静けさが訪れます。
無理に前向きにならなくてもいい、何かを成し遂げなくてもいい。
ただ「今ここにいる」という事実が、こんなにも豊かだと気づく。
本書は、宗教でもスピリチュアルでもない、脳と心の“再接続”の書。
忙しさや不安の中で、もう一度“自分を生きたい人”に静かに寄り添ってくれる一冊です。
Posted by ブクログ
なるほどねー、、、
あっ、これすぐ実践できそう。
全体的には難しくて全部は理解できないけれど、何度か読み直したいなと思える本でした。
二の矢、、、気をつけよ。
Posted by ブクログ
ちょっと変わったこと
言うかもだけど無我と
いう感覚に思うことを。
こういう話をするとね、
たいてい、なにか辛い
ことでもあった?とか
闇を抱えてるのねとか、
そんな顔をされるけど
まあ、そう思われても
仕方ないかもね。
でもね、自我っていう
枠に限界を感じたとき、
その先に何があるのか
ちょっと覗いてみたく
なるのは自然なこと。
無我って、なにもない
状態じゃなくてむしろ
無限に近いと思うの。
無限は境界が無いって
ことでしょ。
境界がなくなると自分
が世界を見てるんじゃ
なくて、
世界が自分をとおして
自分自身を見てる感覚
になる。
ちょっと不思議で言葉
でうまく説明できない
けど、
消滅じゃなく広がって
いく感じ。
個としての私が薄れて
全体を跨ぐ私が浮かび
上がってくる感じ。
私たちの存在や意識は
波みたいなもので、
時間や空間なんて概念
を超えて伝播して響き
合っている。
それは私たちには知覚
できない、言うなれば
透明な闇で、
その闇こそ全てを包み
込む未分化の可能性、
つまり空(くう)だと
思うの。
篠田桃紅さんの言葉に
ただ在ることが全ての
答えだと悟ったけど、
ただ在るに溶けながら
それでもなにかしらの
輪郭を持とうとする個。
それは矛盾じゃなくて
波を生む振動そのもの
だと思うの。
さて、この本はライト
に無我の概念や瞑想の
テクニックを学べます。
こんなふうに抽象的な
思索や哲学的な語りに
偏ることなく、
日常に活かせる視点を
楽しく紹介しています
ので、
どうぞ肩の力を抜いて
お手に取ってみてくだ
さい。
Posted by ブクログ
日々泰然自若に生きたいと思い読んだ
死ぬほど論文を読みまくっている人なだけあって、文章の言葉遣いや論理展開がめちゃくちゃ綺麗。読みやすさしかない
苦はデフォルトであるが、自己という虚構物語製造機能がその苦を増幅させてしまっている。そうならないようにするには、自分と周りの環境をまず整えた上で、自己に潜む歪んだ「標準」を理解し、それを受け入れる力をつけること。自己とそれ以外という敵対構造ではなく、外界と一体になることにより、智慧を持った人間になる。
無我の境地は、佐藤卓の「塑する思考」や、クリスチャンマスビアウの「心眼」での観察の状態と同じような感じだと思う。日々の生活の中に自分の体(器官)やモノそのものをありのままに感じる・観察する習慣を入れて、それぞれを愛でながら、それぞれが相互に関係しあっているだけで自己は存在しないという感覚を持ちたい
Posted by ブクログ
人が苦しむことのメカニズムとその対処法が様々な実験結果と合わせて説明されているため、精神修行という目に見えない、効果を測り辛いものでもやることで自分の助けになるという納得感を得ることができました。
本の内容を理解し自分の知識とするには何度も読み返す必要があると思いますが、まずは自分がどのトレーニングを取り入れていくか計画し実行したいと思います。
Posted by ブクログ
とても有意義な内容だった。実践したいことがたくさん。
これらって、僧侶の修行と同じじゃない?と思った。
ちゃんと修行を積んでいるお坊さんが徳が高いのは、修行を通じて脳をコントロールしてるからなんだ!
Posted by ブクログ
人間は変化を嫌う生き物で脳内でそのように処理されている。一つ考えれば連鎖してどんどんマイナスな不安や感情が出てきてしまう。だから、自分の中で結界を作ってみたり、苦しみから逃れる術を身につけたり、また逆に受け入れて降伏してみたりして、智慧をつけて無駄な思考をやめてみようと書いてある。私はそう読み解いた。
Posted by ブクログ
脅威に満ちていた時代では、ネガティブに考える人のほうが生存に有利だった。だからその子孫である我々は、ネガティブなことにより反応してしまう。
自己は生存用のツール
何かに没頭しているとき、リラックスしているときに自己は発動しない。
メンタルに強いも弱いもない
脳が作り出すストーリーラインが適応するか否か
人間の脳は分類をして、自分と無関係な人をモノとして扱う
無我に至った脳は、自己がないため、自分と他人との区別がなくなる。結果ヒューマニズムが上がる。
具体的な方法もたくさん紹介されていた。
実績しやすい。
メンタルの強さや弱さという概念を捨てて、進化や適応という観点から脳の仕組みを理解できたことが大きな収穫。
Posted by ブクログ
ストーリー、シミュレーションについては、
妹尾武治『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。 心理学的決定論』が参考になる。
他、アドラー心理学も参考になる。
(降伏→自己受容)
(縁起性→共同体感覚)
個人的には、
「自己」「自意識」「アイデンティティ」「自我」、それぞれの違いがわかりやすく、整理ができた。
また、以下の文が印象に残った。
❶自己は日常的に生成と消滅をくり返し、「わたし」がなくても問題ない状況が多く存在する ❷自己は人間が持つ多くの生存ツールのひとつであり、感情や思考といった他の機能と変わりはない この2点を合わせて考えれば、自然と次の疑問が導き出されるでしょう。
「やはり、自己は消せるのではないか?」
Posted by ブクログ
P144まで読んでていい感じ!
■覚えておきたいこと
・この本は、幸せな環境なのになぜか幸せを感じない人とか、気疲れしやすい人に向いている。
・人は生物の生存戦略的にネガティヴに考えやすい生き物。
・自己を生み出すことで苦しみが生まれる。人間は社会的に生きていくために他者との比較や自己の観察や反省などで自己を生み出す。
・人は認識の後に物語を勝手に作り出して解釈する。その物語が悩みを生み出す。そんなのいらない。
・自分のマインドセットと環境が解釈を決める。
・感情のラベリングを豊富な語彙力でできると悩みが混乱しない。
・自己認識を整えるために体を観察すると良い。ヨガ的なの。
・自分の安心できる部屋や想像上の空間などのセーフティーゾーンをつくると安心しやすい。
Posted by ブクログ
これまで、私は自己というものがこの世界に存在しているのだと思っていた。
しかし、本著では、自己とは、「特定の機能の集合体」に過ぎないということが指摘されている。
さらに、人間は自分の周りの世界を物語として知覚し、“現実”を作り上げているという主張も刺戟的だった。
これからは、自分の世界に対する認知の仕方に意識的になり、無用な苦痛を感じないように生活をデザインしていこうと思う。
Posted by ブクログ
以前読んだ森田療法の本で「あるがままを受け入れる」とあったが、いまいち理解できていなかった。この本のなかでは「苦しみに対して抵抗するから余計に苦しくなる」と書かれている。つまり悲しみや苦しみといったネガティブな感情や、自分の性格や容姿の短所などのネガティブな事象に対して、それを認めず抵抗しようとするから人々は苦しむのだと。抵抗せずに積極的に降伏すれば苦しむことはなくなると著者は述べている。森田療法の「あるがままを受け入れる」ということはつまり本著でいう「降伏すること」であるのだと理解できた。
Posted by ブクログ
内容は悪くないけれど軽い自己啓発本という感じ。
この程度を求めている人には良いと思う。
個人的には読み応えがなく物足りない。
"やってみましょう" 系は要らないので
「悪法スコア」をつける、「悪法日誌」を記入する、などはスルー。
「なぜピダハンは世界で最も幸福なのか?」
知らない人には知るキッカケとしていいかもしれないけど、ちゃんと理解するなら『ピダハン』を読んだほうがい。
Posted by ブクログ
ともすればスピリチュアルな内容を論理的にわかりやすく書いてくれてます。
無。イライラしたり不安になるときの心構えができるのでお勧めです。
•アフリカ人の幻聴はポジティブ
•怒りは6秒で収まる(その後は自分の気持ち的怒っている)
•認知能力のせいで苦しむ
•感情をできるだけ細やかに言葉で表現できると良い
Posted by ブクログ
うーん、色々書いてあるけど実際難しいかな。
街ですれ違った人の幸福を願うのは、なるほどなと思った。これは心がけて行きたい。
今その瞬間を描写すれば、この瞬間に集中できる。そうやって、意識を現在に持ってくる。
そして、起こった都合の悪いことの原因を自分求めず受け入れる。
幸福を望むほど幸福から遠ざかるというのも、ドキッとする。幸福を求めると、他人と比較したり過去の自分と比較してしまったりする。
幸福に囚われていることに気づいたら、その気持ちを観察することが大切だそう。
Posted by ブクログ
難しいって意味の★3
でももう一度読みたいと思えるくらいのいい内容
人は生まれながらにネガティブベース
でも、そんな自分も俯瞰して見て抵抗せず受け入れれば悪い続きの物語を想像せずに済む
苦痛は過去と未来への想像が原因
そんな能力を持ったもんだから、現在に起きた事実に集中することが大事。難しいけどねっ
瞑想には実は副作用があることも知った
やりすぎは良くないけど、家事に取り入れる方法は試してみたいと思った。
Posted by ブクログ
この本って英文で書かれてそれを翻訳したのかな?って思わせるような文章。表現や分析はちょっと難しいところがあったけれど、内容はとても腑に落ちた。どうして瞑想が心と体に良いのか、シングルタスクの有効性(マルチタスクの弊害)、マインドフルネスが幸福感とつながっていること、不安や心配事は現段階の取り組むべき案件というより脳が作り出した物語であるということが多いこと、自主的に物事に取り組むことが良いわけなど、今まで漠然と理解しているようなしていないようなことが、納得できた。
1つのことをあるがままに観察したり(良い悪い・好き嫌い・正しい間違い・面白いつまらない…でジャッジはしない)、深呼吸や瞑想をしてみたり、ということを生活の中に取り入れていこうと思う。
Posted by ブクログ
悩んでたり苦しいと思っている時に読めば、
負のループから抜ける手助けになる本。
自己を知り自己を受け入れる。
自分の感情のコントロールなど実践方法が書いてありました。
科学的根拠と東洋哲学が混ざり合っていて、面白かった。
Posted by ブクログ
大抵の心配事は起こらないから心配事をクリアにすることから始めなければならない。また、人間はポジティブよりネガティブの影響を受けやすい。このことから、本書における物事をありのままに受け取るタスクを練習することで、不快な思考や感情からいったん距離を置ける。