あらすじ
男爵家の当主ながら定職に就かず、裕福な姉の嫁ぎ先からの援助で悠々自適の生活をおくる、美貌の青年・籠手川晴行。怪異に愛される彼はひとたび奇妙な話を聞けば、首を突っ込み東奔西走。二枚目歌舞伎役者・市川翔燕の婚約者を悩ませる不気味な音、老舗商店の息子を虜にする妖しい娼妓、夜な夜な現れる十二単の女……。花咲く帝都を舞台に、大正モダン怪奇譚開幕!
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Posted by ブクログ
本物の怪異盛りだくさんで怖いのだけれどハルさんの陽気さが中和してくれて、怖すぎて読めないということもなく楽しめた(怖い話苦手)
怪異があらわれるのは人の行いが原因なのだと思うと、本当におそろしいのは…!
大正文化が色濃い
テーブルをテエブルと書いたり、大正文化をめいっぱい伝えようと書かれている印象を受けました。そのせいでちょっと読みにくいと感じましたがそれはさておき。
まさか聖霊狩りのあの二人をイメージしてのハルちゃんシズちゃんだとは思わなかったのでびっくりしました。脇役過ぎてどんなキャラだったかも覚えていなかったので(部長はなんとか…)、未読でもまったく問題ないのでしょうね。
ハルちゃんの方は闇がありそうで、ちらりとそんな顔を覗かせるのですが、出たと思った途端に引っ込んでしまい、キャラ把握までいきませんでした。
キャラだけでなくストーリーも面白くなりそうってときに終息してしまい、肩透かしじゃないのですが、物足りないというか…。一話一話もっと文字数多くしたものが読みたかったなと思いました。
その点、最後の書き下ろしは面白かったです。
聖霊狩りとか読んでるとあっさり成仏したなって印象はありましたがね(笑)
Posted by ブクログ
文明開化もしたという時代に、まだ蔓延る不思議話。
最初の時点は、怪奇もの、でしたがw
結局というべきなのか、驚くべきことに、なのか
変な所で繋がっている状態。
まったく繋がっていなかったのは
長男つれもどしと屏風の話、だけのようで。
どれにせよ、何にせよやっぱり人が一番怖いです。
お金が絡むと特に…。
Posted by ブクログ
最初の事件は何の解決策もないまま、そして本物の怪異だという認識もないまま首を突っ込んでいくが、場数を踏むたび、段々それ専門になっていくという。
金銭面に心配のない男爵と、頭脳担当、文句を言いつつも男爵の彼に付き合ってくれる没落子爵家跡取り息子の二人が主役。
その主役の二人が「ハルちゃん」「シズちゃん」と呼び合っているのは微笑ましかった。
テンポよく次々と怪談事件ネタが出てくるので、それだけで面白かったし、最後の話は以前の事件の更に裏側が見えてくるというワクワク仕様。
ミステリ色も最後の話が一番強く、謎解きも楽しく、怖さも凄かった。
ホラーもミステリも楽しめる作品という贅沢な作品だった。