【感想・ネタバレ】火のないところに煙は(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それはもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。(解説・千街晶之)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 著者は学生時代の友人から、怪現象に悩む友人について相談を受ける。その現象の核心と思われるとある“占い師”について情報を集めるため、この話を怪談として掲載する。すると、新たな怪異が舞い込む。次々に集まった怪異を単行本としてまとめようとする中、別々の怪異の繋がりに気づいてしまう。

【感 想】
 個別の怪談として誌面に掲載された話が、次へ次へと繋がっていくことで、読みながら、「本当だったら…」とワクワクさせられるフェイク・ドキュメンタリーだった。
 小野不由美さんの『残穢』や、背筋さんの『近畿地方のある場所について』も好きだった。このフィクションと現実の境界が曖昧になって、物語に引き込まれる感覚が好きなんだと改めて感じた。

 芦沢央さんの作品は2作目だが、文体の相性が良いのか、読むのが遅い私でも一気読みできた。他の作品も読んでみよう。

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2025年11月21日

匿名

ネタバレ 購入済み

ホラー連作短編集。最後に話が繋がり、自己責任系の話でもあります。
「妄言」と「お祓いを頼む女」の二つがお気に入りです。

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2025年05月21日

ネタバレ 購入済み

結局どうなったのか

最終章でバラバラな物語が全て繋がっていたというのはよくある展開だけど私は熱くて好きです。
この作品に関しては、全て繋がっているのでは?という疑惑までで、はっきり答え合わせができたわけでもなく、なんか後味が悪くスッキリしない感じで終わります。そこを楽しめるかって人による

#深い #怖い #じれったい

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2023年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伏線や考察を張り巡らせる系のホラーで読みにくいのは、感じ取って欲しすぎて赤ペンで書いたぐらいわかりやすく何度も出てきたり、妙に細かい描写になったりするところ。だけどこの本は仕掛けに気を取られず最後まで読めた。うっすら気づきはするものの、繋がりがなさそうな事案が次々起きる上に、その事案自体も不可思議で面白い。
1番面白いのは、ラスボス(?)ともいえる占い師の存在がついぞ表舞台に出てこなかったところ。いるの?いないの?何者?っていうのが分からないまま、怪異が続いて終わる。能力バトルになったりせずに、ある意味オチを見せずに終わるのが面白かった。

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2025年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実話風ホラー
というか、最後解説を読むまで実話と思ってて、えっこれ発行していいやつ!?と思った笑

ちゃんと怖いし面白い…
最近流行ってるホラーに比べて、全部の怪奇が伏線回収されないところがまた怖さを増させてる…

ミステリーにしては、ホラーに寄ってる

怖くて、なるほどともなって良かった

ちょっと今年はホラーが熱いね!!
もう秋になっちゃうから萎んじゃったら悲しい

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の芹沢さんがこの本を執筆するにあたって実際に経験した6編に渡る怪談集。

1話目は「神楽坂怪談」を書くように依頼があって書き上げた怪談。
2話目は、1話目を読んだ君子さんという方の実体験を書き上げた怪談。
3話目は、その2話目の件で連絡を取ったついでに上司である榊さんが思い出して芹沢さんに話した内容を書き上げた怪談。
4話目は「小説新潮」の校閲担当者が不動産会社勤務の飲み仲間に3話目の話をした流れで怪異が起こる家の話をされて、その内容を書き上げた怪談。
5話目は、その飲み仲間の不動産会社社員に4話目の話をしたところ、さらに別の同業者がお祓いをしてくれる霊能者を探しているらしいという話になり、書き上げた怪談。

どれも芹沢さんが自分でかき集めたと言うよりは、別々の流れでたまたま持ち込まれた話。

しかし、明確に名前が出たわけじゃないが、どの話にもとある一人の人物の存在が関係していることに気づく。

元を辿れば、その謎の人物が今回の5つの怪談の原因である可能性が非常に高いっぽいのだ。

最終話である「禁忌」は、おそらくそのことに気づき、おそらく自らの足で接触したであろう芹沢の上司の榊が行方不明になってしまう。

気づいてしまったら、気づかなかった時には戻れない。
一度疑い始めたらもう「疑わない」ができない。

モキュメンタリーは、事実を「事実っぽいフィクションですよ」という新しいジャンルだが、僕は疑ってる。

きっと、本当にあった恐ろしい出来事も中には存在する。

この本もきっとそうだと思う。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の他作品でも登場人物が言っていた「悪いことをしたから悪いことが起きるわけじゃないんだよ」というのが著者の考えなんだろう。
「許されようとは思いません」「汚れた手をそこで拭かない」に続き読んだ芦沢央さんの本。
ホラーになってもこの後味の悪さは流石だな、と。
①霊能者怖すぎ。➁何かに巻き込まれていると全て繋げて考えて周りに迷惑かけて大騒ぎ…こういう母親いるよね…と思ったら。③引っ越す時のご近所ガチャを思い出した。大ハズレ引いちゃったかぁ…からのあたおかではなく本物展開。④この話が一番怖かった。焼け死ぬ夢がすすんでいって最後は命を失う。被害者に何も落ち度が無くて後味も最悪。霊に寄り添っても対話を試みても縁を作ってしまうからNGというのは今後気を付けたいと思った。⑤しんみりしたけど隣人としては迷惑。相談者は優しい人間だ。にしてもお爺ちゃん霊能者素敵だわ。⑥助かってほしい。

こちらを読む前に「近畿地方の~」を読んでいたので現実世界の読者に怪異が染み出てくるような作りの本を続けて読むことになってしまい、これも何かの縁なのかと勝手に恐怖している。

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2025年12月12日

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ネタバレ

じんわり怖い感じ。別個の話だと思ってたところに共通点が浮かび上がってラストに向かう感じがゾワゾワで良かった。現実味とホラーのバランス型。

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2025年11月16日

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ネタバレ

短編集かと思ってたらちゃんと最後繋がってよかった。
妄言と助けてって言ったのにが面白かった。
助けてって言ったのにって言ってた女の人はお祓いを頼む女のお母さんかな?
占い師?の言うこと聞かないと信じないと殺されるって無理矢理だな

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトル買い。読後は怖さよりも爽快感のほうが圧倒的に大きい。一級品の怪談を読ませていただいたという気持ち。著者と版元が一体となって素晴らしいエンターテインメントを作ってくれたことに、スタンディングオベーションとブラボーを送りたい。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の作家の私に来た怪談話の依頼を元に私の経験談から私の身の回りの知り合いからまたその知り合いから語られる怪談の数々。そこから最終的にいくつかの共通点があり、それぞれの話の気味の悪さが露わになる。

花柄のチュニックの占い師がいくつかの話で出てくるが、信用しないだけで怪異が現れて被害に遭っていく。主人公も徐々に不可思議な体験をしていることから、直接出会ったことないにしろ間接的に関わってしまっているためにいつか占い師の犠牲者になってしまうのではないかなと…。同じく毎回出てくるオカルトライターの榊さんについても真相に近づきすぎて行方不明なのかなと…。

1話1話は読みやすく、話も面白いが占い師の女性の正体や直接的な関わりがなかったため、いったい何者なんだろうという疑問は残る。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

各章、不思議なお話として面白い。ただ、ホラーとなると少し物足りなく感じた。
伏線回収がくどすぎて、途中で読むのをやめようか…と思ったが、最後まで読んだ。
さすがに、「書評」は流し読みしました。
全体的には面白かったです。

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2025年10月08日

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