あらすじ
『Q.E.D』『C.M.B』であらゆる事件を描いてきた
ミステリー漫画の名手・加藤元浩最新作は世界を欺くクライムサスペンス!
100億円まで、あと99億9100万円!!
大金を求めて、シンガポールへとやってきた空たち一行。そこで空と海路は、風月から莫大な金が集まる「宝島」について聞かされる。しかし、そこに行くためには、総資産500億円の大富豪・アルマの協力が不可欠だという。彼女と接触した空だったが、離婚調停中の夫・アントニオが差し向けた殺し屋だと疑われ――!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
訳あって大金が必要な少女が、天才と幼なじみの協力を得て、一兆円を手にする話。
タイトルに詐欺師とあるように、ベースは詐欺であり、完璧な手口であらゆる事態を想定して対策を取ってゆく。
やり過ぎの展開な気もするがこの辺りの匙加減が、マンガの嘘としてのテンポと迫力が生きる辺り。
知的な部分を残しておけば、展開は分かりやすい方が良い。
まず、結末めいたところを見せてから、困難な状況を示している話形で、少なくともこのとんでもないピンチは凌いでいるのが分った視点で読ませる演出が巧みで面白い。
結果は分っているので、ハラハラではなく・・・どう凌ぐかという部分に焦点を当てて読めるわけで。
手口までは明かされない倒叙のスタイルな感じか。
タックスヘイブンの島で、銀行の相談役に接触する話。
突破口を作るために、海に沈んだ財宝とそのハンターと、強欲な銀行のオーナーとを視野に入れた壮大な仕掛けを発動する。
そして、本編と関係ないところで、著者コメントも毎巻楽しみである。
QEDの方と連動していることが多いが、今回別の話題で・・・似たような感想に落ち着くという流れが、両方読んだときに気づける仕掛けとして面白い。