【感想・ネタバレ】へぼ侍のレビュー

あらすじ

西南戦争を痛快に描く、松本清張賞受賞作。

大阪で与力の跡取りとして生まれた志方錬一郎は、明治維新で家が没落し、商家へ奉公していた。
時は明治10年、西南戦争が勃発。
武功をたてれば仕官の道も開けると考えた錬一郎は、意気込んで戦へ参加することに。
しかし、彼を待っていたのは、落ちこぼれの士族ばかりが集まる部隊だった――。

解説・末國善己

※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本『へぼ侍』を加筆・修正した文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

インビジブルもそうでしたが、坂上泉先生の作品は奇を衒ったところがなく頭にありありと情景が浮かぶところが好きです。
武功を立てて道場の再興を夢見る主人公の錬一郎をはじめ、登場人物が皆いきいきとしていて、史実を題材にしたフィクションだとわかっていても本当にあったことのように感じられました。
個人的に、山城屋の娘と結局くっつかなかったところが良かったです。

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2022年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

明治時代の物語、話の核心は、武士の世が終わり、新しい明治政府の下で「勝ち組」と「負け組」が分かれる中、錬一郎は剣術での立身を夢見るが、西南戦争では刀ではなく銃が与えられ、武士のロマンが通用しない時代に直面(この価値観のズレは、現代の「時流に乗り損ねた」人々へのエールとも解釈できそう、コロナ禍での就職難など、変化の激しい現代社会とも共鳴します)
錬一郎やその仲間たちが旧来の武士道や誇りと、近代社会の現実とのギャップに苦しみ、従軍記者の犬養毅の言葉であるパアスエイド(言論の力)を身に着けたいと挑む姿で終わる青春物語でもある

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2025年05月21日

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