あらすじ
【イラスト付き】 母を亡くし、居場所を失った17歳の創。新しい家族を築いて創を過去にしてしまった父にも、母の恋人だったひとにも頼れない。だから、ひとりで生きていくために自分が売れるものは何でも売ると決めた。いくつも掛け持ちしているアルバイトでは不器用でも丁寧な労働を、ときには、大して価値があるとも思えない自分の体を。そうして眠るときには薄っぺらな寝袋の小舟に乗って、夜ごと星空の航海に出かけるのだ。明日はもっといいところまでたどり着けますように――。
あるきっかけから、母が入院していた病院に麻酔科医として勤める高野と、その後輩にあたる外科医の瀬越の世話になることに。けれど、絶対に知られたくない秘密と想いを抱えている創は、二人に嘘を重ね続け……? 電子限定書き下ろしSSを収録!!
感情タグBEST3
お、おぉ…当て馬が良かった!
これは、当て馬が助演男優賞。
普通、当て馬って何かこう進展させるため、嫉妬させるためだけ出てくるみたいな感じが多いけどこれは違う。
かなり受けとエモーショナルかつスパイシーな絡み方をしています。
ぶっちゃけこの当て馬と受けとのあいだでラブストーリー1本できちゃうんじゃないか位な。
当て馬の心理とか人物描写も正直攻めより描写が多いんじゃないかなと思う位だった。
受けは、当て馬を全然好きじゃないんだけど、正直言って、個人的には当て馬とくっついてもいい。
起承転結の承まではかなり良い。
これのオチ、下巻をどうもっていくのか次第だなと思いますが、楽しみです!
名作です
これはなんというか...現代社会の残酷さを描いたような深い作品だと思います。
自身の境遇を誰かのせいにして恨むことなく、懸命に生きる創ちゃんが愛おしいです。
高野先生が創ちゃんを『座敷童子かコロポックル』と表現するシーンがあり、その時は『どこが?』と思ったのですが、読み進めるにつれて心の底から納得しました。
一見、不器用であまり賢くもない創ちゃんですが、その精神の尊さは確かに妖精レベルです。
名作だと思います。
匿名
とても面白かったです。
最初は表紙の二人が、どちらがどちらか分からなかったり、少し分かりにくい部分がありましたが、ストーリーはとても面白かったです。
何度も目から汁が…
年の差、薄幸健気受け、三角関係、濃いめのストーリーが好みの私にドンピシャでした。テクノサマタ先生のイラストとも素敵にマッチしていると思います。
心理描写がとても丁寧で物語に引き込まれます。精神的に痛々しい場面が多くあって、ささやかな幸せを糧に必死に一人で生きていこうとする(そうならざるを得なかった)受けがいじらしくてぎゅっと抱きしめたくなりました。上巻では三角関係のもう一人との暗雲垂れる絡みの方が印象強く、本命との進展はあまりないです。
人間の弱さと強さ、人から人へ連鎖する優しさと悪意、じっくり読めます。先が気になって、きっと読み終わったら下巻にまっしぐらだと思います。