あらすじ
【イラスト付き】 ひとりで生きるために己の体すら売ってきた。明日が見えない夜にも、遠くの星に憧れるように高野先生を好きだと思うと頑張ることができた。けれど、心身を曇らせる行為とそんな自分を密かに温めてくれる想い、そのどちらも隠そうと嘘を重ね続け――あろうことか、仕事のトラブルで憔悴する瀬越先生へ抗えず体を差し出していた創。本当はとても優しい、今は弱り切ったひとにひどいことをさせて苦しめている。苦しんでほしくない。罪の意識ではち切れそうになった創は同時に、自分は高野先生に触れたい、触れてほしいのだと気づいてしまった。寄せては返す波のように止め処ない事態と感情は、創の痩せっぽちな体には収まらず溢れて……。電子限定書き下ろしSSを収録!!
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Posted by ブクログ
住む家もなく、ひとりで生きるために人に言えないようなバイトもしながら生きていた創。
病院で清掃のバイトをしていて関わるようになった高野と瀬越の家に寝泊まりするように。
創の酷く可哀想な境遇に胸が締め付けられた。瀬越が創にした仕打ちも…
初読みの作家さんです。上下巻通しての感想です。
突然の母親の死で 誰にも頼ることができず、何とか自分で立とうとひたすら我慢と努力をしている創が不憫です。父親がクズなうえ、周りの大人達が全員無責任。創は人の気持ちにとても敏感で、人が傷つかないように全て一人で抱え込んで、人の痛みまで背負ってしまいます。17才の少しぼんやりした感じの要領の悪い子なので、転落していく一方。この子を保護して一緒に住んでいる高野がそれに全然気づかないのが腹立たしい。瀬越も自分が苦しんでいる時とはいえ、子供相手にそこまでひどい事するなんてやはり大人として最低だと思った。
全てが明るみに出たあとは、高野が創を護って慈しんでくれそうで安心した。創が、ちゃんと自分を肯定し、大事にできる大人になれるように、願ってる。
一応BLなんだけど、読後感としてはそれ以外の方が印象的。
Posted by ブクログ
父親の冷たさがなんだかなぁと。
多分、普通の人で、新しい妻子には良い夫であり父親なんだらろうか?
けれど主人公に対する扱いは、なんだこれ。
父親との関係にどこか救いがあれば良かったけど、赤ちゃんが生まれたことを知らせてきただけでは、まだ許せない。
何らかのスカッとする天罰が下ればいいと思う。
瀬越先生には、幸せになって欲しい。
攻め視点も読みたいなー
BLと言うよりかは受けの人生の話って感じでした。
主人公の受けが若干知的障害のグレーゾーンみたいな様子なんだけれども、本当に受けが感じたこと見たことのみの描写まで、削ぎ落とされているので受けが感じてないことを理解できなかったことについてはほとんど情報がなく、攻めの振る舞いや情報があまり入ってこないので存在感が薄い。
なので、BLと言うよりかは、不憫なグレーゾーンの男の子を主人公にした話と言う感じ。
良い小説だったけど、恋愛要素が薄くちょっと暗かったかなと思う。
Posted by ブクログ
綺麗に纏まっていて、いい読後感だった。ただ、クズい父親に関して何も解決しておらず、その所業の報いも受けていないのだけが解せない。何故。アレは取っ捕まったのに。ああいう不倫野郎のクズオスが大嫌いなので、因果応報で新しい家庭が崩壊すればいいのに、と思った。
個人的には、選ばれなかった方の先生にも幸せになって欲しい。彼はあれで幸せと思っているのかもしれないけど……。勉強に行った先の病院で可愛い子と出会って欲しいな。そして、癒されて赦されて欲しい。(Webの方は知らんので、そういうスピンオフが既にあったらすまぬ)