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Posted by ブクログ
濁水渓
いや〜傑作…。東山彰良氏の解説にて「作家として生き、言葉に焦がれ、作家として死んでいこうとしない者が書いた小説など、その良し悪し以前にまったく読む気になれなかった。」とあり、その気持ちに私も深く同意するものの氏同様、偏見を持つばかりに傑作を見逃す危険性を私も改めて認識した。
政治信条を失い金儲けに走るようになる…と聞くと随分落ちぶれたように感じるものの、そこは中国の統治する地と思えば法などないも同然、思想など何の役にも立たないと察せられるので林の生き方にどうして難癖つけることが出来ようか。(この本を読む前に茂木先生の著作などで繰り返し中国において如何に血縁や地縁が大事で賄賂がまかり通っているかを読んでいたのも良かった。)
でも日本の統治下でも賄賂に値するものはしっかり要求されてるね!個人商店で代金を払わない憲兵とか、恥を知ってほしい。
しかし1955年初出とは思えない読みやすさだったのは、だいぶ改訂されているから?(私が19世紀の小説読んだ後だったからってのもある…?)