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「類稀なる傑作。私たちの甘さを根底から容赦なく揺さぶってくる」(東山彰良氏「解説」より) 金だけだ。金だけがあてになる唯一のものだ――。 戦後まもない香港で、故郷を捨てた台湾人たちがたくましく生き抜く姿を描き、一九五六年、外国人初の直木賞受賞作となった「香港」。日本統治と国民党の圧政のもと、ある台湾人青年が味わった挫折と虚無を主題とする「濁水渓」。著者の青春時代が結晶した代表作に、作家デビュー当時を回顧した随筆「私の見た日本の文壇」を増補した新版。〈解説〉東山彰良
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Posted by ブクログ
【香港】 台湾を追われた人間が香港で極貧生活をしながらチャンスを掴んでいく話。儲けて這い上がれるなら汚い事も厭わない。中華的な金儲け思考をリアルに感じることができる。 【濁水川】 日本留学していた台湾人学生を通して戦時中から戦後にかけての日本、中国、台湾の様子を知ることができる。 日本は台湾でもそ...続きを読むれなりに蛮行をしていたようだ。後から来た中国が酷すぎたからとは言え、なぜ今の台湾はこんなに親日なんだ?
濁水渓 いや〜傑作…。東山彰良氏の解説にて「作家として生き、言葉に焦がれ、作家として死んでいこうとしない者が書いた小説など、その良し悪し以前にまったく読む気になれなかった。」とあり、その気持ちに私も深く同意するものの氏同様、偏見を持つばかりに傑作を見逃す危険性を私も改めて認識した。 政治信条を失い金...続きを読む儲けに走るようになる…と聞くと随分落ちぶれたように感じるものの、そこは中国の統治する地と思えば法などないも同然、思想など何の役にも立たないと察せられるので林の生き方にどうして難癖つけることが出来ようか。(この本を読む前に茂木先生の著作などで繰り返し中国において如何に血縁や地縁が大事で賄賂がまかり通っているかを読んでいたのも良かった。) でも日本の統治下でも賄賂に値するものはしっかり要求されてるね!個人商店で代金を払わない憲兵とか、恥を知ってほしい。 しかし1955年初出とは思えない読みやすさだったのは、だいぶ改訂されているから?(私が19世紀の小説読んだ後だったからってのもある…?)
1956年の直木賞受賞作品「香港」と1954年の候補作「濁水渓」収録。 まず、増補版の表紙が秀逸!フォント、写真、デザイン、どれも好き。 諦念と虚無‥‥「儲けの神様」の起点がここにあった。
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香港・濁水渓 増補版
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