【感想・ネタバレ】大前研一 新・資本論―見えない経済大陸へ挑むのレビュー

あらすじ

米国、英国で大反響を呼んだ大前研一が久々に放つ21世紀の“本格的な経営書”。『企業参謀』『ボーダレスワールド』に続く名著。経営の本質を詳らかにする。

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Posted by ブクログ

サイバー経済・ボーダレス経済・マルチプル経済が必須な新大陸、アービトラージを目的としたプラットフォーム、レーガン・サッチャー・シュレーダーのケインズ否定による失業者の活用、、など20年前の著書ではあるが現代社会が直面する問題の示唆がいっっぱい。

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2021年01月30日

Posted by ブクログ

大前本3冊目。
実は最近ちょっと憧れてる先輩に奨められたのです。

インターネットの普及により資本が国境をいとも簡単に飛び越えるようになる以前の世界を「旧大陸」とし、人々が足を踏み入れている現在を「新大陸」と定義した上で、独自の理論が展開されます。
「新大陸」は、目に見える貨幣と商品で成る「実体経済」、一国完結で経済を行うことができなくなった「ボーダレス経済」、消費者が欲しいと思った商品をいつでもどこでも最安の商品を購入することができ、またそれに企業が柔軟に対応することが実現した「サイバー経済」、そして巨額の時価総額の構築が可能となった「マルチプル経済」の4つの空間によって構成されている。

言われてみると、まあ世の中見渡せばそうなってるよな、そらそうだわーと思ってしまうが、現実にこの4つの空間に対応できている企業および国家は少ない。それは、この新大陸を認識していても、何から着手すればいいかわからないくらい膨れ上がった「めんどくさい課題」群により変革に乗り出せない企業・国家がほとんどであるとする。
そして、対応を少し誤ればたちまち崩れてしまうリスクにあふれているともする。現に、氏が新大陸を意識した変革が実行された国で、一定の成功を挙げた国としてアイルランドとシンガポール(共に、外資を上手く取り込んで劇的な成長を遂げた国)を挙げているが、この2国は2008年の金融危機で大打撃を受けることとなる。
(ちなみに本書の出版年は2001年。)

こんな新大陸において、選択の権利は国家から個人へ移り、個人はもはや「自分が思う通りに過ごせる場所」に簡単に住めるようになっている。そこで国家はどんどん規制緩和し、かつ分権化して小規模なコミュニティ群に分解されるべきであるし、また個人はこの急速に可変する新大陸をきちんと見極める努力、つまり国家や旧態依然の理論枠という「規制」をとっぱらって、新大陸を観察し分析すべきであるとする。

と、460ページに渡って、氏独特のまくしたてるような論調でガツガツ述べられているが、そんな新大陸は「あえて」無視し、世界をぐっと狭めてそこに幸福を見出す人生も否定されるものではないはずだ。それはまあ極端な話だけど、要するに、氏の述べている「新大陸への対応」も、万人の最適解とは言い切れないだろう。マルチプル経済やサイバー経済なんて知りませーんなイチローは、少なくとも、彼自身の中での至上の幸福を何度も味わっており、それによってまたハードルを上げ、それをまた追い求めている。上記のように世界はもはや変化が激しすぎて最適解なんてないのだから、自分で作っていくしかない。氏が言いたいことも、結局はそういうことじゃないのかな。

レビューではなくなってしまいました。
読みながら、いろんなことを考えさせられた本でした。

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2011年07月31日

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ネタバレ

震災直後に披瀝された著者の見識に感銘を受けて、ここ10年の著作をまとめ買いしています。

学生時代に「平成維新」を読んで以来、週ポスのコラム程度でしか著者を知らなかったが、何冊か読んでみて深い見識と提言力に脱帽。さすが英エコノミスト誌で「世界のグル5人」に選ばれるだけはあります。

本著は2001年11月初版。9・11直後の作品。
著者は世界の「お金の流れが変わった」節目がこのころであるとしており、本著は著者がその時から何を考えていたか、何をキーと考え、何を提言していたかをおさらいできます。

今読んでも卓見と本質を見抜く力量の程に驚くばかりです。

著者がいつも言うボーダーレス、サイバー、マルチプルという概念はすでにこの頃から理論体系付けられていました。
実体経済と新大陸経済(本著の原題はThe Invisible Continent)で何をすべきか、どうあるべきか。

10年前の作品ですが、今でも色あせてるどころか、ますます著者の視点の斬新な輝きは増していると思います。

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2011年05月29日

Posted by ブクログ

BBT(MBA)1年次後期テキスト。
ビジネス新大陸とは?この違いを知ることは極めて大きい。
銀行という古い業態に居るとなかなか気付かない時流のすさまじい変化。変化とキーワードを抑える事で、世の中に起きている事、今後の方向性が大きく見えてくる。

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2010年02月17日

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個人的には

第2章の「富はプラットフォームから生まれる」
    
     と

第5章の「勝者となる地域と敗者となる国家」

を是非読んで頂きたい。

勿論、全体を通して面白い
(結構分厚いので読むのは大変だが・・・)
のだが、特に上記の箇所はお勧め!!

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2009年10月04日

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現代経済は「実体経済」「ボーダレス経済」「サイバー経済」「マルチプル経済」の4つの見えない大陸であるという。
この見えない大陸に全てを投資するのはリスクを伴う。消費者や個人が力をもち、彼らの集団心理や気分でお金が取引される。
企業が成功するにはこのプラットフォームをつくることだ。そして、それらの企業がひとつの企業のように組み合わさる必要がある。
旧体質の戦略や経営はすてて、自社の能力と顧客のニーズをしり、新しい価値を提供していくべきだ。

大前研一らしい本。さすがのベストセラーで切り口があたらしい。結論はドラッカーのものに似ている。やっぱりマーケティングかなー。

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2009年10月04日

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必読の一冊。世界は、経済はこれからどうなっていくのか、それを指し示す予言書として、我々に求められている変化をわかりやすく示している。大前研一の本は多数出版されているが、彼の主張の核心が示されているのはこの本だろう。

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2009年10月04日

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ニューエコノミの特徴は?サイバー経済?マルチプル経済?ボーダレス経済などの新しい要素の組み合わせにある。ケインズ派経済理論と新大陸(ニューエコノミー)を支配する経済理論との対比はニュートン力学(1対1の因果関係)とハイゼンベルグ理論(不確定性原理)との対比に類似している。株価収益率や株価時価総額の動きは不確定性原理に従っているように思われる。米国の成功はレーバンの「オープンな米国」それは金融、輸送、通信の規制緩和。

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2009年10月04日

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何年かに一度、世界の仕組みを理解させてくれる本に出合うことがある。
本書もそのような一冊。

本書が描かれたのは2000年であるが、すでにその当時、ICT革命がもたらした現在の金融と経済社会状況を見通していたわけである。
大前研一が凡百の評論家ではなく、きわめて優れた社会経済の観察者・分析家であることを示した一冊。

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2020年05月13日

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 本書で著者が連発する「新大陸」イコール「見えない大陸」とは何か、「新大陸」出現に焦点を当て、考慮すべき4つの力を書き出す。(P410参照)1、実体経済の空間2、ボーダレス経済の空間3、サイバー経済の空間4、マルチプル経済の空間といった経済力学である。勉強を怠ることで、(P452参照)過去の栄光にすがっている企業は、支援してくれる投資家を瞬時に失ってしまうだろう。あらゆるレベルで自己否定しなければいけない・・・

 著者、大前研一とは大学教授ではなく、大手ビジネスコンサルティング出身の世界中を飛び回る講演家という肩書きの様だ。まったくソレらしい本書であった。

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2014年10月01日

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2001年に発行されていたんですね。今読んでも勉強になります。ってか、発行当時に読んでも意味が理解できなかったと思う。

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2009年12月16日

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長いので途中で切り上げる。
2001年に書かれた著書。
大前研一氏の記した資本論。
変化の激しい時代、国境は無くなる。という前提をもとに話を進めた著書。
従来は、製造→マーケティング→販売→顧客サービスを一つの企業がやっていたが、
21世紀は製造はベトナム、エンジニアはバンガロール、顧客はインターネットで集め、販売のみを行うというシステムが成り立つ。
日本の家は高価すぎる。家をオーストラリアから輸入する、という発想はこういうところから生まれるのだと考えさせられる。
常に、自分ならどうするという発想を持つようにしなければならないと感じる。

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2009年10月07日

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著名な経営コンサルタント大前研一氏が書いた21世紀新しい経済社会をどう生きていけばいいのか書いた本。大前研一の本は結構いろいろ読んでいんだけどその中でも一番優れていると思う。その後もいろいろ本を出しているけど結局本書に主張していること書いているに過ぎないと思う。ただもう7年前の本なので古い所もある。例えば大前研一が主張する世界初のゴジラ企業であるマイクロソフトも古くなりつつあり新興企業Googleについていけなくてかなり焦ってヤフー買収に乗り出している。エコノミスト誌で世界のグルに選ばれた大前研一氏だけあって鋭い洞察力と分析力はさすがとしかいいようがない。それにしてもなかなか難しいやっぱりちゃんと理解するためには何回も読まこななくてはいけないと思った

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2009年10月04日

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ネタバレ

2001年の本なんだよなあ。

ファクトベースで考えること、例えば世界中で雇用を増やしているところと減らしているところの政策や要因の違いを観察、記述することで本質的なことがわかってくる。

プラットフォームが、既存の経済的観念を壊し、新しい大陸をもたらす。その通貨はドルかもしれないし、別のものかもしれない。そして、そのプラットフォームを決定するのは、消費者(顧客)である。

今の利権を守るために自由経済にしないのは馬鹿らしいと思いつつ、それで生かせてもらっている部分も多分にあるんだろうなと感じる。

とはいっても、自分が今後生きていくためには、人がお金を余分に払ってもいいと思ってもらえるように、しなくてはいけない。それが稼げる力なのだと感じる。

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2019年05月04日

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21世紀の経済活動の場として、20世紀以前に主流であった「実態経済」に加えて「サイバー経済」、「ボーダレス経済」、「マルチプル経済」が大きなウェイトを占める様になり、その3つの領域で価値を創造出来ない組織や個人は世の中の経済活動の潮流から取り残されていくと説いた本です。2001年に出版されたとは思えない程、今日の世相を言い当てており、改めて著者の慧眼に驚かされます。少し説明が冗長であり、かつ今では当たり前だと思えることも一部記載してますが、2016年現在の、そしてこれからの経済を理解する上で非常に有益な視点を提供してくれる(気がする)本です。

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2016年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の国際競争力とは何かを考える上で、大前 研一さんの世界視野で語られる主張はとても参考になります。

日本が国際競争力をもつために実施するべきこととして、大前さんのオーガナイズ・スモール思想が前提になっています。
・道州連邦制
日本の一つ一つの道州を1国家とみなす。その国家はクオリティ国家であるべき↓
・クオリティ国家
経済規模は小さく、人口が300万人〜1000万人、1人当たりGDPが400万円以上で、世界の繁栄を取り込むのが非常にうまい

▼これから求められる人材
ゴジラ企業をつくれる人=エコシステムをデザインできる人、プラットフォームをつくれる人

※ゴジラ企業の条件
見えない大陸のもつ特徴を活用できる能力が備わっていることを証明すること。すでに発見されている新大陸の特徴を活用するのは最低限のことであり、自分たちが独占的収穫を上げられる領地を確保し、同時にそれを拡張できる能力を併せもっていると証明できる。

今の時代は、プレイヤーが誰なのかを把握する力よりも、どういった力が、さまざまなプレイヤーを前進さえたり後退させたりするのかを理解することのほうが重要。

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2015年10月31日

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今の時代ネットがあればなんでもできる、グローバルな時代なのだ、とどこに住んでいても関係ないのだ、と。共産圏に住んでるものとしてはその国のインフラが最低限度整っていることも大事ではないかと思う。いまだにADSLをひっぱっているような国では瞬時の判断ができないのではないかと。ということは最低限度は先進している国の中でのグローバルなのではないかと。まぁアメリカも日本も大差なかろうが。

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2015年07月15日

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