【感想・ネタバレ】死にたがりの君に贈る物語のレビュー

あらすじ

全国に熱狂的なファンを持つ、謎に包まれた小説家・ミマサカリオリの訃報が、人気シリーズの完結目前に告げられた。奇しくも作品は批判に晒され、さらに作家に心酔していた高校生・純恋が後追い自殺を図る。未遂に終わったが「完結編が読めないなら生きる意味がない」と語る純恋。やがて山中の廃校に純恋を含むミマサカファン、七人の男女が集まった。小説をなぞる生活をし、その結末を探ろうとしたのだが、ある事件が起きて――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ベストオブけんご大賞受賞作! 
熱狂的なファンが多い、小説家ミマサカリオリ。人気作品は賛否両論が激しく、作家は物語を完結させる前に死亡してしまった。
作品のファンで小説をなぞり、廃校物語の結末を探ろうとした。
作品に浸透していた少女を、対人恐怖症の作家を、
作品を愛する人たちで前に向かせようとする応援と、お互いが支え合って生きていく彼女たちに感動した。

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2025年08月06日

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ネタバレ

皆壊れた作家の心を想う良い人だったのだなと感じる。作家の最後のメッセージが好き。取っていた行動は傷つけることでも、人の心が分かり感謝したからこそ最後のメッセージはそうなったのだろうなと感じる

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネタバレ無しでは感想が書けん!

中里純恋の叫びがとにかく凄い!
著作への愛と著者の自己卑下への憎しみの両方がない交ぜになってすごい感情!
一人の人間に対して、命を懸ける程の愛と頂点に達した怒りを同時にぶつける、という複雑なシチュエーションを作ったという事実だけで綾崎隼という人を尊敬する。

そしてラストが凄い!
非常に個人的でプライベートなメッセージをあとがきに入れてミマサカと中里が“お互いに”救われている。
双方向なのがとても重要だ。
実際に自殺未遂した人と社会的に自分を抹殺した人、お互いの心が確かにこの瞬間に支えあってかろうじて踏みとどまっている。

人が死なないし男女の恋愛もほぼ無い。
ミステリなのか純文学なのか知らんけど自分的にはマスターピース認定!


ツッコミ所はある。
本の最初に見取り図があって人物紹介まであって
「人、死なないんかい!」
と思った人は多いだろうし、
「清野君の気持ちは、、、」
と思った人もいるだろう。
シチュエーション的にも
「そうはならんやろ」
と思える箇所も何カ所かあった。

でもねえ。些事。あまりにも些事。
戦車の前の蟷螂の斧。
台風の前のうちわ。
象の前のテラニシシリアゲアリ。(←言ってみただけ)

それと、他人のレビューで「ただの本にこんなに命を懸ける人がいるというのがリアリティが無い」みたいなのを見たもんだからWikipediaの「ウェルテル効果」のページを改めて読んでしまった。
一定数いるんだよなあ後追い。

Webで公開されている著者のコメントで下記があった。
「山際さんという女性が登場します。彼女は物語の中盤で、ある病気を告白するんですが、それは私が医者に告げられた病名でもありました。」
命削って創作してる!
ほんとにお大事にしてほしい。
末永く健やかに頑張ってほしい。
たまたま同郷で歳も近かったので余計そう思った。

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2025年07月07日

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ネタバレ

衝撃の結末でした。本を読み進める手が止まらなかったです。ほんとに面白くてまた読みたいと思った本です!

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2023年12月28日

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ネタバレ

自分のことが嫌い、生きる理由がわからない人たち。
特に友子は、いろんな人に当たり散らして、最初から嫌な人、苦手なタイプだったが、読み進めるうちに、相手に言っているようで実は自分に向けているのでは?と思い始めたら、彼女の正体がわかる。防衛本能と信じられない気持ちが合わさっている、ナイフを自分のからだに当てるだけが自傷行為ではなく、言葉で追い詰めていた。
作家を苦しめたもの、救ってくれたもの。
登場人物たちがあたたかく見守り続けた、ひとりの作家への愛のかたち。

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2025年08月02日

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ネタバレ

読み終えてまず思ったこと…
なんでもっと早く読まなかったんだろうー!
自分、自分の人生への憎しみと諦めがひしめく中で、愛とつながりにより生を紡ぐ、ミステリー要素もありの素敵な物語。

ミマサカリオリは純恋と出会い、彼女の作品への愛に触れ、書き続ける(生き続ける)意味を見出し、最後までヒヤヒヤしたけれど純恋も、ミマサカの想いに打たれ、生き続けることを選択をしてたであろうと信じてやまない。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

10年ほど前に綾崎隼さんの本を初めて読んで花鳥風月シリーズとノーブルチルドレンシリーズにどっぷりハマった。最近はあまり読んでいなかったけど久しぶりに目に留まった綾崎隼さんはTikTokで紹介されて話題になっているらしく、なんだか嬉しくなって本書を手に取りました。

読み進めていると
あぁ、こんな感じだったなぁと懐かしい気分になった。
特に山際さんが言った「そこにどんな気持ちを足すことも、引くことも、出来ない。」という一文は『初恋彗星』の冒頭に出てくる一文に少し似ていて個人的に上がった。そしてそんな所がミマサカリオリの原稿で興奮する登場人物たちと私はリンクしてしまったように思う。
ミステリー要素で言うと少し味気ないかもしれない。
人によってはある程度予想がつく展開かもしれないし、正直言うと私もその1人だった。だけど時々、綾崎隼さんの文章はすごく深く刺さる。
ミマサカリオリの言葉
・「お前みたいな作家は、本当に死んでいたら良かったんだ」
・少女の純真な願いは、ほとんど呪いだ。
 今日も、明日も、明後日も。
 きっと、この呪いが、潰れてしまった私の心臓を動かしていく。

そして綾崎隼さんの本はいつも最後の1ページ、
最後の一文がとても素敵だと思います。

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2025年04月04日

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ネタバレ

みんながミマサカリオリのために行動していることがすごく伝わってきた。みんなが思いやりをもって意図を汲んでくれていた。そしてそれは6人だけじゃない。肯定して、愛してくれるファンがたくさんいること。それに気づけたことがミマサカにとって一番だったと思う。
編集者の塚田さんと山際さんが優しすぎるし、稲垣さんの言動が人格者すぎる。

どれだけの賞賛があっても、批判の声は目に映る。人一倍そういう声が届くミマサカだからこそ、自暴自棄になり、周りの人を試した。
生い立ちや境遇を鑑みれば十分推察できる。

だからこそ、純恋の意志の強さと小説への愛がミマサカの胸を打った。本気で小説に救われて、命をかけるほどじゃなければできない。
そして純恋も、生きがいがこれからも続けると知って、タイトルの伏線回収へと繋がる。

主人公の広瀬も苦しい現実と向き合いながら、自分を信じて生きることを選んだ。

誹謗中傷はSNSが浸透した今、すごく問題になっているが、やはり中傷を受けた側は、立ち直れないほどの傷を負う。気にするなと言われても目に入るし、自分の心が蝕まれていく。
改めて警鐘にも自戒にもなった。

けんご大賞の受賞作。前評判が高いゆえに、自分の予想をさらに超える展開を期待してしまった。
もちろん内容は感動したし、書き手と読み手の両方に救いがある終わり方でとても良かった。
だけど、田中が暴言やり過ぎだなあ。自分がされて嫌なのに、それをましてや一番愛を伝えてくれた読者に、、しかも子どもに、、
周りが優しすぎる。編集者は小説家第一とはいえ、崇めすぎな気もした。
純恋に任せたっていうのも、一番の読者とはいえ、結局他力本願な感じも否めなかった。

「鮎の友釣り」は友情ではなく、怒りを利用する。鮎の縄張りを利用して、攻撃してきたところを引っかけるのか。

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この共同生活の狙いを「鮎の友釣り」で例えていて面白かったし、凄くしっくりきた。

「炎上は愛情の裏返し」は、全てに該当するものではないかもしれないけど、本という作品に関しては、ある意味そうなのかも。

ミマサカリオリのそばに、純恋でいてくれて良かった。これからも、ずっとファンレターで繋がっていて欲しいな。

ただ、Swallowtail Waltzの内容が小出しすぎて、最後の結末が出てきた時も、この人なんだっけ??ユダって何したっけ??ってなって、あまりのめり込めなかった。

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2024年06月02日

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