あらすじ
大人たちの過度な期待と強制で、精神的健康度が低下している子どもたち。将来への不安が日本人を追い詰め、教育の名の下に、大人が子どもの健全な育ちを奪っている。「教育熱心」と「教育虐待」の境目は? 親、教師、子どもたちを救うために社会何ができるのか。健全な成長と学びの本質を考える。
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Posted by ブクログ
教育熱が高まる今、子を育てる親として興味を引くタイトルだった。
他人の尊厳を尊重できて他者を助ける
そんな社会になればいいよね〜と思えたんだけど、
いかに自分がお金を得て成功した人生を送るのかに必死。子供にも期待して教育に熱心になってしまう。
社会自体を変えるべきだということが書かれていた。
自分の子供が幸せに生きるために親としてできることやある程度自由にさせたり、色々な人と交流を持たせたりしたいと思った。
Posted by ブクログ
社会全体の歪んだ教育観による子どもへの不適切な行為である「エデュケーショナル・マルトリートメント」が子どもを苦しめている。裏を返せば、そうした他者の不適切な行為など、環境を整い直せば改善する子どもの問題が多くあるということ。
子どもを支配やコントロールする対象とは思わず、個の人間として尊重し、何が嫌なのか、どうしてほしのかなどの対話を尊重しなければならない。
Posted by ブクログ
全面的に納得できた本です。逆に言うと、新たな発見とか、目からウロコ、みたいなことはあんまりなかった(少しはありました。)
私は20年以上、公立中学校で教員をしていて、なんとなく文科省とかから押し付けられて「そんなことしてもダメやし」と思っていたことが、この本に書かれていいることで補強された感じがします。
タイトル通り、学校教育でできることは限られているのに、それをきちんと認識せず、あれもこれもと「やりすぎ」なのです。
学校教育で必要なのは、読み書きそろばんと、集団の中で自然と培われる人間関係によって学ぶ社会性。
ところが現代社会で様々な問題が取りざたされるたびに、文科省から、あれもやれ、これもやれ、とミッションが下りてくる。
情報モラル、コロナ差別、ハンセン病への理解、人権・同和教育、(私が教員になったばかりのころは、エイズ教育が必要とされて、男女の性交渉の場面を道徳の教材で読まなければならず、本当に嫌だった)、最近では生物多様性やら、ジェンダーやら、アルプス処理水やら、再生可能エネルギーやら、職業観やら、SDGsやら、難民問題やら、もう、とどまるところがない。
そういうのを道徳やら総合的な学習の時間やらでやれと。
学校は、学問を教えるところです。まず。そして、それを(公立学校では)知的レベルの異なる数十人の集団でやることによって、道徳性(正義や思いやり)を身に着けるところです。もちろん、教師が意図的にそうなるように仕組むことは必要だが、「さぁ、正義と思いやりについて学びましょう」と言って身につくものではない。
ほぼ本のレビューじゃなくて私の持論になってしまいました。ごめんなさい。