あらすじ
小さい頃から動画をたくさん見るとどんな影響があるのか? SNSを長時間使う子は読解力が低い? 紙とデジタル媒体では、どちらで読むほうが正確に読めるか? ICT教育のメリット・デメリットは何か? デジタル技術の急速な普及で、子どもたちの学習環境は大きく変化しており、考えるべきことは山積みだ。本書は、日本のみならず、海外の最新の研究をもとにデジタルと「学び」の関係を丁寧に分析する。これから先の教育を考えるうえで必読の一冊。
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Posted by ブクログ
子どもたちは、今や膨大な情報に取り囲まれている。その中で、異なる立場にいる人たちの見解を正確に理解し、意見と事実を判別し、情報の信頼性を判断し、信憑性のある情報に基づいて、論理的に判断を行い、その結果を言語化して、他人にも伝えるような能力をPISAでは求めている。
読みの4つの特徴。①移動性…どこでも持ち運びができ、読む行為は場所を選ばない ②身体性…紙の質感、感触。何ページあるか視覚的に感じ、ページのどの辺に書いてあったかを記憶する。本は情報である前に「モノ」である ③対話性…読む際に付せんを入れたり、アンダーラインを引いたり ④共有…読むことは意外と社会的な行為である
ハイパーリンクの落とし穴。リンク先に飛ぶことで、元のテクストの「読み」の流れが一時中断される。
特定のデジタル上の読みに頼りすぎると、学校教育で求められる「ある程度の長さを持ったテクスト」の読解に影響が出る恐れがある
「打ち言葉」が読み書きに与える影響に懸念がある。
コロナ禍でオンライン授業が進む中、家庭にコンピューターなどがないためオンライン授業に参加できない生徒が不利にならないようにするのは、どの国でも大きな問題だった。ただ、日本以外はそれを理由にオンライン化を躊躇するのではなく、不利な子をフォローするかたちで、積極的にオンライン授業を進めていった。
一見、退化に見えるような現象も、見方を変えたら進化である。