あらすじ
モノノケは、古代・中世では、正体不明の死霊を指した。病気や死をもたらす恐ろしい存在で、貴族らは退治や供養に苦心した。近世になると幽霊や妖怪と同一視され、怪談や図案入りの玩具を通して庶民に親しまれる。明治以降、知識人のみならず政府もその存在を否定するが、新聞に掲載される怪異や文芸作品で語られる化物たちの人気は根強かった。本書は、豊富な史料からモノノケの系譜を辿り、日本人の死生観、霊魂観に迫る。
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Posted by ブクログ
もののけと一口に言っても、色々と歴史的に見ると変わってきているんです
新書という内容にも関わらず、膨大な資料のレビューをされている(ここらへんは中公は新書といえどさすがの重厚感)
他方で、「モノノケ」にかかる歴史資料のレビュー的な要素が強く、あまりこの分野に精通していない自分からすると結構文献自体がわからず、非常に微細な差異をつらつらと説明していく感じになっていて「面白さ」という視点でいうと今ひとつな感じ。
この分野を先行する学生さんが、自分の論文のとっかかりにする。
とかそういう感じではすごく役立つ書籍だと思う。