あらすじ
身の程もわきまえず
貴女のすべてを私は奪う――
反乱軍に国を滅ぼされた元皇女オデットは、
籤で選出された騎士ユリウスの妻として下げ渡されてしまう。
その男は、かつて教師としてオデットに仕えていた技官“ジョン”だった。
密かに心を寄せていた“ジョン”が、容姿も身分も名前もすべて偽って
反乱軍を宮殿に引き入れた裏切り者と知り、オデットは屈辱に打ち震える。
ユリウスに処女を強引に奪われてしまうが、
ある理由からオデットの身体に施されていた『呪い』が発動してしまい……。
背信の騎士×亡国の皇女、
踏みにじられた想いの行く先は――?
【目次】
序
1 追憶
2 裏切り
3 鳥籠
4 闇の声
5 嵐の前
6 迷宮
7 夜明け
終
あとがき
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Posted by ブクログ
やはりあれは出来レースだったかと、終盤まで読んで納得。
(何のことかまでは割愛)
最初から思い合ってはいるけど、皇女さまは愛した人に騙されたと思っているのと、ずっと隠し続けていた国の秘密の件があり、騎士さまは騎士さまで皇女さまを騙した負い目、そして想いを返してもらえるはずがないという思い込みがあって、決定的にすれ違っている二人。
特に彼の方の真意が見えなかったので、随分やきもきはした。
どう見ても皇女さまのことが好きなのに、騎士としては行動がちぐはぐというか。
終盤で彼がある人から拝命していたことと、そして後書きにあった「重すぎる愛」でようやく納得した。
彼の裏切りは一件だけではなかった。
まさかの相手すら裏切るほど、一途だったのだなと。
最初から、彼の主は皇女だったのだなと。
皇女さまが抱えていた秘密は、放置すれば国が滅びるほどのことだというのは、割と初期から察することができる。
そのため、果たしてこの話だけで解決するのかと思って心配したが、寧ろ解決した上で、更に皇女さまにかけられた呪いすら吹き飛ばす展開には本当に驚いた。
驚いて、ようやく安堵できた。
これで皇女だけでなく、この国にかけられていた呪いも解けたのだなと。
かつての身分にはもう戻れなくても、それ以上にかけがえのないものを手に入れられたハッピーエンドだったと思う。
皇女さまにとっても。
そして、騎士さまにとっても。
ソーニャは良い
ソーニャの王道のような話。
ヒロインの皇女は自分のおかれている立場をわかっていて、好感がもてます。
話はおおむね予想通りだったけど、普通に面白くて飽きずに読めました。
獣を思ったよりあっさり倒せた?のはちょっと不満かな。もう少しあそこで、生きるか死ぬかのラストの盛り上げが欲しかった。(ワガママ)
まじないの内容が内容だけに、濡れ場は少ないし、描写も濃くはなかったです。
ヤンデレみが強くもないし、ぶっ壊れキャラもいなかったので、個人的には軽めのソーニャかな、と思いますが、良いお話でした。