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Posted by ブクログ
長いこと積読してたけど読み始めたらびっくりするぐらい面白かった。魔術師名称ギルドに加入するための試験にはるばる山を越えてやってきた主人公アダムとしゃべれる犬のモプシー。しかし魔術師名称ギルドは魔術師とは名ばかりの手品師が所属するギルド。ほんものの魔法が使えるアダムはその予選で行った演技について周りからトリックを教えて欲しいと詰め寄られたり(ほんものの魔法なのでタネも何もない)、黒魔術師!危険!と狙われたり…というストーリー。アダムからしたら魔法は当たり前のもので、オタマジャクシがカエルになること、種が木に育つこと、私達が目を閉じて頭で想像すれば楽しかった場所や過去、未来へ一瞬で行けることも魔法。見方を変えれば世界には魔法が溢れてるし誰もが使える。ロマンチックな話の中に所々皮肉っぽい社会風刺的な表現も含まれてる感じがあった。ファンタジー好きなら是非読んで欲しい!
Posted by ブクログ
魔法使いのアダムは魔術師の街マジュイヤへ、物言う犬のモプシーと共にやってくる。
そこにはありとあらゆる魔術師がいるのだが、アダムは本物の魔法使。
彼がこの町で出会ったジェインとニニアン。二人にもたらした奇跡の物語。
ああああ! 好きだー! ギャリコ!!
Posted by ブクログ
魔法の都とよばれる都市マジェイアにストレーン山脈を越えてグリモアからアダムという青年がやってきます。
アダムはマジェイアの手品師や奇術師が加入する魔術師名匠組合に加入する試験を受けるつもりでした。
百人の魔術師が受けて合格するのは3名のみ。
そこでアダムはマジェイアの市長にして魔術師の統領のロベールの娘で11歳のジェインと知り合い仲良くなります。
ロベールは息子のピーターを後継ぎにしようと可愛がりジェインのことは放っておいていました。
そしてアダムは無二無双ニニアンという下手くそな魔術師を助けてやります。
その時の魔術があまりにも鮮やかでロベールはアダムに手品の種を教えて欲しいと言い出します。
しかしアダムがやっているのは、魔術(手品)ではなく、どうも本物の魔法使いではないかという噂になってきます。
アダムはジェインとニニアンとものいう犬のモプシーとピクニックに出掛けてジェインに語ります。
「わからないかいジェイン。われわれのまわりには魔法がみちみちてるってことが。(中略)牝牛はこれをミルクに変えることができるんだ。そのミルクからクリームやバターやチーズができて、われわれがそれを食べたり飲んだりして大きくなるんだ」
「にわとりは偉大な手品師だよ。割った卵をもとへ戻すことならぼくにもできるがね。しかし卵を一つでも生み出すことはできやしない」
「それからまだひとつ、のこっているものがある」
「それはきみの魔法だ」
「眼をつむってごらん」
「さあ、どこか他の場所のことを考えるんだ。ーまえに行ったことのある、楽しかったところをいってごらん」
「海辺だわ!とてもよかった」
「きみはいま海辺にいる。そうだろう?」
「そうよ」
「じゃあ、眼をあけろ!」
「さあ、もうこうしてここにいる。けれどもたったいま、何百マイルも旅行に行ってきたんだ」
「何もかもこの中につまっているんだよ」
アダムは長い指で彼女の額にそっとふれた。
このシーンが一番、印象的でした。
以下、ネタバレですが、試験日に天井から金貨を降らせて悪い魔術師の手から逃れてそのままモプシーとともにいなくなってしまったアダム。
13歳になったジェインはばったり出会ったニニアンとともにアダムを探しにいこうとしますが、ジェインはあのピクニックの日の魔法を思い出しいくのを思いとどまります。
Posted by ブクログ
(わたしは)これを、訳含めて、「児童文学」の傑作の棚に置きたい。「モモ」や「ゲド戦記」と同じ、『決して古びない真実のファンタジー』の棚に。……あと個人的にモプシーが、「猫語の教科書」を思わせる思わせる書き方をされているのがとてもうれしい。
Posted by ブクログ
魔法が使えるっていいなぁと単純に思うけれど、どういう立場かによってその気持ちは大きく変わるものだと読んでわかります。
最後魔術師たちがお金をかき集めるさまを見て、人間の本質が見えてしまうところに自分は目先にとらわれないように気をつけようと戒めになります。
アダムと会えたら一緒に旅とか隣人としていられたら日々楽しいだろうと思います。
いつかニニアンが、ジェインがアダムと再会できますように。
Posted by ブクログ
二二アンの終わり方は、虫が良すぎると思った。散々裏切って嘘をついた上に、ここぞという時に手伝ってもらってもまた文句をいい、数年経った頃になって謝りたいだなんて。ジェインが連れて行ってと言うと、いいや君はここにいるべきだ〜とかっこよさげな台詞を吐くが、どの面下げてそんなことを?と思ってしまった。アダムとモプシーはあっさりいなくなってしまって寂しい。アダム達の視点のラストも読みたかった。結局、生きることも魔法であり、魔法の小箱とは頭の中の記憶や想像のこと。頭の中でアダム達に会いたいと願った時、アダムのことだから空想ではなくて、おそらく本当に会ってるのだろうと思うと、凄くロマンチックだ。