【感想・ネタバレ】ひとつむぎの手(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば……。キャリアの不安が膨らむなかで疼く、致命的な古傷。そして緊急オペ、患者に寄り添う日々。心臓外科医の真の使命とは、原点とは何か。リアルな現場で、命を縫い、患者の人生を紡ぐ熱いドラマ。傑作医療小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最後に「○○さんのような医者になりたい」とつながっていく終わり方に感動した。
病院としては、「権力争い」という社会の黒いところが顕著な部分まで描かれていた。小さい頃は、病院は人の命と向き合う場所として疑わなかったけれど、自分も社会人となり、働くようになってから、理不尽は当然のように身近に転がっていると知り、あってほしくはないが何かと現実的に感じた。最初は、それこそ自分よがりの動機で引き受けた研修医の指導ではあったが、彼のありのままの姿が、徐々に研修医たちの心をひきつけ、最終的には彼らに「本気で自分たちの将来を考えてくれた」と思ってもらえていたのがよかった。理不尽だらけの世界の中で、まだその理不尽に染まっていない人たちから、「あなたのようになりたい」と思ってもらえるのは、すごいのではないか思う。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

手術の描写に緊迫感が漂っていてリアルだった。
自分のよさって、人に言われて初めて気付くことも多いと思う。
尊敬している赤石に言われたこともあると思うけれど
長年追いかけてきた夢を方向転換する平良の勇気が素晴らしい。

終盤で次々に明らかになる事実には、なんとも言えない気分になったけど
後輩や、未来の患者のことも視野に入れられる平良はやはり、優れた人物なのだろう。

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2025年02月02日

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