あらすじ
深川黒江町の長屋で、刃物の研ぎを生業とする太吉、ひとり者。ある夏の日、裏店にひとりの若い女が訪ねて来る。料理人だった父親の形見である出刃庖丁を、供養として研いでほしいという。快く引き受けた太吉に、かおりと名乗るその娘は、妙なことを口走る。「おとっつあんは、殺されたんです」――。一本の庖丁が暴いていく、切ない事件の真相とは。切れ味抜群の深川人情推理帖!(解説・末國善己)
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Posted by ブクログ
山本一力が安二郎の仕事に批判的な職人たちをヒーローとして描いたのは、現代社会に蔓延している職人の手抜きに警鐘を鳴らすためだったのではないだろうか
料理人の道具を手入れする太吉は、裏方の職人である。著者が、Spotlightを浴びる花形職人ではなく、地味な裏方を主人公に選んだのは、職人の本質が、研ぎ師のような地道な仕事にあると判断したからではないだろうか
Posted by ブクログ
長屋に引っ越してきたばかりの刃物の研ぎ屋、大吉。彼の元に年頃の美しい女性が訪ねてきたことを長屋のおかみさん連中が興味津々に話し出すが…。
主人公のまっすぐな生き様、職人や同心など、粋でいなせでカッコ良い登場人物がたくさん出てきて、食べ物や江戸の描写もすごく魅力的で良い。
なのに、なんで物語の展開が後半になってグチャグチャ。江戸時代の常套手段、拷問で自白は鬼平なんかでも描かれるシーンだが、あそこで使うのは反則だろう。
ミステリーというか捕り物帳としては、残念。市井人情ものにするにはミステリー要素が邪魔…なぜか傑作になり損ねた感がある小説。