あらすじ
その道40年、集大成にして入門の書。
私たちの一番身近にある「料理」。生きていくうえで欠かせないからこそ、毎日の食事を作ることにプレッシャーや負担を感じてしまう。しかし、料理の「そもそも」を知り、暮らしの意義と構造を知ることができれば、要領よく、力を抜いて「ちゃんとできる」ようになる。日本人は料理を、どのように捉えてきたのか。古来より受け継がれてきた美意識や自然観、西洋との比較などを通して私たちと料理との関係性をひもとく。料理を通して見えてくる「持続可能なしあわせ」「心地よく生きていくための道筋」とは何か。NHK「きょうの料理」でもおなじみの著者が、いまの日本の料理のあり方を考え抜いた末に提示する、料理と暮らしの新しいきほん。
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Posted by ブクログ
肩肘張らず、かしこまらずに読める土井先生の料理本。序盤は日本の食文化の概略、日本に入ってきた諸外国の食文化の分類、ケとハレの概念から見る料理など、いわゆる「日本料理総論」みたいな内容。後半は、前半の内容を踏まえてどのように「料理や食事を整えるか」という、和食の精神性に話が及ぶ。
人はなぜ料理を作るのか。なぜ、家族に料理を出すのか。どうやったら、美味しい料理を楽しく整えることができるのか。
具体的なレシピは何一つ出てこないが、料理を作る楽しさや面白さ、料理をすることが人が生きる中でどれほど大切なのか、ということが、煮物に味を染み込ませるように、ゆっくりと丁寧に書かれている。
土井先生は、いろいろな場所で「食事は、丁寧に整えられていれば一汁一菜でいい」と繰り返しており、この本の最終章でもそれは触れられている。
忙しい時には、この本を読んでふっと肩の力を抜けばいい。そして、ご飯と味噌汁と漬物をきちんと膳に並べて食事を取れれば、日本人ならそれで充分なんだと思う。
料理をすることにプレッシャーを感じている人や、食事の支度をすることに疲れてしまった人には、特に響く本なのだろうと思う。