あらすじ
眉の毛一本の塩梅、好きな服や下着の賞味期限……ほろ苦くも爽やか。
人生後半について考えるいまこそ読みたい示唆に富むエッセイ集。
「アレ」連発の会話、眉のかたちを整えるときの緊張感、着たいのに似合わない服が増えた……
こんなはずじゃなかったというちぐはぐな感情に揺さぶられるお年頃、それが中年。
あらゆる局面でむずかしいギアチェンジを迫られ戸惑いながらも、
変化をしなやかに受け入れておもしろがる気持ちになれる、痛快で愛すべきエッセイ集。
※この電子書籍は2016年7月刊行の『彼女の家出』を改題、大幅に加筆修正した文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
軽やかで楽しくて気づきも多くて最高。
やっぱり平松洋子さんだぁ。
同じ人生でも、平松さんみたいな文章に書きつけて行くような気分で過ごしたら、振り返ったときの色合いがぐんと明るくなりそう。
Posted by ブクログ
私も50代に入り、こんなはずじゃなかった、と思うことが多くなってきた。
若い頃は目を背けて済ませられたことも、中年ともなると否応なしに前面に出てきて、啞然とさせられることしばしば。
平松洋子さんの所謂”しょっぱい現実”を読みながら、自分の”しょっぱい現実”と比べてみる。私から見れば平松さんには気持ちの余裕が感じられるけれど、この気持ちの余裕がこの先を生きていく上できっと大事なんだろうな。
オススメの塩豆腐はぜひ作ってみたい。
自分の目前に立ちはだかるのは、自分自身の老いの現実。老眼、白髪、皺、しみ、たるみ…書き出すと止まらない老いのオンパレードに、もはやため息しか出ない。
そして老親の介護、看取り、相続、家の始末と課題も山積。
考え出すと滅入るばかりの中にあって、少しずつでも楽しみを見つけていけたら。
自分の老いと向き合いつつ身辺整理を試みながら、もう少しがんばってみようか、そんな気持ちを蘇られせてくれるエッセイだった。
Posted by ブクログ
平松洋子「下着の捨てどき」、2021.2発行。彼女の家出、夜中の腕まくり、下着の捨てどき の3つの章に分けられたエッセイ集。2016.7刊行の「彼女の家出」を改題・加筆・文庫化したものです。
一日に一度、床の拭き掃除をする。雑巾をベランダに干すし終える。清々しいことでしょうw。平松洋子「下着の捨てどき」、2021.2発行、再読。 ①すきな喫茶店の条件が、なんと、13項目記されていました。(^-^) 私が若い頃の条件は2つ。タバコが吸えて、新聞、漫画、週刊誌が読めることw。②ネスカフェのCM「違いがわかる男」。遠藤周作、山本寛斎、高倉健。懐かしい。でも、みなさん鬼籍に。③長野県南木曽に暮らすひとたちは、冬場にねこを背負って暮らしていたw。「ねこ」は半纏に似た綿入れの背中だけの防寒具) ④捨てどきが難しいのは、自分を問われているから。何が必要で、何が必要ではないのか。進退を突き付けられている。「下着だけは、いつ交通事故にあっても恥ずかしくないようにしておきなさい」 下着の捨てどきは、女の試金石である。