あらすじ
「日本の初任給はスイスの3分の1以下」
「日本のディズニーの入園料は、世界でもっとも安い水準」
「港区の平均所得1200万円はサンフランシスコでは『低所得』」
「日本の30歳代IT人材の年収はアメリカの半額以下」 ……
物価も人材もいつしか「安い」国となりつつある日本の現状について、
ダイソー、くら寿司、京都、ニセコ、西川口など、記者がその現場を取材。
コロナ禍を経てこのまま少しずつ貧しい国になるしかないのか。脱却の出口はあるか。
取材と調査から現状を伝え、識者の意見にその解決の糸口を探る。
2019年末から2020年にかけて日経本紙および電子版で公開され、
SNSで大きな話題をよんだ記事をベースに取材を重ね、大幅加筆のうえ新書化。
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Posted by ブクログ
ここ数年感じていた問題意識が、この本のおかげでクリアになった。自己の市場価値を高める努力を継続したい。
備忘メモ
・日本はデフレと低賃金のスパイラル
・日本の低賃金は生産性の低さに起因
・生産性の低さは、人材育成やITへ投資してこなかった経緯や、日本的な雇用体系に起因
・日本的な雇用体系とは、勤続に応じて昇給し、それ以上の賃金交渉をせず、福利厚生等含めたパッケージで生涯会社に面倒を見てもらう働き方
・日本は仕事に対して賃金、やりがい、余暇すべてにおいてイギリス、フランス、ドイツに比べて満足度が低い
・低賃金を甘んじて受け入れつつ人生の幸福度が高いならまだしも、身を粉にして会社に従属する結果、やりがいや余暇にも不満が溜まる構造
・日本の優秀な労働力は海外へ流出。海外の優秀な労働力は日本へは入ってこない。インドをはじめとした優秀なIT人材の確保は、日本企業にとっても急務
・消費意欲の高い若年層が、低賃金、非正規雇用等で消費を抑制し、デフレに拍車
・海外に買われる日本。低賃金にあえぐ日本人は安いニッポンの恩恵を感じきれず、恩恵を受けるのは外国人
Posted by ブクログ
ディズニーランドは日本が最も安い。
100均は日本だけ。
くら寿司は、定置網の一船買いでどんな魚も買い上げる。
ワンコインでランチが食べられる。
ビッグマック指数だと、1度つ68円でもおかしくない。
アメリカは物価が2%ずつ上がるが、給料は3%ずつ上がる。
ガリガリ君の値上げがニュースになる。
入社時に賃金交渉できない。
ジョブ型雇用に対応できない。職務記述書が用意できない。中小企業では、役割型雇用だけで十分。
安いことによる弊害。
高級品は日本人には高嶺の花。海外旅行も頻繁にいけなくなる。
人材の流出、人材が育たない、など。
日本の労働者の生産性が上がらない。情報化の投資が不足。規制緩和で競争を促進する。