【感想・ネタバレ】かすがい食堂 夢のゆくさきのレビュー

あらすじ

この食堂のお節介は温かくておいしい!

映像業界を離れた春日井楓子が、祖母から駄菓子屋かすがいを引き継ぎ、その店の奥で子ども食堂を始めて約2年が経った。事情を抱える子どもを対象に、1回200円で週に2回。買い物も調理も一緒に行い、みんなで食卓を囲む一風変わった子ども食堂だ。

ある日、なじみの商店街の店員から、毎日家の料理を作っているという少女の話を聞いた。「感心な子」だと言う。ヤングケアラーを疑った楓子が本人に尋ねると、怪我を負った母親の世話と家の家事を一人でしていると答えた。楓子は子ども食堂に来ないかと誘うが、けんもほろろに断られてしまう。〈第一話 少女とつなぎとハンバーグ〉

料理系の人気ユーチューバー・ナツミが見せた本音とは。〈第二話 はじけるにんじんしりしり〉

かすがい食堂の食卓に安楽椅子探偵が現れる!?〈第三話 食卓推理「黄泉がえる母親」〉

自分を犠牲にして家事に専念する女子高生・三千香とその弟・璃久に、お節介気質の楓子の思いは届くのか。〈第四話 夢のゆくさき、絆のかたち〉

社会を繋ぐ下町の子ども食堂物語、人気シリーズ最新刊。

(底本 2023年4月発売作品)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

毎回考えさせられるこのシリーズ。
今回はヤングケアラーと子育てについて考えさせてられました。

高校生の三千香は母子家庭で育ち、怪我の後遺症で働けなくなった母の代わりに家事を行う。そんな三千香を見かねた楓子はかすがい食堂に誘うが、頑なに拒否をして…

あまりに頑なな三千香の性格が、かなりしんどかったですけど、最後までかすがい食堂には通わないってのは驚きでした。人にも自分にも厳しいけど、それが必ずしも正しいとは言えず。
以前出てきたアフリカ系フランス人のエミリーの言葉で、「しつけではなく暴力」ってのが身にハッとさせられました。

楓子も三千香の言葉で、かすがい食堂の存続を考えていましたが、もう少し続けられそうで良かったです。

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2023年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 子育てや躾を学び考えるということは、人間とは何かという根本を問いかける作業でもある。駄菓子屋かすがいの店の奥で子ども食堂を営む春日井楓子はお節介をやきながら、子どもたちと一緒に成長していきます。読み応えのある作品です。加古屋圭市「かすがい食堂 夢のゆくさき」、シリーズ№3、2023.4発行。

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2023年06月28日

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