あらすじ
彼を抱きしめると、俺はこの世のすべてを手に入れたような気がした。
光と影が渦巻く大都市ソウル。
最低賃金のバイトをしながら、くずみたいな文章を書きなぐって暮らす〈俺〉は、どれだけ派手に遊んでも、消せない孤独を抱えている。
そんな日々のなか、梨泰院(イテウォン)のクラブでバーテンダーとして働くギュホと出会い、愛を分かちあう。
しかし〈俺〉には、人に言えない〝秘密〟がある……。(「大都会の愛し方」)
喧騒と寂しさにあふれる大都会で繰り広げられる多様な愛の形。
さまざまに交差する出会いと別れを切なく軽快に描く。
韓国で新時代の文学として大きな話題を呼んだベストセラー連作小説。
【もくじ】
・ジェヒ
・メバル一切れ宇宙の味
・大都会の愛し方
・遅い雨季のバカンス
・あとがき
・訳者あとがき
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Posted by ブクログ
自由奔放な女性の親友、学生運動に参加した過去を持つ男、バーテンダー、保守的な思想を持つ母を登場人物に、儒教やキリスト教の考えが残る保守的なソウル社会の中で生きるマイノリティの存在を鮮やかに描いた作品。
『1984年生まれ、キム・ジヨン』でも描かれた韓国社会の問題。ルーツとする宗教や事情が異なるにしても、保守的な思想の絡み合う社会の中における多様性の問題という点では共通するのかもしれない、そして日本社会を描く作品では直視するしかない辛い感覚が薄れるから韓国文学を手に取れるかもしれない。
Posted by ブクログ
訳者後書きの「あかるい寂しさ」という言葉がぴったりだと思いました。
ジェヒとの友情、形は変わっても一生続いてほしいな。
いつも皮肉屋なのに恋をするとあからさまに浮かれるヨンがかわいい。
メバルの彼とは縁を切ったけどギュホと再会したらどうなるのか…