【感想・ネタバレ】カラスをだますのレビュー

あらすじ

世界唯一! 「カラス誘導」稼業の全貌

著者は「カラスの鳴き声」の研究で博士号を取った研究者であり、長年の研究成果である「鳴き声でカラスを操る技術」を駆使してカラス被害に対し科学的な対策を提案する「株式会社CrowLab」の創業者。本書は、 カラスはなぜ黒い? 襲われないためにはどうすればいい? などの基礎的な問いから、肉はおいしい? どうすれば食べられる?などの興味にも、そして、どうすれば追い払える?という切実な問いにも、自ら確かめた事実だけをもとに答えていく。18年にわたる研究のクロウを読み終える頃には、頭上のカラスの鳴き声が気になりはじめ、必要以上に恐れなくて済むようになるだろう。カラスの非愛好家にこそお勧めの、「カラスとの真剣勝負」半生記!

※電子書籍では一部の画像をカラーで収録しています。

〈目次〉
|第一章 カラスを動かす
第二章 カラスになりきる
第三章 カラスとしゃべる
第四章 カラスを食べる
第五章 カラスを減らす

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Posted by ブクログ

カラスの害を減らすにはどうするか。カラスの習性や行動を見極めた上での攻防戦、その試行錯誤を、自伝的要素も入れて紹介するエッセイ。
著者は1979年生まれ、カラス対策CrowLab社代表。宇都宮大農学部に進んだが(師匠は杉田昭栄教授)、途中で学費を貯めるために1年ほど休学して郷里の群馬大学の守衛をしたという。地方国立大の学生をしながら別の地方国立大の守衛、なにげにおもしろい。
専門家でも、カラスのオスメスは見ただけでは判別できないらしい。年齢も2歳を超えると見ただけではわからないという。へーそうなの、と少し驚き。佐賀で初めてミヤマガラスを見た時のことも書いている。ミヤマガラスが群馬や栃木など関東にはいないことに、逆にこちらがびっくり。冬場、私の住む新潟市には山のようにいるのに。
お酒をめぐる失敗談、少々ならおもしろいが、定番ネタになるとチト煩わしいかな。

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

作中でも若干言及されているが、おそらく現代日本には「カラスは賢い」というパブリックイメージがあると思う。その相手を「だます」とはどうするのか。非常にそそられるタイトルだ。あとがきには「カラスと生きる」というタイトル案もあったようだが、まあそっちだったら読んでないと思う。
で、このタイトルが提示される以上、賢いカラス様をどうだますのか、という実践的な手法が気になる。が、それだけを読みたかったら第一章「カラスを動かす」と最終章「カラスを減らす」だけを読めばよい。実際面白いのはこの二章だと思っている。
しかし、間の章がつまらないかというとそういう話ではない。間に語られるのはカラスの基礎研究から始まり、実践的な応用研究にも興味をもった結果、なんやかんやあって研究者ではなくカラス関連のベンチャー経営者に至った筆者の経歴である。非常に面白いし、その研究で得た知見やエピソードのそれぞれが現代のプロジェクトにしっかりと活かされていると最終章でよくわかり、非常に読みごたえがある。
…ちょっと言いすぎたかもしれない。第四章の「カラスを食べる」はだいぶ著者の趣味が入っていてほぼ本筋と関係ないと思う。全くないとは言わんけど…

あとマジで本筋と全く関係ないのだけど、科研費に対して「審査が厳しい公的助成」くらいのスタンスで接している(ように見える)のはなかなか印象的。それだけ「余計な手間かけさせやがって!」とキレるか「へへ…この研究これだけ成果あったんすよ…」と媚びるかを遠回しに表現する著作は多い…。やっぱクソっすね科研費制度!

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

烏の被害を受けている訳ではないが敵?を知ることは大事なことだ。
カラスはマヨラー!
体の色は黒一色ではなく構造色。
黄色が嫌いなのではなく紫外線を認識するので中が見えないように紫外線をカットする特殊顔料を塗ったゴミ袋を作ったら人間には黄色く見えるだけ。
残念だったのはちょっと書き方に癖があるので★四つ。
 一番面白かったのは「カラスを食べる」。その発想はなかったが雑食性動物は不味いと聞いたこともあり、食用として獲られないから減らないのでは、と読前。やはり食べられなくはないが苦労して確保するほど旨くはないし癖が強いので調理に工夫が必要。
 役に立ったのは「カラスを減らす」。人との共存にはもっと個体を減らすべきと主張。飢餓が一週間も続けば餓死するらしいので餌の少ない毎冬に一週間だけでも広い地域で「カラスを減らそうキャンペーン」を繰り広げるのは有効。路上ゴミ出しにはネットを被せる。露地に残る廃棄農作物を片付ける。庭の植木に残る実を片付ける。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

都心でごみを荒らすなどの話が絶えないカラス。そのカラスをだまして追い払う話かと思いきや……食べてますね、カラス……。ということでカラスの声の研究を起点に気が付いたらカラス誘導の専門家になった筆者によるカラスの生態に関する本でした。
なるほどカラスも野生動物だから初めてのものには警戒感を示したりするし、無警戒に人間世界に近づいてきているわけではないようで。大丈夫と判断するまでの時間が短いだけなのか。追い払うには地道に追い払うなりを続けることが大事なようです。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

油ぎったものが好きで

大好物はマヨネーズ とか

意外に知られていない カラスの寿命

カラスの鳴き声の聞き分け方など

なかなか知ることがない

カラスの生態について

ここまでの本はないんじゃないでしょうか



いやぁ 私はちょっと

カラスのシチューの味を

想像しちゃって

胸がいっぱいになりました



なぜか カラスの匂いを

嗅いだことがある人には

肉が臭く感じるようですよ

多分 これは ヤギ肉でも

ある現象ではないでしょうか

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2021年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1章  カラスを動かす
第2章  カラスになりきる
第3章  カラスとしゃべる
第4章  カラスを食べる
第5章  カラスを減らす

<内容>
カラス研究の第一人者の一人(なんか矛盾する言い方だけど)。書き方が面白く、若干クセもあるが、私は楽しく読めた。学術的というよりは、実用性にシフトした内容。むろん、その実用性の裏にはちゃんとした学術的裏付けがあるから面白い。カラスの声の研究やカラスの性格から誘導する研究など、期待通りであった。カラスを食べる話はちょっと…だったが。ただ「ぼんじり」が美味しい理由は納得した。「脂腺」だったんですね。鳥は脂がないと防水ができず、それは彼らの死活につながる。なので、カラスは「マヨラー」でもある訳なのです。

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2021年02月23日

Posted by ブクログ

ただただ汚くて嫌なイメージしかなかったカラスの新しい発見。
肉は硬くて臭い。食べられないこともないらしいが食べたくないなあ。
鳴き声の種類と意味。私がよく聞く「アー」という長めの鳴き声は存在感を表しているのか。「アッアッアッ」は餌を見つけた時。
羽は黒黒としていて艶のあるのが強いやつ。濡れて少し小さくなっているカラスは弱っている。
こういう雑学を知ると今度カラスを見た時に注意深く見て、鳴き声もどんな意味なのか、聞いてみたくなった。

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2021年11月06日

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