あらすじ
明暦の大火が江戸を焼いて、一年が経った。人々の生活は未だ落ち着かないままだ。糸はひとり長屋で暮らしていたが、縁切りの手紙を代書する依頼を勢いに負けて引き受けてしまう。浮気亭主との別れ、悪友との絶縁、愛し憧れた役者との別離、親子の決別……「縁切り屋」として立ち会った様々な別れがもたらすのは不思議と涙だけではなかった。あたたかな別れを描いた時代連作短編シリーズ第一弾!
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Posted by ブクログ
明暦3年の大火で長屋暮らしになったお糸17歳。右隣は9歳の奈々と父親の岩助、右隣はちょっと因業だけど三匹の野良猫の世話をしているおイネ。長屋暮らしは、薄い壁越しに温もりが伝わってくる。お糸は縁切りの手紙を書く代書屋を。縁の始まり、縁の切れ目、そして丸くおさまる縁・・・、読み応えがあります。泉ゆたか「雨あがり」、お江戸縁切り帖シリーズ№1、2020.12発行、連作5話。人の縁は、最後は必ず生き別れか死に別れ。だから大事にしなくちゃいけない。