【感想・ネタバレ】新しい世界 世界の賢人16人が語る未来のレビュー

あらすじ

トランプ現象、パンデミック、不平等……。ハラリ、トッド、ピケティ、サンデルらの目に映る今の世界とは? 必読のインタビュー集!

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Posted by ブクログ

数年ぶりに読み直したけどやはり良本。世界でトップレベルの経済学者や哲学者が描く理想の世界、より多くの人が幸福を感じるには社会構造をどう変えるべきか、個々の意識をどう変えていくべきか陳述されている。

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2024年04月09日

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コロナ禍にさまざまな学問の著名人(主にベストセラーを書いた大学教授)に今後の世界についてインタビューをしたもの。
これまで抱えていた社会問題がパンデミックによって明るみになり、どのように社会を変えていくか、また変わっていって欲しいかをそれぞれが語っている。学者だけにかなりクセが強いが、自分のこれまでの理論、考え方がこの危機的な状況下でより正当化されることを訴えているのが面白い。
コロナが治まった現在だから気楽に読める。ただ学者達が予想したような劇的な社会変化は起きていないように思える。

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2025年06月07日

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この本は、コロナ禍の中、2020年に行われた各界の論客へのインタビュー記事を本にしたもの。世界中がコロナの恐怖に晒されていた事が論客たちのメッセージからもわかるだけに、時代を写した良い本と言えると思う。そして2022年にはロシアによるウクライナ侵攻、2023年にはパレスチナ紛争勃発と、激動の時代になったものだ。2024年以降はどうなるのだろうか?
個人的に興味深かったところは、マイケル・サンデル氏の能力主義への警鐘と「民主主義国に相応しい暮らしに必要な市民のインフラを作り直し、階級が異なる人や生活条件が異なる人と出会えるようにするのです。市民社会を刷新して、活性化させていくのです。自分たちだけの狭い世界を壊して、ともに民主主義を実践していくのです。」という部分。世界で起きている紛争の根っこの部分の解決の一つの方策なのでは無いかなと思った。


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2023年11月29日

Posted by ブクログ


世界的にも有名な著書を持つ知識人による今後の世界のあり方はマクロ視点で役立ちます。
比較的歴史の浅い民主主義と資本主義の欠陥を今後どのように向き合うのか、その点について言及されている部分は参考になりました。
もう少し長い文で読みたかったですね。

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2023年10月06日

Posted by ブクログ

この本で初めて知った人がたくさんいました。
頭でっかちで理論するだけではいけないのですが、世界的に現在はかなり人類史上でも大変な状況だという認識の人たちがたくさんいることだけはよくわかります。

ただし本書でインタビューされてる人たちは日系アメリカ人のフランシスフクヤマ氏も含めて皆西洋人たちの意見です。

ジャレドダイヤモンド
井の中の蛙は痛い目にあう
自国の力を真っ当かつ現実的に評価するということは他国の力を知り、既存の勢力均衡における自国の場所を見極めることです。
大事なのは国の統治に関わる人たちの世界観が世界を知った上で作り上げたものであるということです。自分たちの思想傾向に都合のいい世界歌になっていてはいけません。

鄧小平 投韜光養晦能力を隠して力を蓄える

自分の考え方に適合する物語、自分が信じたい物語があるせいで現実認識が甘くなり、目の前の事実が見えなくなっているのです。

エステルデュフロ
一番注目すべきなのは経済成長ではなくまずい人々の収入や教育です

マルクスガブリエル
私たちは皆他者の苦しみに責任があるのです。
私たちは今シュミレーションを生きている。

マイケルサンデル
能力主義の闇
成功者は本当に自分の実力だけで成功したのかを問い直さなければなりません。

スラヴォイジジェク
私たちは資本主義のプリズムを通して考えることを止める必要があります。

ボリスシリュルニク
惨事の後私たちは必ず適応し新しい生き方を探ることになる。
逆境にへこたれずに生活成功成長する力について探る。

アランドボトン
不安をコントロールするのは不可能だと私たちは気づくべきです。

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2022年12月23日

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コロナパンデミックの世界を識者がどう見つめているかを綴ったインタビュー集。刻々と変わるコロナの状況なので去年刊行された本書にはもはや古い情報からの見方も含まれるがいずれにしても、クーリエだけに欧州の学術者が中心に構成されているのが新鮮で面白い。みんなトランプさん余程嫌いだったんだなあ。

特に経済学の領域で、資本主義の新しい形を従来から探究する識者たちがパンデミックの中にいかようにチャンスとリスクを見出しているかという発見が次々とあって、興味深い。

専制主義が台頭しつつある世界への危惧をいずれの識者も抱いているが、パンデミック下、政府が文化や芸術を封殺するという平時にはできないことが容易にできてしまうという視点にはハッとした。ただ気に入らないものを保護しなければ良いのだ。

ピケティも登場するが、その前章に登場した、ピケティの師であるコーエンの知性と人格が印象深かった。もの凄い知者らしいが、同時に深い人類愛を感じた。初めて知った名前だけど、ピケティを生み出すだけの力のある素晴らしい教師なんだろう。

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2022年02月01日

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ネタバレ

哲学者やジャーナリストなど16人のインタビュー集。人と会う機会が減る中でもいろんな人の意見を知りたくて、読んだ。

マクロン大統領への批判をみると、日本人からして良く見えるヨーロッパも、私が知らないだけでどこか脆いのかもしれない。どの国においても、政府の対応を見守るだけでなく、監視する必要があると思った。

COVID-19をきっかけに浮き彫りになった国の、世界の問題。それを見つめ、今後どう生きていくかを自分に問いかけていく日々が続くと思う。考え続ける必要性をジジェクも語っていた。

フランスに「レジリエンス」を広めた精神科医シリュルニクによると、ロックダウンの意味を理解しその影響を小さくするために、心を保護してくれるもの(趣味、好きなものなど)を持っているかが重要。これには同意する。精神が弱ると、好きなことも素直に楽しめなくなるほか、視野が狭くなる。自分で自分を追い込んでしまう。その果てには。してしまったことをなかったことにはできない。過去には戻れない。

シリュルニクとコーエンが競争の価値観に否定的だったり、コーエンとジジェクが成長は無限ではないとした上で、質素な暮らしを受け入れていく必要性を示唆していたりと16人の意見は一部共通しており、そこも読んでいて興味深かった。

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2022年02月01日

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私達は、幸福な時間を共有する為に友情があると思いがちですが、友情とは、痛み、恐れ、不安そして悲劇を共有する為にあります。

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2021年12月16日

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東大入学式で上野千鶴子が祝辞の中で、自分たちが今ここにいるのは自分の努力だけではなく、あなたたちの環境のおかげだと述べて話題になった。次の年、東大は現代文の問題で、小坂井敏明の能力主義に関する論述を出題、また次の年の教養部の推薦入試で本田由紀の能力主義の定義に関する論考を小論文の課題文として出題。
メリトクラシーが、人々を分断していく状況に対して、最高学府としてストップをかけたいという強い意志を感じた。東大は本気だなと思う。

メリトクラシーに関しては、日本だけの問題ではない。上野千鶴子が述べるまでもなく、世界各国で問題視されていたことだ。マイケル・サンデルの書籍も出ているが、ここに掲載されているインタビューで十分その問題点を把握することができる。
世界的に分断は進んでおり、危機的状況もまたグローバル化しているといえよう。
そんな状況を掴みやすく、インタビュー形式なので読みやすく、現代に必要な本だと思う。

発信力のあるエマニュエル・ドットやトマ・ピケティ、マルクス・ガブリエルのインタビューも掲載されており、自分の関心に従ってそれぞれの著作物にチャレンジするといいのではないだろうか。

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2021年12月07日

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ハラリ:民主主義は市民の健康の保護という名の下に簡単に独裁に変わる。人間は事実よりも物語を通じて思考する。
エマニュエル・ドット:国の存亡を決めるのは出生数であり、特定の死因の死者数ではない。
ジャレド・ダイヤモンド:ドイツはホロコーストを完全に認めており、教育制度にも表れている。だからもう2度としないという約束を信じられる。日本は近代社会における女性の役割をまだ受け入れられていない。人口が減っている国でいったいだれが保育や介護を担うのか。誰かが担ってくれなければ女性は仕事に復帰できない。
スティグリッツ:アメリカの医療費はGDP比で18%。OECD諸国ではダントツの高さ。そのかなりの部分が製薬会社と保険会社に行き、医療制度には向かわない。アメリカでは医療や平均寿命で激しい格差がある。
ナシーム・ニコラス・タレブ:ボラティリティ、ショック、危機、誤差、時間など、このうちひとつを好きな人は全部を好きになる。ストレスで鍛えられる。ストレスがないと脆弱性が高まる。何らかの限定的なショックが必要。どんな会社にも理想の規模がある。あらゆる機関には有効期限が必要。これは反脆弱性を獲得するため。
ダニエル・コーエン(ピケティの指導者):人と人の間でしか生きられないのは人間の性。人の幸せとは周りとの関係から生まれる。人は社会で生きることを尋常でないほど切望する動物。資本主義で残念なのは、お金が人間関係においてこれほどまでに大きな意味を持つようになってしまったこと。暮らしが豊かになっていく過程が幸せをもたらす。アメリカの場合女性が働き出したのは女性解放というよりも家計を補うためだった。アリストテレス?幸せは報酬であり目標ではない。幸福になるためには、人とともに生きること、信頼できる友人を持つこと、他の人との競争を敵意のないものにすること。コロナがデジタル資本主義を加速させた。人と会うのはコストが高い行為。人が相手のサービスは人を相手に時間をとられるのでコストが高く生産性を上げられない。映画やラジオも、もともとは演劇やコンサートなどを楽しむコストを下げる発明だったが、別の芸術に発展していった。ヒトという動物の特徴のひとつは言語。言語を使って他の人と話をして、その経験から自分が何者なのかを理解し、内面を育てていく。クリエイティブ産業や文化産業は勝者総取りの世界。99%の人は失敗する世界。このような構造で働く人にはほとんどの場合尋常でない水準の幻滅と生きづらさがある。
ピケティ:資産に課税し、その税収を財源に若者にまとまった額の資本を一律支給する制度を提案。2度の世界大戦を経て格差が縮小した。格差をつくるのは政治。権力の問題。財界が経済的権力も政治的権力も握るようになっている。資産への累進課税&一人の人間がモテる資産の額に時間的制約を設ける。この世からビリオネアをなくす仕組み。環境問題を解決するには経済モデルを変えていかねばならない。マクロン大統領は炭素税の増税を試みたが、黄色いベスト運動がおきて増税を中止した。この失敗が示すのは、まずは格差を縮小しなければ、気候変動の問題を解決できないということ。
ボリス・シリュルニク:レジリエンス(逆境にへこたれず生活・成功・成長する力)。学歴や職業、愛情ある家庭環境など、自分を守ってくれるものがある人は、体制を整えて困難を乗り越えていける。動物も人間も環境からの刺激がなくなったり

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2021年11月21日

Posted by ブクログ

こちらも「世界の賢人」と言われる方々の現状認識と今後の処方箋。なんだかモヤモヤしていたこと、霞がかかっていて誤魔化されているのではということ、よく分からなかったことなどがかなり解消する。「政府が自分たちの気に入った業種・業界だけを支援するなら、文化は一夜にして変わってしまう」「国の存亡を決めるのは特定の病気による死者数ではなく、出生数」「半脆弱性:森で小さな火事さえ起こらないようにしすぎると、燃えるものが溜まり、いつか大きな火事を起こす」「ソリューショニズム:本質的な解決ではなくDXで解決したかのように思わせる。教育問題の本質的な解決方法は、ICTの導入・活用ではなく、良い教員を増やすことではないか。」「悪のインセンティブ:麻薬の密売人は親と同居している」「自由の価値を見損なっている。自由は命懸けで獲得するもの」「絞首刑の希望:柘榴の実、子供の笑顔、美しい風景」

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2021年09月27日

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日本人だけでなく世界の人達の考えが知れるのは
自分の視野や考えを広げるために必要だ。
読んでよかった。

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2021年09月02日

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面白かった!全部理解できるわけではないし、ん?ってなるのもあるけれど、日頃、モヤモヤしているところをグリグリ押してもらえる感じ。ダニエル・コーエン氏の著作は読んでみようと思った。
が、序文と見返しの文章が雑。削ってくれ。

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2021年06月25日

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 新型コロナ禍の後に来る世界。今の問題と、これからあるべき世界。
 賢者と言われる16人が語る未来は、結局僕らの行動次第・・と思わせる。

ハラリはこう言う「カギとなるのは科学教育と大学や病院、新聞社などの独立した機関です。市民にしっかりとした科学教育と強力な公的機関を提供する社会は、無知な国民を監視する独裁国家よりも常にうまく感染症を乗り切るものです」「グローバルな連帯を信じる必要があります・・・グローバルな問題には、グローバルな解決策が必要なんです」

 答えはほぼここにある。

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2021年05月01日

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16人の賢人が、コロナ禍とその先の未来について其々専門の分野で語る。著者も素晴らしいと述べていた「大惨事が訪れる前から悪かったものは、すべて耐え難いまでに悪化する」の一説で『地球が燃えている』に興味が湧いた。コロナ禍においても、一定水準の生活を送れているが、それに甘んじてはいけないと感じた。

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2021年04月17日

Posted by ブクログ

16人と盛りだくさん。なので一人当たりのページ数が少ないのが残念。気に入った人の本を読むのがいいかも。

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2021年04月12日

Posted by ブクログ

本書とは全く関係ないのですが、読みながら小学生の時に読んだ星新一のショートショートを思い出しました。世界の大国が戦争に明け暮れている時に、宇宙から届いた卵から生まれた凶悪な生物を撃退するために休戦して一致団結して危機を乗り越える、というお話。そして、その生物の正体は…というような結末がついていました。調べたら、たぶん「プレゼント」という題名の作品だったような…。今、世界を襲っているCOVID-19 は、もしかしたら世界を一致団結させるための宇宙からのプレゼントだったのではないのか?という思いつきです。本書に登場する世界の知性16名は多少の違いを超えてそれぞれに連関しているように思います。人類としてのこの危機の乗り越え方の大きな方向性が感じられます。ただ星新一のショートショートのようにそれが実行できるか?大統領が変わっても超大国のいがみ合いは変わらないとニュースは語っています。世界の知性だけじゃなくて世界の感情も連携しないと、と思いました。そこで本書には登場しないジャック・アタリの「利他主義」というキーワードが重要になってくる、はず。

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2021年02月11日

Posted by ブクログ

読むタイミングが遅れてしまったので、新鮮さはない。しかし、ロックダウンがあった時の空気感と焦燥感がむず痒く感じられ、こうしたパンデミックに対するレジリエンスについて、忘れてはならず、今後の学びにしなければならないと思わせてくれた。

面白いと思ったのはソリューショニズム:
ソリューショニズムはもともと、シリコンバレーで生まれたイデオロギーで、いまでは国のエリート層の思考法にも影響力を持つ。
ごく単純に言えば、「他の選択肢も時間も財源もないから、社会の傷にはデジタルの絆創膏を貼ることくらいしか出来ない」と考える思想だ。
ソリューショニズムの信者は、テクノロジーを使えば、政治に首を突っ込まなくて済むと考える人びとだ。「イデオロギーを超克した」政策を推進し、グローバル資本主義の車輪を回し続けることに精を出している。
数十年間、ネオリベラリズムが標準だった政策立案の世界でも、いまはソリューショニズムが標準になっている。
たとえば公共交通システムがボロボロになっていたとしても、政府はそこに投資しようとしない。ビッグデータを使って利用客ごとにパーソナライズしたインセンティブを与え、ピーク時の利用を減らせばいいだろう、といった発想になっている。

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2023年12月07日

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いわゆる「ポストコロナ」におけるこれからの変化、不変なものについて賢人がそれぞれの分野でコメント。
コロナによってこれまで弱者であった人達、困窮していた人達はさらに困窮し、社会課題を浮き彫りにするだけでなく、より深刻なものにした。
幸福は瞬間的に感じるものであり、常に目指すものでは無い。
目指すべきは必要最低限の生活ができる人達の増加だ。

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2023年11月08日

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新型コロナウィルスが世界に与えた影響による「新しい世界」を論じている一冊。新型コロナウィルスが終息しつつある中で、この本の論点もやや昔話のように感じるところもある。確実だったと思うのは
・エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちが低賃金で働いていること。
・現在のネット社会は消費者としての個人をターゲットにしており、危機における連帯をターゲットにしていないこと。
不確実性や無秩序を力に変える「反脆弱性」の概念をもっと知りたいと思った。

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2023年05月04日

Posted by ブクログ

ロシア・ウクライナ戦争がはじまってしまった今となっては、たった2年前に出版されたこの本もはるか遠い過去の話のようだ。

ボリス・シリュルニクとアラン・ド・ボトンは良かった。
ユヴァル・ノア・ハラリとジャレド・ダイアモンドとフランシス・フクヤマもそれぞれの著作をあらためてちゃんと読みたい。

それから、コロナ禍の家庭暴力への影響についても知りたい。

「レジリエンスを生む新しい価値観」ボリス・シリュルニク
レジリエンス 「逆境にへこたれずに生活・成功・成長する力」

ロックダウンが心の不調につながるのは、神経学的には感覚遮断が原因とされている。精神医学では外界から切り離されたときの影響がよく知られている。動物も人間も、環境からの刺激がなくなったり、自分から環境へ働きかけられなくなったりすると、不安障害が出るほか、ときには幻覚や錯乱も起きる。
独房に入れられた囚人や、潜水艦の乗組員、南極に長期滞在する研究者、無風の海を進むときの遠洋航海の船員も同じ経験をする。

感覚遮断は認知の機能を乱す。1930年代にハリー・ハーロウの実験で、赤ちゃんザルを親から切り離すと発達の遅れが出ることが示された。

チャウシェスク時代のルーマニアの孤児を対象にした感覚遮断に関する研究もある。
愛情の欠落した劣悪な施設で、感覚を遮断されて育った子供たちの研究だ。この研究では、脳の発達に他者の存在が必要だと示された。

感覚遮断によって、予想に関わる前頭前皮質の萎縮、記憶や情動に関わる大脳辺縁系の萎縮、それから耐え難い感情が生まれる偏桃体の肥大化が脳の画像で確認できる。

「絞首台の希望」アラン・ド・ボトン
「現代社会で生きる我ら人間は、科学とテクノロジーで自然をコントロールできると思っています。それは啓蒙主義の核となる思想で、人類は自らを世界の覇者で食物連鎖の最高位の捕食者と思い込み、環境は私たちの支配下にあると確信しています。

しかし、実際は全く違います。第一に、私たちは真の意味で環境を理解していません。人間はある分野には精通しているかもしれませんが、同時に多くの無知と未知の領域に四苦八苦しています。」p.234

「ストア派の哲学者たちは、平和に生きるためには「すべてうまくいく」などと考えないことだと説きました。」p.236

「私たちが直面する危機」 ユヴァル・ノア・ハラリ
「必要なのは、しっかりとした公共衛星システムと有能な科学機関、正しく情報を得た市民とグローバルな連帯です。これらが、今回やこれから起こる感染症に打ち勝つための重要な要素です。
これらが不十分だと、人々が自分たちを保護してくれる独裁者や救世主を待ち望むようになります。」p.24

「危機を乗り越えられる国、乗り越えられない国」ジャレド・ダイアモンド
「主流の人類学者たちの間では、発展を妨げる「不健全な文化を持つ社会」といった話は軽蔑されているんです。文化とはルーツや慣習が異なるだけだ、という立場ですからね。」

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

ペラペラの新書で16名のインタビューを詰め込んでいるのだから、そりゃ内容は薄い。あまり読んでも意味のない本ではあるが、エフゲニー・モロゾフの「ソリューショニズム」とナオミ・クラインの「スクリーン・ニューディール」には感じることがあったのは収穫だった。

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2022年10月01日

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ユヴァル·ノア·ハラリ、エマニュエル·トッド、ジャレド·ダイアモンド、トマ·ピケティ等世界で人気の知性のインタビュー集。2021年1月発行だが、インタビュー自体はコロナの蔓延当初の4月にされているものもあり、情勢の変化が激しい今、少しズレた感も否めない。
ただ多くの人が、こういう時こそ良い政治が必要だと(逆に言えば今はなっていない)し、これよりも恐ろしいのは、地球環境の危機だと言うことを指摘している。また中国やトランプのことがよく出てきているが、肯定的なものではない。世界の賢人もそう考えるんだなと納得。
コロナより社会は変わるとか変わるべきだと言われているが、現時点ではまだ感染拡大が収まらないにも関わらず、なぜか多くの先進国を中心に経済活動が一部除いてすっかり回復してきている。産業構造や仕組みの変化はレジリアントがありそう。

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2021年08月07日

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最後にアラン・ド・ボトン氏が『絞首台の希望』と話す。それが1番良かった。
生への執着を捨て、底辺に備え、ユーモア、愛、友情を大切に。
ストンと落ちた。

ナオミ・クライン氏は『優しさ』をパンデミックが我々の生活にもたらした、と。
他者との競争の日々よりも他者への共感力を持ち、相互に繋がっていると意識せざるを得ない。

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2021年07月10日

Posted by ブクログ

アフターコロナの世界観を世界的有識者たちがいろんな角度から語っている。ちょっと理解するのは難しかった。デジタル化が一気に進んだ現在、スクリール・ニューディールに警鐘を鳴らしていることがとても気になった。

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2021年07月03日

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ナショナリズムやファシズムなんて今更と思っていたらば、トランプ政権時のポピュリズムはそれらの思想をリサイクルしていた。そうした中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威が、批判にさらされつつ生き延びんとしていた資本主義に襲いかかっている。もっとも、資本家を撃退するのは極めて難儀だ。さすがにネオリベラリズムの破綻は明らかで、公共サービスの重要性が見直されている。が、それは西欧諸国のことで、我が国では未だPFI積極導入の機運あり。成功例もないのに。世界の賢人の語りによれば、日本は眼中になさそうだ。

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2021年06月27日

Posted by ブクログ

色々な世界的著名な学者らの見解や意見を読めて興味深い。短くて読みやすいが、短すぎて物足りない。
主にコロナに対するものが多いが、今はコロナの感染形態も世の中の事情も変わっているので、読むには時期を逸した感が拭えない。

自国の大統領に対し、その主張や政策をぶった斬るようなコメントは面白い。

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2021年06月02日

Posted by ブクログ

何かで紹介されていた。

コロナ禍における各国の状況やコロナ後の世界について、政治学者や経済学者などの教養人が語ったインタビューなどをまとめたもの。

クーリエ・ジャポンというメディアを知らなかった。世界のメディから厳選した記事を、日本語に訳して掲載しているウェブメディアとのこと。
内容的には高度過ぎて何度読んでもよく理解できなかった。
ただ、世界中の国が同時に直面したこの危機的状況にどう対応するかが、各国の元首や国民性を判断する機会になったのは事実で、この本が出されてからさらに少し時間が経って、より各国の対応が分かれていて、ワクチン接種が進んでいる国もあれば、日本は相変わらず中途半端な緊急事態宣言が続いていることを考えると、本当にこのコロナ禍は各国の歴史や置かれた状況をあぶりだしたんだなと思った。

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2021年05月28日

Posted by ブクログ

反脆弱性、まさにスーパーサイヤ人理論。
組織には、①有効期限の設定と、②課題の大きさの見極めが必要。復活してスーパーサイヤ人になる前に死んじゃったらおしまいだからね。

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2021年04月13日

Posted by ブクログ

 Youtubeチャンネル「ロザンの楽屋」で宇治原さんが紹介していたので買って読んだ。

・ナシーム・ニコラス・タレブの「半脆弱性」:日頃からある程度のストレスに晒されていなければ、大きなストレスが到来した際に耐えられない、という概念。大きなリスクに耐え得るべく、小さなリスクを取るという考え方には賛同できる。またあらゆる機関、特に公的機関も反脆弱性を獲得するために「有効期限」を設けるべきだという話は面白かった。省庁などに有効期限を設けて、その期限ごとにその機関が必要か否かを判定し、必要ならば更新する、ということだが、はっきりとした有効期限はないものの、民間企業はそのような判定を常日頃から受けているようなものだもんな。そうした緊張感という形のストレスは、あって良いのかもしれない。

・ナオミ・クラインが警戒する「スクリーン・ニューディール」。リモート学習やテレワーク、オンライン診療など、人間をマシンに置き換える動きが加速することを「スクリーン・ニューディール」と言うそうだ。これは便利ではあるものの、その恩恵を受けられる人/受けられない人の格差が拡大してしまうことが心配。現に緊急事態宣言下において、家でのネット環境が整っておらず勉強に遅れが出た学生や、どんな状況になってもテレワークなど絶対にできず毎朝出社し続けた工場での労働者などがいるだろう。

・コロナ前の人間は生きるスピードが速すぎたのだろうか。ワーカーホリックすぎたのだろうか。コロナ禍で会社業績が落ちて収入が減ったり失業したりする人がたくさん出てくると、資本主義の限界やベーシックインカムの是非など、こうした議論が活発になるのはよく分かる。今後の人類はこれまでのように「成長」を目指すことを止めるべきなのか?今一度生きるスピードを見直すのか、それともやはりこれからも全力疾走し続けるのか?

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2021年04月04日

購入済み

パンデミックのような世界共通の問題が立ち現れた時は、方法や考え方は違ってもだいたい同じ方向を向いて未来を語るものだと
独り合点して本書を読み始めました。
これは見事に裏切られました。本書に登場する方々の描く、或いは読んでいる「未来」はバラバラであるという印象を受けました。
恐らく賢人たちの「未来」に対する「読み」の根底には、不安と恐怖(例えば、未来は不確実で悪い方向にいくかもしれない)、
期待と願望(コロナ禍を機に未来は良い方向にいくだろう)がない交ぜになって明瞭さを欠き、ご自身の「読み」に対して
自信が持てないのかもしれません。そういう意味で彼らの主張に親しみを覚えます。
パンデミックは現在進行中でコロナ禍後の世界がどういったものになるかは結果でしか分かりませんが、
賢人たちの主張を頭の片隅に置いておくことは、コロナ禍中コロナ禍後の人生を歩いていく一助になると思います。
最後に、どういった基準でこの16人を選んだのか分かりませんが米欧文化圏の方々ばかり。他の文化圏に賢人はいなかったのでしょうか

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2021年03月21日

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