あらすじ
大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨。
同じ団地に住む里子が、家族内で性虐待を受けていたことを知り、衝撃を受ける。
助けられなかったという自責の念を胸に抱えたまま中学生になった友梨は、
都会的で美しい親友・真帆を守ろうとして、暴漢の男を刺してしまう。
ところが何故か、翌日警察に連れて行かれたのは、あの里子だった。
殺人事件、スクールカースト、子育て、孤独と希望、繋がり。
お互いの関係を必死に隠して大人になった3人の女たちが過ごした20年、
その入り組んだ秘密の関係の果てに彼女たちを待つものは何だったのか。
大人になった三人の人生が交差した時、衝撃の真実が見えてくる。
女たちが幼いころから直面する社会の罪、言葉で説明できないあやうい関係性、深い信頼。
ラストに用意された、ミステリファンも唸る「驚き」。
『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞した近藤史恵が描く傑作長編。
解説・内澤旬子
橋本環奈・葵わかな・吉川愛でWOWOW連続ドラマ化決定。
※この電子書籍は2017年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
読んでてつらかったけど、最後の50ページくらいからは一気に読めた。
中学校時代のマンモス校で荒れてる感じが懐かしくもありキツさもあり読むのがしんどかった。
教師をしています。今の学校の描写とあまりに違い、驚きました。では、内容の感想を書きます。
クラスの子には「彼氏はいない」って言う。悪いことじゃないんだけどめんどうくさいから。学区内のスーパーに行って、クラスの子にだけは会いたくないって思っていると、何故か会ってしまう。なぜだろう。
この本はそんな感覚です。何十年にわたる話ですし、舞台も団地・大阪・東京・福岡と点々としているのに、ずっと3人が絡み合っていく。3人と『死』というものが、ですね。人間、意識しているとだめです。普通に生きていれば、そう簡単に『死』に直面することないと思うんです。1回目の死だけで済んだんじゃないかって思ってしまいます。はじめの殺人から、異常ルートに運命が傾いてしまったような気がします。殺人ですから当たり前かもしれないですが。でも、最初の殺人だけでしたら、正当防衛で済みましたよね?
わたしは、本当にあった話として、読ませていただきました。話に出てくる人殺しをした子よりも、よっぽど団地で噂話をしているだけの大人が醜く感じてしまいました。
夜中1時から、一気読みでした。
Posted by ブクログ
子どもたちの世界は、狭い。
あんなに仲良くしていたのに、クラス替えで違うクラスになった途端に、距離ができたりする。物理的に自分で移動できる範囲が狭いという問題もあるけれども、意識できる社会が大人が思っている以上に狭い。
自分が子どもだった時と比べて、スマホを持つのも早くなったし、物理的に離れても連絡をとって遊べばいいのに、と思ったりするけれども、それはあくまで大人の理屈で、彼ら・彼女らにしてみれば、すぐ近くにいる人だけが、自分の社会なんだろう。
この小説の主人公たちは、1980年代に子ども時代を過ごしていて、なおさらだ。
その狭い世界のなかで、大人は圧倒的に正しい存在になる。
大人だってすべてを知っているわけではないし、世の中すべてが正しい・間違いの2つに分けられるわけではないし、正しいことを必ず貫けるとは限らない。正しいのはそっちだけど、社会や近隣との関係から簡単にはいかないしー、みたいなこともざらにある。
それが分かるのはだいぶ大人になってからだ。
大人への不信から、自分の土台がグラグラとしたまま、人生を送ってしまった人たちの物語なのかなと思う。
あとがきで「荒唐無稽な不連続殺人」と書かれているとおり、いくら何でも治安が悪すぎだろうとか、そんなうまくいかないんじゃないかとか、いろいろ思うけれども、そこは本筋ではなくて、3人の少女たちが、互いの関係をがんじ絡めにし、抜け出せないまま、人生を送っていく様子に、ままならない息苦しさを感じる。
「友だちのために人を殺した」という罪悪感はあるけれども、それ以上に「あの子のためならそこまでやるんだ」という嫉妬が渦巻いている。
友情が厄介すぎる。
うちの息子・娘とその友だちなんかを見ていると、男の子たちは、背が伸びても中学生くらいまでどこか子どもっぽい印象があるのに、女の子は小学校の高学年くらいから一気に女っぽくなって、こちらがぎょっとしたりする。
彼女たちを「女っぽい」と思うのも「ぎょっとする」のもあくまで大人たちで、本人は微塵も思っていなかったりするし、このあたりの男女差に、日本ならではの「若い女性」の価値の高さみたいな背景が根深くあるのではと穿ってしまうけれど、その時期を、どう大人が扱って、きちんと向き合って、友情も恋もきちんと対峙できるように育てるかが求められるんじゃないかと思った。
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思い出したので追記。
メインで語られる「友梨」は、自分をいわゆる“モブ”として、里子や真帆に憧れを抱いているけれども、里子は家庭環境に大きな問題を抱えていたし、真帆も両親が離婚し、親の都合や意図で引っ越したり進路を変えたりしなければならなかったりで、それぞれ自分の家庭に思うところが大きかった。多分ふたりとも、「普通の」家庭としての友梨に憧れたところがあったんじゃないか。
両親が揃っていて、ちょっと過保護だけど、それなりに普通の家。
その友梨の、一番の友だちでありたくて、そうあれなかった、守りたくて、守れなかった。互いに影響しながら、不器用すぎる友情の三角関係。それをいびつにしたのは、周りの大人の事情だよなと思うと、今まさに子育てをしている自分を振り返って、怖くなる。
Posted by ブクログ
久しぶりに近藤さんの小説を読んだ。そして、どうなっていくのだろうとストーリーの先が気になってしまい、最後まで一気に読んでしまった。
主人公の友梨たちとまさに同じ世代なので、彼女たちの幼少からの時代背景が手に取るようにわかり、当時のことを懐かしくも思い、自分もその中に生きて存在しているうちの1人のような感覚におちいってしまった。
本当に、小学校、中学校時代の当時の大人や先生たちの価値観が、いい面も悪い面も、とても忠実に描写されていたと思う。
また、女友達の関係も成長につれて変化していく、その一言で表せない不安定さもすごく共感できた。
予想外の結末に、彼女のことを思うとちょっぴり悲しい気持ちになったけど、彼女自身はどうだったのだろうと、聞いてみたい気もした。
Posted by ブクログ
続きが気になりすぎてページをめくる手が止まらなかったです!!ずっと主人公(小説家)が何か関係あるドンデン返し系かと思っていたので、最後そっちかー!と騙されました。笑
女性の友情特有のドライなベトベト感(?)といい、終始付きまとう罪悪感の気持ち悪さといい、完全に友梨に感情移入して読むのがどんどん苦しくなりました。ほんとリアルすぎてこわい…
こちらの作者の方の本は初挑戦でしたが、
他の作品も読んでみたいと思います!!
新しい推し作品が見つかって嬉しい!
Posted by ブクログ
三人の少女の思惑により三つ巴の連鎖殺人が行われる。ただ利用してやろうとかじゃなく、衝動的に助けたい思いからくる行動なので、あまり気分は悪くないが悲しくなる。
本格警察小説ならこんなにうまくいかないだろうなと思うがここは上物のサスペンスとして、深く考えず楽しめた。
この小説家は作者の近藤さんがやはりモデルなんだろうな、名乗っていないけど。
Posted by ブクログ
3人の女性の長期的交換殺人?とでもいうのかな…
しかもはじめの2回は頼まれたわけではない。
こんな展開あるんだ…と心をざわつかせながらページをめくるうちに、あっという間に読み終わっていました。
現在の一人語りと過去の描写がところどころ入れ替わって、面白い作品でした。
インフルエンスを読んで
先にドラマを見て、面白かったので購入したのですが、原作は原作で面白かったです。3人の人生がひとつのことでここまで悲しい物語を生んでしまったのかと思いました。友梨は死ぬ間際は幸せであってほしいです。
Posted by ブクログ
初めて読む作家さんだった。
けんごさんが紹介しててすごく読みたくなった本。
短いし面白くて2日で一気に読んだ。
休みの日に半分以上時間を忘れて没頭できた。
昭和時代の話から始まって団地に住む3人の女子中学生の不思議な繋がりが主の話でミステリっぽいかんじだった。
主人公は地味な友梨、そして顔のいい里子、都会的な真帆の三人の話。
里子の受けた虐待が性被害で祖父と寝てたってだけで(当時まだ小学生)そんな恐ろしいことになる?って信じられなかったけど本当に起きてたみたいで気持ち悪さと話としての信じられなさが強かった。
隣の部屋で他の家族寝てるのに?しかも両親もわかってた上で?そんなことあるのか?未だに理解できない、、異常な世界線過ぎてここだけリアル感がないように感じた、、
中学校の荒々しさも印象的だった。
障害のある子が特別学級とかではなく、普通のクラスに数人いて凄惨ないじめ、暴力を受けて一人は死んでしまった。
よく考えたらこれもなかなかやばくて信じ難い、、昔はこんなこともあったの?
学校が荒れているっていう自分の中にあるイメージよりもだいぶ上をいった荒れ具合で昭和やばいなって思った。先生も悪い状況ガン無視でびっくり。
三人の友情とも言えないなんとも奇妙で歪な関係性が不思議だった。
結局三人ともお互いのことを守るため?に人殺しだったりあえて罪を被ったりしていて、でもその関係は綺麗とも言えない、、
感動もしないし共感もできないただ不思議な気持ち。
多分三人の気持ちが理解できないから上手く入り込めなかったのかなと思う。話としては面白かったけど。
もっとスッキリする終わりかなと思って期待して読んでたからなんか呆気なく終わったように感じてしまった。
でもドキドキするところが所々にあって全体としては面白かった。
Posted by ブクログ
一気に話に引き込まれて読み終わった。
有り得ないような、有り得るような、そんな話。
最初から不幸な境遇があって、どんどん悪い方に悪い方に人生が絡み取られていくのが辛かった。
この先に少しでも希望があればいいのだけれど。