【感想・ネタバレ】監禁面接のレビュー

あらすじ

『その女アレックス』の鬼才ルメートルが放つ徹夜必至、
一気読み保証のノンストップ再就職サスペンス。

リストラで職を追われたアラン、失業4年目、57歳。再就職のエントリーをくりかえすも
年齢がネックとなり、今は倉庫でのバイトで糊口をしのいでいた。
だが遂に朗報が届いた。一流企業の最終試験に残ったというのだ。
だが最終試験の内容は異様なものだった。

〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ――〉

どんづまり人生の一発逆転にかけるアラン。愛する妻と娘たちのため、
知力と根性とプライドをかけた大博打に挑む!

解説:諸田玲子

※この電子書籍は2018年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

男のプライドの高さによる自己正当化の欺瞞と
女の感情を優先した強かさを描いた作品

シャルルがアランに対して検診的な理由をハッキリとさせて欲しかったかも。
アランは「金さえあれば幸せが手に入る」と言いながら家族を騙し、間接的に危害を加えたのに引き下がれないところに来てシャルルに助けて貰っても貧乏に幸せを見いだせなかった。
つまり、「家族のため」を掲げておいて「金でプライドを取り戻す」ことしか考えていなかった。けどそれはリストラのせいでもあるからニコルはラストアランに可哀想なひとって言い残したんだろうな。

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2024年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語の構成がシンプルと見せかけて、興味を引く緻密な仕組みになっている。もうやめてー!と家族が叫ぶのも聞かない主人公。人間の暴走って怖すぎる。こんな家族絶対いらない(涙)

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を見ているような内容だったなぁ。
本当にあっても、おかしくない話。
ハッピーエンドとは思えないけれど、アランが自由になれただけ良いと思おう…

そういえば、ハッピーエンドなんて、ルメートルに求めてはいけないんだった!

そして、まさか涙ぐむシーンがあるとは思わなかった!(シャルル)

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2021年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 モノローグでテンポのいい筆致のため一気に読み進められるけど、リアリティがなくていまひとつ。

 フィクションだから非現実的なこと自体は否定しないけど、何となくの印象で言うと、こうしようという設定が先にあって、そのおぜん立てをするために無理なストーリを前に持ってきているような感じ。私立探偵のメスタクや元警察特別介入部隊警部のカミンスキーはその後の展開のために必ず必要になってくるけど、彼らを登場させるまでの設定があまりにも雑すぎる。

 アランがロマンと共謀してエクシャル・ヨーロッパの裏金を盗んだという話も設定が雑すぎるし、裏金を追っているフォンタナや捜査をしていたはずの警察、検察がロマンのことを疑っている様子がまったくなく、それどころかロマンの存在に気づいてすらいないのではないと思われるぐらいまったく言及もしないというのも不自然でリアリティがない。実弾入りの拳銃を提供したはずのカミンスキーについて裁判でまったく触れられないことについては言うに及ばず。

 不自然な説明的台詞もたびたびあって、拘置所の面会室でフォンタナがアランのやったことについてよくしゃべるし、次女のリュシーも父親であるアランの裁判での意図についてよく話す。漫画やアニメならまだ受け入れられる程度かもしれないけど、このあたりはもう少しうまくやってほしいなと。

 もろもろの穴を埋めるかのように、ロマンは田舎にひっこませ、ゲノーは再就職を望む失業者に仕立て上げ、シャルルやフォンタナはあっけなく死なせるのだけど、埋められずに残されたままの穴がたくさんあるし、穴の埋め方も突貫工事のために埋めたあとの見栄えがよくない。

 語り手の心情描写についてはあえて書かないでおく。そこは作者が書きたいように書いて、読者が読みたいように読めばいい。

 この作品を読みながら真保裕一の『奪取』にすごく似ているなと感じていた。もちろん『奪取』も終始ぶっとんでいるし、そういう意味ではリアリティはないのだけど、それでも緻密な取材に基づいて作品を書く作者だけあって細部まで作りこまれている。ルメートルの『監禁面接』も全体としてはさらっと読んで楽しめるものではあったのだけど、個人的には神が宿るぐらいには細部までこだわってほしかったなと。

 2020年1月4日(月)MARUZEN & ジュンク堂書店梅田店にて購入。同日読み始め、6日(水)に読み終える。

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2021年01月06日

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