【感想・ネタバレ】源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたかのレビュー

あらすじ

●「承久の乱」へと続く、幕府内の壮絶な権力闘争の歴史とは? ●2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』時代考証者が描く源氏三代「新解釈」。日本史上初の本格的な武家政権である鎌倉幕府では、創設者頼朝の源氏の血統は三代で途絶え、継承されなかった。跡継ぎのいなかった三代将軍実朝の暗殺がこの「断絶」を招いたとされるが、その当時、二代将軍頼家の遺児、あるいは他の源氏の血を引く人々も存在した。にもかかわらず、なぜ彼らは将軍になれなかったのか。そもそも実朝の暗殺が源氏将軍の断絶を招いたのは、自明の理なのか。頼朝による鎌倉幕府の樹立から三代将軍実朝の殺害に至るまで、幕府内の壮絶な権力闘争の歴史を紐解きながら、「源氏将軍断絶」の歴史的な意味を問い直す1冊。

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ネタバレ

最初は低調だけれど、実朝くらいから面白くなる。リーダーシップのある実朝像と北条氏世の連携による「チーム鎌倉」と実朝生前から親王将軍構想があったとの指摘は新鮮。

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2021年04月09日

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ネタバレ

『吾妻鏡』は、北条得宗家が後世に編んだ頼朝の正統後継者である「北条氏顕彰歴史物語」、頼家は「暗愚で暴走する若旦那」、実朝は「京かぶれの軟弱文人」で夢見がち——そんなキャラ付けが、歴史好きの脳内に染みつく、本書で一番は著者が紐解く実朝の実像「夢告多い不思議ちゃん」の印象が強いが、著者は将軍家政所下文などの一次史料を丹念に読み解き、実朝を「平時の政治家」として再構築する、政治ツールとしての蹴鞠の修練、和歌を詠み朝廷とのパイプを大切にすることで、幕府の基盤を固めようとした現実的な政治家像が浮かび上がる
頼朝が「戦時のカリスマ」なら、実朝は「統治のリアリスト」だった可能性が高い。北条氏顕彰のために意図的に矮小化・戯画化された「軟弱将軍」像を、著者は史料批判により丁寧に剥いでいく、以前読んだ藪本勝治が指摘する吾妻鏡の「軍記物語的手法」と本書は完全にリンクする、歪んだノイズを除去した後の源氏将軍たちの姿は、既知の歴史とひと味違う
源氏三代の骨肉の権力闘争——断絶は「必然」か「積極的選択」か本書の核心は、なぜ頼朝の血が三代で途絶えたのか、という問いだ。実朝暗殺(1219年)を「悲劇の偶然」として片付ける従来のイメージを、坂井は歴史の流れの中で大胆に説明してのける、頼家期の比企能員の変をはじめ、幕府内部の壮絶な派閥抗争が目に浮かび、実朝自身が、源氏将軍の「血統継承」に積極的に距離を置いていた可能性を読者に納得せしめる

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鎌倉幕府が続いていたのは知っているけれど、実朝が倒れた後の将軍が誰なのかは正直よく知らなった。
ならば何故源氏将軍は三代で断絶してしまったのか。
吾妻鏡をベースに愚管抄やその他の資料から読み解く源氏三代の歴史。頼家と実朝の治世も改めて振り返る。

20歳前後で後継を決める時代、後鳥羽上皇の従妹である御台所との間に子供が恵まれず、幕府は後鳥羽の息子を将軍として迎える打診をする。
実朝と後鳥羽の信頼関係。北条との格の違い。
親王将軍候補はどちらも20歳前後。
至高の血統となれば源氏に戻すことなどありえず、事実上の源氏将軍断絶。それは実朝も承知のことだった、というのが驚きだった。
もし親王を迎えた後に御台所との間に子供を授かったらどうするつもりだったのだろう。
後世の人間が知っている歴史も、当事者たちには未知の未来なのである。

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2022年07月31日

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