あらすじ
癖があり頑固だが、ときにやさしく勇敢なオリーヴ・キタリッジ。老境を迎えた彼女の日々と、海岸沿いの町クロズビーの隣人たちの悲喜こもごもをつづった傑作ぞろいの13篇を収録。ピュリッツァー賞を受賞した傑作『オリーヴ・キタリッジの生活』11年ぶりの続篇
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Posted by ブクログ
相変わらず、痛快!
オリーヴ・キタリッジが身近にいたら、私はどんな態度をとるのだろうという問いにはまだ答えが出きらない。
最後の「友人」は、いくつになっても友達って良いなとほっこりした。(当初はイザベルを、ネズミパンツ呼ばわりしていたオリーヴには笑った。)
「心臓」に出てきた、政治思想の異なる介護士ベティが泣く姿を見て、二人の距離が近くなる場面も良かったな。
「詩人」の中に出てくるジャックとの会話もたまらない。
"もうちょっとオリーブを薄めてくれないか。”
...
"結婚しよう"
"なんで?"
"そりゃ、オリーヴだからだ"
"あまりにもオリーヴだって言ったじゃないの"
"うるさい、黙れ。結婚するぞ"
丸ごとそのまま愛してるって素敵だなと思う。
オリーブが感じた老いていくことへの不安や戸惑いを通じて、良い意味で、いつか老いていく自分についても考えさせられた。
Posted by ブクログ
11年ぶりにオリーヴに再会。
すぐにオリーヴにまつわるいろんなことを思い出し、そっけないような、辛辣なような、でも時にとてもいい人だなぁと思い、その老境のまあまあ幸せじゃない?みたいな人生に触れられてとてもいい心持ちになった。
物語の閉じ方も素晴らしい。
普段はほぼミステリーしか読まないわたしですが、この作家さんは大好きで、特に『何があってもおかしくない』はいろんな方におすすめしています。
Posted by ブクログ
キタリッジさん、いよいよ人生の終幕へ。
前作でそうだった、いつも不機嫌を撒き散らしている態度に、少しずつ自覚が出てくるところがリアル。歳を重ねて、気付くことで変えられること、気付いても尚変えられないこと。
息子の子育てに失敗、と思ったら優しい変化もあって喜ばしいが、その変化をもってさえ、理想の息子像には足らない。過ぎ去ってしまった時代の満たされなさは、埋めようがない。そこもまた、人のリアルさを感じた。
全体として、前作より理解がしやすくなっている。でも、続きはもういらない。訳者あとがきにもあったが、キタリッジさん主人公お疲れ様、これ以上は酷だから、もうゆっくり休んでくださいと、自分も思った。