あらすじ
ボクサー志望のマッツ,貧しくも秀才のマルティン,臆病なウーリ,詩人ジョニー,クールなゼバスティアーン.生いたちも性格もまったくちがう少年たちはそれぞれに,悩み,悲しみ,そしてあこがれを抱いています.寄宿学校でくり広げられる,涙と笑いがつまったクリスマスの物語.新訳.
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Posted by ブクログ
明るく飄々としたまえがきから、どんな話が始まるんだろうとわくわく。
ギムナジウムというドイツの寄宿学校での、クリスマス休暇までの出来事。
序盤は登場人物に苦戦しましたが(マルティンとマティアス!)生徒も先生もキャラクターがハッキリしているのですぐに区別できるようになりました。
大人手前の子供たちによるドタバタ、遠い家族への想い、臆病な自分を変えようともがく姿や尊敬できる大人の存在など、思春期ならではの感覚も追体験した感じ。
ケストナーの文体の明るさと当時のドイツの状況が重なって、なんとも言えない気持ちになります。
Posted by ブクログ
冒頭はケストナーのエッセイ、そして少年たちの物語へ。
ギムナジウム5年生の少年たちがクリスマスを迎えるまでの物語…というと萩尾望都的美少年が出てきそうだが、1933年に出版された本作はまったくそんな内容ではない。背景にナチス政権の暗い世相を感じさせつつ、物語は少年たちの争い、友情、見栄、大人(先生)との関係を描く。
私は女で、子供も娘しかいない。もし私に息子がいたら、この話はもっと自分に近寄せて読めたのかもしれない。それでも読後感は心がほんわか温かくなった。いい話だった。
最後に、もしかしたら「私」の母親は、ジョニーの船長の姉かもしれない、と思ったのだがどうだろう。