あらすじ
おたがいを知らずに別々の町で育ったふたごの姉妹ルイーゼとロッテ.ある夏,スイスの林間学校で,ふたりは偶然に出会います.父と母の秘密を知ったふたりは,別れた両親を仲直りさせるために,大胆な計画をたてるのですが…….待望の新訳.
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Posted by ブクログ
大人でも楽しく読める。
ハッピーエンドになるだろうとは思ってたけど、これ本当にハッピーエンドになるのかな?って途中からハラハラして読んでいた。
でもちゃんとハッピーエンドだったからよかった、笑
昔に離婚した父と母を2人なりの作戦でもう一度仲良くなってもらおうと奮闘する姿は、面白かったけど、それ以上に切なく寂しく感じた。
だからその分、もう一度4人が1つの家族になれた時はすごく嬉しかったし、安心した。
いつの間にか童心に帰って読んでいた気がした。
Posted by ブクログ
久しぶりの再読。
双子が入れ替わるという話は、今では陳腐ですらあるのだが、この時はすごいアイデアだったのだと思う。
大人になって読むと、こんなことあるはずがないと思ってしまうが、ケストナーもそれは重々承知なのである。双子は出会わず、元夫婦が再び夫婦に戻ることもまずない。双子はそれぞれ孤独を抱えて育ち、父はイレーネと再婚するのがリアルだ。しかしあえてそうしなかった。それは読者である子どもが「こうなってほしい」と考える結末を裏切りたくないという気持ちと、(書かれた時代を考えれば)敗戦、ナチス支配という負の歴史に叩きのめされたドイツ人に希望を取り戻してほしいという思いであったろうと思う。そこのところを訳者があとがきでもやさしい言葉で書いている。
必要以上に会話や心情を描くことなく、ちょっとした行動や言葉から登場人物の人となりが伝わり、物語が動くところなど、ケストナーの上手さも堪能できる。
母は娘に頼り過ぎていたこと、娘に大人びたふるまいをさせていたことに気づき、父は娘をほったらかしにしていたこと、家族は自分の仕事に邪魔になる存在なのではなく、仕事の活力になる存在だということに気づく。ここらあたりは現代の親が読んでもはっとさせられるのではないかと思う。
時代的に仕方ないが、ミュンヘンで編集者をしていた母が再婚してウィーンに来てから、仕事のことが語られないこと。夫はウィーンフィルの常任指揮者兼作曲家なのだから、戦後すぐなら仕事をやめて専業主婦っていうのは自然なのだろうが、現代なら仕事を続けるのではないだろうか。ここはちょっと残念な気がする。
トリアーの絵は大好きだが、今のイラストレーターのように主人公を魅力的に描こうという気持ちはあまりなく、双子の可愛い絵は意外と少ない。父パルフィー氏ももう少しかっこよく描いてもよかったんじゃないかと思うし、アンニ・ハーバーゼッツァーは怖すぎる。(しかも絵が大きい。)
でも、イラストレーターが「魅せる」ことに注意を払わなくていい時代もあったという歴史の証言ではある。
Posted by ブクログ
スイスの林間学校で出会ったルイーゼとロッテはそっくりな容姿にびっくり!父と母のことを知ったふたりはみんなで暮らせるように入れ替わって…という物語。入れ替わっている間にお互いにないものに気づき成長していくところがよかった。ラストでケルナーさんが仕事をどうしたのかが気になった。
地の文がナレーションみたいな感じで特徴的だと思いながら読んでいたが、あとがきを読んで納得した。