あらすじ
知り合いの家にあずけられて,友だちもなく退屈しきっていたトムは,真夜中に古時計が13も時を打つのをきき,昼間はなかったはずの庭園に誘い出されて,ヴィクトリア時代のふしぎな少女ハティと友だちになります.「時間」という抽象的な問題と取り組みながら,理屈っぽさを全く感じさせない,カーネギー賞受賞の傑作です.
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
自分もトムと一緒に真夜中の庭に遊びに行っているようなそんな気持ちになりました。
スケート靴をみつけてからどんどん面白くなってきました。
ラストシーン素敵でした。
Posted by ブクログ
ビクトリア女王末期に生まれたハティと20世紀のトムが真夜中の庭園で出会う不思議。お互いを幽霊と思いながら少年のトムと少女のハティは毎日庭で遊び木登りをし弓矢を作ったり機の上に秘密の小屋を造ったりする。
だが、トムの時間とハティの時の流れは同じでなくいつのまにかハティは大人の女性になっていく。自分の時間とハティの永遠を交換することでハティとの世界を留めようとするトム。過去と現在が混ざり合いそして最後に一つに繋がる再会のシーン、夢や幻想が溶け合って存在する不思議。風景描写と共にとても美しい物語でした。
Posted by ブクログ
小川洋子さんの本で紹介されてて。
少年少女に自分の居場所があるということ
庭の植物たちが、生き生きと描かれてる
こんな庭、冒険の時間があるということ、人生を豊かにしてくれる
本を読んでの体験でも
緻密な構成
ファンタジーだけど、納得感あり
思いが重なって庭で出会えていたということ。
時間の概念。
外へ飛び出していくこと、、
夢中になって遊ぶこと、、
ひたむきさ
Posted by ブクログ
前半はなかなか物語に入り込めなかったが、諦めずに最後まで読んで良かった!
時を越えて同じ時を過ごす2人に秘密の抜け道や油断大敵など共通認識が生まれていく過程がたまらない。
最後まで読んでから、また初めに戻りたくなる。
トムの冒険のようでいて、ハティの人生を辿る物語なのがたまらない。
Posted by ブクログ
これは確かに名作ですね。児童文学ながらページをめくる手が止まりませんでした。
近所に住む気難しいお婆さんが昔は木登りする少女だったなんて、子供には想像もつかないことだと思います。頭では理解できても、感覚としては分からないでしょう。これは子供にかぎらずかもしれません。見知らぬお婆さんは生まれた時からお婆さんだし、さっきすれ違ったおじさんは一生おじさんのまんまの存在として、なんとなく受け流しつつ生きてませんでしょうか。でもそれが今を生きてる感覚なんだと思います。
トムは真夜中の庭でハティと友情を育みます。2人の生きている時代は違っても、2人の過ごした時間は同じです。同じ時間を子供として共に過ごしたからこそ2人は友達になれました。同じ時間を大人と子供として過ごしたら別な関係性になったでしょう。これがこの物語の魔法です。
世の中には色々な世代が同時に生きてます。赤ちゃんだったり中年だったりします。言い換えればみんな子供からはじまって老人で終わる道の上にいます。そしてそれぞれの時代にはそれぞれの世界が広がってます。トムがびっくりして魅了された庭のように。でもまったく違う人間ではないのだということをこの物語を通じて子供たちだけでなく大人たちも考えてくれたらいいなと思いました。
ちなみに物語の構成としては『思い出のマーニー』と似てますがテーマは全然ちがいました。
Posted by ブクログ
文句無しの星4つ‼️
さすが 名作‼️
トムにハラハラさせられ。トムに泣かされ。
私も真夜中の庭で 散々遊ばせていただきました。
最後が良い。
Posted by ブクログ
時を超えて出会う少年少女。
ハティ少女の時代にトム少年が遊びに行く形だが、トムにとってハティの空間では何時間も遊んでいたつもりなのに、現代に戻れば数分しかたっていない。
深夜に大時計が13時の鐘を鳴らす時、裏庭に通じる扉から秘密の庭園へ行けるのだ。
思ったより意外性はなかったが、幽霊のように扉を通り抜けたり、行く度に庭園の時間が変わっていたりというファンタジー要素が面白かった。ハティが女性になっていることにトムが気付かないのも良かった。一緒に遊んだ仲であれば、成長なぞ関係ないというのが素敵。どの大人にも少年少女時代があり、トムのようにアクセスできたら面白いのに。
↓ネタバレ
弟が麻疹に罹り、隔離のため叔父叔母の家へやってきてハティと出会う裏庭への扉を見つけたのだが、その麻疹も治り、夏休みも終わろうとしていて帰らなければいけない時が来る。庭園でどれだけ遊ぼうと現代では大した時間にはならないのだから両立できるはずだと考え、時を永遠にしようと試みるトム。
弟には庭園の秘密を手紙で毎日伝えており、弟は庭園に行ってみたくてたまらず、遂に夢から少し参加するが、ハティは少女ではなく女性だと指摘する。トムが気付かぬうちに、回を重ねる毎にハティは成長していた。
トムは最終日、いつも通り扉を出たはずが現代のままだった。ショックで大声を出し、アパートの住民を起こしてしまう。翌日、謝罪に少年を寄越して欲しいという婆さんの元へ行くと、その婆さんこそが現代のハティだった。庭園はハティが毎晩みていた夢の中であり、最終日に庭園へ入れなかったのは、その日は婚約後の夢をみていて庭園で遊ぶ少女時代の夢ではなかったからだった。