あらすじ
日本人にとって特別な食・コメ。稲はどこから日本列島にきたのか、最初の水田を作ったのは誰か、なぜ東北地方で栽培が遅れたのかなど、稲作の起源を解説。インディカ米が盛んに作られていた中世、地下水路を建設するほど水利に力を入れ、和菓子や酒づくりなど米食文化が花開いた近世の実態を紹介。さらに富国強兵を支えた近代を経て現代まで、農学や文化の視点を交えながら「米食悲願民族」の歴史を解き明かす。
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Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 稲作がやってきた~気配と情念の時代
第2章 水田、国家経営される~自然改造はじまりの時代
第3章 米づくり民間経営される~停滞と技術開発が併存した時代
第4章 米、貨幣となる~米食文化開花の時代
第5章 米、みたび軍事物資となる~富国強兵を支えた時代
第6章 米と稲作、行き場をなくす~米が純粋に食料となった時代
第7章 未来へ「米と魚」への回帰を
おわりに
<内容>
タイトルは「日本史」だが、歴史家ではなく、農学者による日本での米がどのように扱われてきたか(作ることから食べることまで)を俯瞰した本。歴史科の視点ではないので、各章の区切りもユニークだし、その視点もユニーク。それだけに刮目される話が多い。例えば弥生時代には、コメは作られても食料の主流にはなり得なかったとか、中世から近世はともかくたくさん穫れることが目的だったとか(味は二の次三の次)…。