【感想・ネタバレ】ゆがめられた目標管理 復刻版のレビュー

あらすじ

本書は『マネジメントへの挑戦』に続く、一倉定の初期著作シリーズの復刻版2作目である。
原書の執筆は1968年。競争の激化や人件費の高騰などにより、企業の大型倒産が相次いだ。
時代の変質を受け、マネジメントの見直しが問われていた時に、中小企業を中心に経営者の救世主となったのが一倉定だった。
50年以上前の本書の内容は、現代に書かれた新刊書と見まがうほどの新鮮さを有する。この事実をどう受け止めればいいか。ともあれ、時代に左右されない経営の本質を突いていることの証左であることは確かである。

【目次】
1章 経営不在の目標管理
形をかえた人間関係論/アクセサリーの企業目標 ほか
2章 目標の本質
「企業の目標」は生き残るための条件が基礎となる/上のせされる「トップの意図」/目標はワンマン決定でなければならない ほか
3章 目標の領域
ただ一つの目標は企業を危うくする/目標は必ず明文化すべし/目標には測定するモノサシが必要 ほか
4章 目標の設定
長期的ビジョンに立つ/中小企業は「賃金」から目標をきめよ/トップから目標が示されないときはどうしたらよいか ほか
5章 成果達成指導
成果は顧客によって得られる/結果に焦点を合わせる/「誤りの法則」とZDは矛盾するか ほか
6章 チェックなくして目標無
うまくいかないチェック/上司による定期的チェックが絶対に必要 ほか
7章 高収益高賃金経営の目標
目標と業績評価を結びつける/幹部の業績評価はこうして/高収益高賃金経営こそ生き残る道 ほか

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

本書の初版は昭和44(1969)年ですが、半世紀以上経った今でも十分通用する内容で、新鮮にすら感じられます。
日本のドラッカーとも言われる著者の口調は、大変厳しくも、シンプルかつ合理的なものです。
企業の目標とは、客観情勢に基づき設定されるもので、企業の内部事情とは本質的に無関係である、と喝破。
に実現可能な目標は現実を無視したものであり、それでは企業は生き残れないという著者の主張は本当に厳しいが、本質を突いたものでもあると思います。
目標管理の現場で起こっている問題点は、今でも全く変わっていないことには苦笑せざるを得ませんでした。
昭和に書かれた本ということもあり、現在では受け入れられにくい論調もある一方で、目標設定や生産性の話など示唆に富む部分も非常に多くあり、これからも読み返す必要がありそうです。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

いい本だと評価が高いのだが、何だか読みにくい。
まず、積読。改めて読み直そう。

改めて読み直した。
随所にためになることが書かれている。やっぱり一倉定はすごい。
・企業の目標は客観情勢によって決められる。市場の動向によって決められるということだろう。企業の内部事情とは本質的に無関係。
・目標を立ててもそのとおりいかない。だからムダだ。→なかなか達成できないからこそ必要であって、簡単に努力もなしに目標を完遂できたら、目標そのものがおかしい。
・目標管理のチェックは報告会でやるべきだが、原因追及は厳禁。→報告会では、目標、実績、不達成事項の対策に限って行う。原因究明をしなくていいのではなく、会議でやるべきものでなく、会議の前に担当者が行っておくべきもの。

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

記載内容は時代もあるでしょうけれど、目標とその管理について、上っ面ではない、活きた経験をふまえた良書だと思います。

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2023年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「私が話のわかる部長になってしまったら、会社はどうなるのだ」
企業は放っておけば赤字になり、倒産するようにできている。それを黒字に持っていき、存続させるのが経営者の仕事。したがって企業の目標とは「生きるための条件」であり、客観情勢に基づいて設定されるのであって、企業の内部情報とは本質的に無関係である

「目標は上司の決意、チェックは執念の表れ」

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2021年03月10日

Posted by ブクログ

この時代の若者たちにどう捉えられるのだろう?
我々オヂサンの覚悟か足りないのは、確かにそのとおりなのだが…。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

一倉定さんのマネジメントの考え方をまとめた本。中々厳しい考え方ではあるが、外部環境変化が激しく、企業が継続していくのが難しい状況の中では、当然やるべきことであると痛感した。先行開発費の削減、古い設備の更新の延長など、目先の経営指標に囚われ、今後の投資まで絞りに行っていくのは論外とされており、今の会社の存続について非常に危機感を感じた。

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2021年01月31日

Posted by ブクログ

かなり前に書かれた経営本。前作が良かったので続けて読みました。正直前作の方がわかりやすかったと思います。途中から飛ばし読みでした(残念)

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

企業にとって目標とは、生き残るための条件にプラス、経営者の意志、それに尽きる。昭和の時代でも人間関係が目的化して緩んでいたところは人間の弱さの普遍性を感じた。

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2020年12月06日

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