あらすじ
息子を六年前に亡くした捜査一課の浦杉は、その現実から逃れるように刑事の仕事にのめ
り込む。そんな折、連続殺人事件が勃発。捜査線上に、実行犯の男達を陰で操る一人の女
の存在が浮かび上がる。彼女は一体何者なのか――。息をするように罪を重ねる女と、最
愛の家族を失い死んだように生きる刑事。二人が対峙した時、衝撃の真実が明らかになる。
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Posted by ブクログ
個人的最注目作家の櫛木さん、依存症シリーズに手を出してみた。
最初の舞台は痴漢電車。
痴漢が当たり前になっている車内で、我慢するしかない小、中、高校生達。
ネットの掲示板では、痴漢専用のスレがあり、対象となる児童や学生の姿や年齢、学校等がこと細やかに共有されている。
掲示板でやり取りをし、電車内で合流し、複数人で犯行に及ぶ。
そんな恐ろしい犯罪に巻き込まれた被害者、被害者の親、加害者等、あらゆる視点からのシーンが描かれています。
とにかく頭がキレ、残酷なまでに少年少女を”襲わせる”、謎の女、真千代
襲わせる、というのがポイントで、真千代は決して自分では手を下さないのです。
真千代はとても人心掌握術に長けていて、常に周りの人物を操り、少年少女達に対し、痴漢にとどまらず強姦殺人までも容赦無く行わせるのです。
かつて真千代は、叔父•祖父•曾祖父達から性的虐待を母親と共に受け、父親はダンマリを決め込み、祖母は率先して虐待を受け入れ、その末先に母親は自殺してしまうという壮絶な過去がありました。
過去の弱い自分への憎しみにより、少年少女達をターゲットにしていると思われます。
6章からなる物語ですが、各章の終わりには、車内で男達に囚われた女性視点のパートがあります。
強姦殺人の被害者となる者の目線かと思いきや、なんと逮捕された後の真千代だとは…!!!
かなり丁寧に読んでいましたが、本当にこれは気づけなかった…
てっきり勇敢に強姦魔達からなんとか逃げようとしている女性かと…
仲間達に、自分が乗っているパトカーを襲わせて、真千代は最終的に逃げ切っています。
次作以降で登場するのか?!
依存症シリーズは後二作あるので、非常に楽しみです。
Posted by ブクログ
この女、いったいなにが目的なんだろう。
-あんたやと、わかっとったわ
「やっと、会えたなあ」間延びした声で真千代は言った。「ああ」浦杉は言った。「そうだな。-やっと、会えた」
ノンストップ過ぎる。浜真千代、コワスギル。
Posted by ブクログ
内容はグロいし胸糞悪いし報われないけど読み進めてしまう面白さがありますなんて言ったらいいかわからないけど一回読んだらやめられない中毒性と登場人物のぐちゃぐちゃな心情や気持ち胸糞悪く感じさせるところ性描写の悲惨さやほんと全てが相まって面白いです3シリーズあるんですけど3日で読み終えてしまうぐらい進みました読むの一旦やめようって思っても読んじゃうんですよ!!がちで!この凄さを一回体験して見て欲しいですね胸糞悪いけど言い表せない面白さがあります!個人的にはめちゃくちゃ刺さりましたね
Posted by ブクログ
ずっと読もうよもうと思っていてタイミングを逃してました。
もっと早く読めばよかった…
ラストも救われないし読後感重いけど、続きが読みたくなるそんな作品です。
こういう人生を選ぶしかなかった真千代の過去には同情するものの、自分の手を汚すことなく他人を支配して罪のない人を消費していく胸糞感。最高。
櫛木先生のホーンテッド・キャンパスシリーズが大好きなので、気になって読んでしまいました。怖かった!
浦杉さんは勘も良く記憶力もバツグンで優秀な刑事なのに、真千代が遥かに上を行き、最後は絶望。
浦杉さんにとって地獄でも、架乃ちゃんと奥さんを幸せにしてあげて欲しい。あと真千代の方針変更については、最初からそうして欲しかった。
苦手な種類の話なのに続きが気になって一気読みしてしまいました。やっぱり櫛木先生の文は読ませます。
Posted by ブクログ
この作品は、私が初めて読んだ櫛木理宇さん作品。
シリーズ最新作を読む前に、おさらいのため再読。
再読なのに、またも号泣してしまった。
幼い男児の母なので、我が子がこんな目に遭ったらと考えると、気が狂いそうになる。
浦杉の「なぜすぐ絞め殺してくれなかった」が痛いほど分かる。
初めてこの本を読んだ後、夜中に悪夢で飛び起きたことがあった。
多分トラウマ。
それなのに、なぜかそのまま櫛木理宇さんにハマるという…。
2作目、3作目では拷問を受け、殺される対象が胸くそ野郎どもなので、読後に爽快感すら感じてしまった。
浜真千代がダークヒーローのように思えた。
だけど、今作での真千代の犯行を考えると、決して好きにはなれない。
確かに、彼女の受けてきた虐待は酷過ぎた。でも、それが何の罪もない子どもたちを嬲り殺す理由にはならない。
特に最後に殺されたあの子。
「殺してよかった」?
有終の美を飾るのにふさわしい子だった?
なんという身勝手さ。
再読して気付いた。
やっぱり浜真千代はダークヒーローなんかじゃない。ただの快楽殺人鬼。
「人格と犯行スタイルを変える」と自分で決めたからの2作目、3作目に繋がる。
胸くそだけど、再読して良かった。
Posted by ブクログ
『殺人依存症』は、序盤から拷問シーンが描かれ、事件も少年少女を狙った強姦殺人というあまりにも救いのない内容で始まる。読んでいて胸がざわつく描写が多く、全体を通して重苦しい雰囲気が続く作品だった。
主人公の浦杉は過去に息子を亡くし、その喪失感を抱えたまま事件に向き合っていくが、最終的には全てを失い、犯人の女に完全に振り回されて終わる展開となる。この結末は後味が悪い一方で、逆にここから続くシリーズがどう収束していくのか非常に気になる。浦杉がどう立ち直るのか、あるいはさらに深みに落ちていくのか、続きが読みたくなる終わり方だった。
ただ、題材が重い一方で物語のテンポは良く、読みやすさはあったと思う。残酷な要素が多いのにダレることがなく、最後まで一気に読み進められた。
救いのない作品ではあるが、続編への期待を持たせる力のある一冊だった。このままシリーズを追っていきたい。
Posted by ブクログ
拷問から読み始めてしまったので人物相関図ものすごく埋まってイッキに読んでしまったけれど精神的グロが強すぎてものすごく読みながら顔が歪む。
けどページめくるの止まらなかった。
亜結ちゃんにはかなりショックを受けた。
真千代と架乃の今後が気になりすぎる。
Posted by ブクログ
新作である4作目のみ読み、衝撃を受けたため、1作目からきちんとシリーズで読むと決めた。
4作目を読み終えたこともあり、覚悟はしていたものの、やはり残酷でしかない。もうこれ以上地獄が続かないでくれと願いながらもページを捲り続け、早く読み終わりたいような、なかなか味わうことのない感覚。
女を自分の欲求を満たすための道具としか見ておらず、むしろ誇っているかのように生きる男たち。世の中の誰にも相手にされない、という者だけではなく、妻子を持つ者も、人を救う職業に就いている者もいるけれど、そいつらが普通に街を歩いていると考えるだけで本当に気持ち悪い。それ以外の言葉がない。
幼い頃に虐待を受けた子は、どうすれば救われるのだろうか。負の連鎖は必ず起きてしまうのだろうか。直接復讐を試みる者も、他の弱者を攻撃することで世の中に復讐する者もいる。
虐待をする奴らが悪い。そんなことは大前提として、だからといって無関係の他人を傷つけることは絶対にしてはいけない。だが、虐待を受けた者たちはどうすれば救われるのか、私には答えが全くわからない。
現実においても、犯罪者の生い立ちや家庭環境から、一人の被害者として同情されるような記事を目にすることがあるが、それを犯罪の動機とするなんて許されない。
正直最後まで救われない気持ちで終わった。人間が一番怖い。何も恐れていない人間など、人ではない。