あらすじ
成長戦略の選択肢に、
M&Aを入れるのは常識です
[本書の特長]
●事業拡大のためのM&Aのしくみと流れがわかる入門書
●買収案件(特にクロスボーダーM&A)についても記載
●M&Aアドバイザリー会社に勤務する著者が、
アドバイザリー会社の実態やその正しい利用の仕方についても解説
[本書の想定読者]
●事業拡大のために企業買収を考えている企業の担当者
●所属する企業でM&Aの実務に携わりたいビジネスパーソン
●M&Aを多用する会社やM&Aコンサルティング会社への就職を目指す学生の方
●M&A関連するコンサルタント、アドバイザー、会計士などの職務についている方
本書は、企業が経営戦略の選択肢として持っておくべきM&Aの入門書です。
M&Aはかつて、10年に一度あるかないかの社史を飾るような大イベントでしたが、
現在では経営戦略として一般的になり、国内・海外でM&Aが活発化しています。
M&Aというと、ハゲタカによる敵対的買収をイメージする方も多いと思いますが、
現代はお互いの事業拡大のために行う友好的なM&Aが主流です。
本書を読めば、このような実情に即した最新のM&A知識が身につきます。
「M&Aとは?」「ファンドとは?」といった基本からカバーし、
M&Aの歴史から売り手と買い手のフロー、
最終章では著者の視点で近年DXの影響を受けてM&Aが活発化している産業まで
解説しています。
※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
M&Aにおけるありがちな失敗やその回避策などについて平易な表現でわかりやすく解説されているる。特に買い手、売り手、双方側のFA、対象会社の経営層といったそれぞれの登場人物の思惑の起点に、M&Aの各プロセスで起こりがちな失敗や注意すべき点、論点が解説されており、経験のない中でも無理なく咀嚼しやすい内容となっていた。
Posted by ブクログ
第1章 時代変遷とM&A
p.27 欧米の金融機関や事業会社は財務状況が悪化し、株価も大きく下落しました。一方業績が向上しつつあった日系企業は、そういった欧米企業をリーマンショックを期に買収をしていきました。
第2章 M&Aにおける登場人物
p.34 売却の動機は大きく、投資回収、リストラクチャーの要請、選択と集中に分けられる。
p.42 M&Aプロセスをアドバイスしてくれるアドバイザリー。大手証券会社や投資銀行は多くの場合はアドバイザリーを保有する。強みとしては顧客網の多さから売り手や買い手の情報を多く持っている。また金融機関であるためファイナンスも得意。デロイトのようなそのほか会計会社系のアドバイザリーなどもある。それ以外は、専門系のFAとしてブティック系があり、ヘルステックなど特定の業界に強い。
p.51 FAにおいて重要なのはFAにトラックレコードがあるかどうか
第4章 M&Aが失敗する理由
p.93 買収置けるFAの役割は、いうまでもなく買収を成功するためのあらゆる助言を行うこと。しかし、サクセスフィーをもらいたいが故に適切なアドバイスを必ずしも行なわらない可能性がある。
第5章 M&A 勝利方程式
p.140 PMIを成功させる上で非常に重要なのはM&Aの企画段階からクロージングまで関わっていた人材を経営陣の1人として派遣させること。
第6章 ファンドという存在
・p.162 企業価値は将来のフリーキャッシュフローを現在価値に引き直したもので求められます。企業価値を増加させるためには、営業利益を増加させることが最も効果的である。
→やや言い切りすぎかも。企業価値を上げる方法はこれだけではない。
参考:. フリーキャッシュフローと企業価値の関係
DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法): 企業価値を評価する際、DCF法がよく用いられます。この手法では、将来のフリーキャッシュフローを予測し、それを割引率で現在価値に換算して企業価値を算出します。割引率としては、加重平均資本コスト(WACC)が使用されます。
成長と収益性: FCFが高い企業は、収益性が高く、将来の成長が期待されるため、一般的に企業価値も高く評価されます。逆に、FCFが低い、もしくはマイナスの企業は、成長余地が少ないと見なされ、企業価値が低くなる可能性があります。
Posted by ブクログ
M&A業界について最低限必要な情報ぐらいは教養として把握しておきたいなと思い手に取った本。結論として、最高の入門書でした。KPMG FASのパートナーの著者の方が実務の経験も踏まえた問題意識をもとに基礎から書いてくれているので、アカデミックな内容というよりもビジネスの世界で落とし込んでいく上で参考になると思います。
冒頭の日本のM&A失敗の歴史を振り返った上で(3割しか満足していないという事実)、そのためにDDやPMIの強化といった改善策の提案がされている。特に共感したのが日本における経営人材の枯渇。伝統的企業において社長はサラリーマンの最終ゴール地点という色合いが強かったが、その認識自体に違和感。これまでステークホルダーが、多岐にわたる現代においてそのすべての利益の最大化を実現できるような経営人材になるには、明らかにサラリーマンをしているだけでは不十分。より経営者を育てていく社会文化が醸成されていくと良いなと思いました。
後はわかるようでわからない、MBO、PEなどの用語もしっかりと書かれていて勉強になった。あもはウィッシュリストも面白かったな。出物や目先のクローズへの誘惑に負けることなく、真に必要な吸収合併を目指すことはなかなか難しいと思う。
人口が4千万人減少し、6割が後継者不足に悩む日本において、M&Aがより一般化した選択肢になることを願っています。
Posted by ブクログ
M&Aという言葉はよく聞くけど、どういうものなんだろうと思って読んだ本。
初心者にもとてもわかりやすく書かれていて、情報量はあるけど読みやすい。
特に最後の現在の日本の立ち位置についてが面白かったので、最新版でもっと現状について書かれたらまた読みたい。
Posted by ブクログ
【クロスボーダーM&A】をテーマにしている。
M&A仲介会社の人向きかと言われるとそうでもないが、これまでの日本のM&A歴史が時代ごとに解説、M&Aプロセスや失敗、成功の方程式、ファンド解説まで多岐に渡り、入門編としてはとてもわかりやすかった。
Posted by ブクログ
M&Aというのは、企業間リソースの最適化に行動原理があるのが理想だと思うのだが、その揺動により発するエネルギーから利益を得ようとする周辺プレイヤーが本質を歪めている気がしないでもない。いや、そちらの方が寧ろ資本主義の本質か。
日本におけるM&A黎明期。バブル時代の三菱地所によるロックフェラーグループ買収やソニーによるコロンビアピクチャーズ買収の話から始まるのは有り難い。そして、バブル崩壊後日本企業の株価が低迷すると、安値で上場株を購入しようとするアクティビストファンドが登場してくる。現金を過剰に保有しながら新規投資や配当を行わなかったり、多くの遊休不動産を持っていたりするような企業に対しアクティビストファンドが改善を強力に要請するようになる。株主資本主義が台頭し、事業を切り売り、買収してでも企業価値を求めよという時代が到来する。そこで、だ。
事業売買におけるアドバイザー会社の選び方や関わり方、デューディリジェンス、情報開示の進め方やLOIの記載項目などの実務や買い手、売り手の論理考察。勉強になる実用書だった。
7割の企業がM&Aで何らかの問題を抱えている。
撤退や減損を余儀なくされる。成功率が低い理由は何か。サラリーマンにおけるM&A実務や判断の難しさ、アドバイザーやブローカーとの情報非対称性のジレンマなどが生々しく語られる。
三十万社以上の中小企業の経営者が70歳になるにもかかわらず、60%の企業で後継者が見つかっていない状態について。自社内投資よりも、今後、買収劇が活発化しそうである。
Posted by ブクログ
■読書の目的
近年、自社でもよく聞くM&A。概要はきちんと知っておきたいなと思い、読みました。
■所感
・初歩の初歩、用語レベルから説明があるため、事前知識はほぼ不要
・事例や歴史も含めて解説があるため、わかりやすい
・説明部分の文章は多めですが、図解ページでうまくフォローしているイメージ
Posted by ブクログ
クロスボーダーM&A=大手の日本企業が海外の企業を買収したい場合を主体とした本。
私としては「大手が国内中小企業を買収するケース」について学びたかったので、ちょっとはずれ。特に、企業価値や株式価値の算定方法について、中小企業に適用されるのはどれか?が不明。 だけど、一般論として学ぶこと多し。
Posted by ブクログ
M&Aの基礎を学ぶことができた。右側に文章、左側に関連する図表が載せられていて視覚的にも分かりやすくする工夫が見られた。大枠の流れを掴めたのが最大の収穫だった。
Posted by ブクログ
経営戦略から降ろしたM&Aがされるべきではあるが、実務のプロセスのなかで、M&A自体が目的化されてしまうという難しさに触れている。
ショートリストが、究極的には売却意向に基づく整序であるのに対し、著者はシナジー効果に基づくウィッシュリストを提案している。
経営戦略に関連して、DDの段階からPMIのことを考えておけという話も。
Posted by ブクログ
・バブル崩壊での小売業再編の動きから、プロ野球集団のオーナーもダイエー・近鉄という従来型産業から、楽天・ソフトバンクという新興企業へのスイッチした。
・M&AにはFAフィナンシャル・アドバイザーという、金融系機関からのアドバイザーが必ずいる
・ヘッジファンドも投資信託の一種です。デリバティブを駆使して、相場が下落した際も利益を追求することを目的としています。
・アクティビストファンド:物言う株主
・バブル崩壊により日本企業の株価が低迷すると、安値で上場株を購入しようとするファンドが登場してきました。とりわけアクティビストファンドの登場は、これまでの日系企業が経験しなかったような厳しい株主提案をする点で、当時の経営陣に非常に高い緊張感をもたらしました。
・ベンチャーキャピタル(VC)は、高い成長率が期待される未上場企業に投資をし、その企業がIPOを実行する際、もしくは高額で大企業に買収される際に投資を回収して利益を上げるファンド