M&Aというのは、企業間リソースの最適化に行動原理があるのが理想だと思うのだが、その揺動により発するエネルギーから利益を得ようとする周辺プレイヤーが本質を歪めている気がしないでもない。いや、そちらの方が寧ろ資本主義の本質か。
日本におけるM&A黎明期。バブル時代の三菱地所によるロックフェラーグルー
...続きを読むプ買収やソニーによるコロンビアピクチャーズ買収の話から始まるのは有り難い。そして、バブル崩壊後日本企業の株価が低迷すると、安値で上場株を購入しようとするアクティビストファンドが登場してくる。現金を過剰に保有しながら新規投資や配当を行わなかったり、多くの遊休不動産を持っていたりするような企業に対しアクティビストファンドが改善を強力に要請するようになる。株主資本主義が台頭し、事業を切り売り、買収してでも企業価値を求めよという時代が到来する。そこで、だ。
事業売買におけるアドバイザー会社の選び方や関わり方、デューディリジェンス、情報開示の進め方やLOIの記載項目などの実務や買い手、売り手の論理考察。勉強になる実用書だった。
7割の企業がM&Aで何らかの問題を抱えている。
撤退や減損を余儀なくされる。成功率が低い理由は何か。サラリーマンにおけるM&A実務や判断の難しさ、アドバイザーやブローカーとの情報非対称性のジレンマなどが生々しく語られる。
三十万社以上の中小企業の経営者が70歳になるにもかかわらず、60%の企業で後継者が見つかっていない状態について。自社内投資よりも、今後、買収劇が活発化しそうである。