あらすじ
「ボク、豆柴太。ボクは東北の港町で、お弁当屋を営む柴ばあと、二人で暮らしてる。この町では、たくさんのひとが、何かを背負って生きているんだ……。大地が揺れて、大きな波がやってきたあの日、ボクと柴ばあは出会った……」
死者1万5899人、行方不明者2529人、国内最大級の被害をもたらした東日本大震災までもうすぐ10年。悲しみを背負いながら、ゆっくり確実に日々を生きる人々を、豆柴犬の目線から、暖かく切なく描きます。
自分を人間で、柴ばあの孫だと思っている豆柴太。娘と孫を津波で失い、たった一人遺骨を探している柴ばあ。人々を助けられなかった消防士。小学生のころ、自分のせいで、同級生を死なせてしまった女子高生。
みんながそれぞれこの港町で、一生懸命、毎日を生きています。
この港町は、あの日のすべての港町です。
「あたたかさに涙する」とネットで超話題。ストーリーと4pと4コマで構成される新しい形の単行本。
社会が大きく変わっている今だからこそ胸にせまる
「日常は永遠じゃない……今だからこそ読むべき再生の物語」。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
東日本大震災が起きたとき
わたしは小学生でした。
余震が続き下校し
テレビを付けた瞬間血の気が引きました。
日本列島の図が真っ赤に染まり
泥水に街が包まれていきました。
この地震で人生が変わってしまうお話で、つらい思いをして亡くなっていくのがリアルでした。
前進していくお話
内容知らずに読み始めました。豆柴目線で人々が悲しい気持ちと向き合いながら前を向いて進んでいくお話です。悲しいけど、なんか清々しく、優しい気持ちになれました。
柴は頬とケツが良い
豆しばだけあってちんまい。
柴ばあの出してくる食べ物は旨そう。
焼いたネギだけでも旨そう。
ほんわかした流れなのに、震災ぶっこんでくるから注意。
柴犬可愛いだけの漫画じゃない
実は一度途中まで読みかけたのですが、ちょっとしんどくなって読むのをやめました。震災で傷ついた人たちや町が重いかなと思って。
でも今回、改めて一巻を全部読んでみて、初めのしんどさは一切ありませんでした。
大切なものを失っても、自分は生きてる。
朝が来たら、起きて、仕事や家事をする。生活をする。何のために?
自分だったら、1人でその傷を心に抱えながら生きていけるかな。
実際に、そういう方々はたくさんおられて、
どうしようもない葛藤と一緒に生きておられる。
お婆さん、毎日お弁当作ってる。
そしてものすごく美味しそう!
豆柴太もめちゃめちゃ可愛い。
抱きしめたい。
震災から9年後の話だけど、そんな日常が少しづつ少しづつ痛みを和らげていってるのに、泣けて泣けて。
柴犬可愛いだけの漫画じゃない。
もがきながらも、前に進もうとしている姿には勇気づけられる。
Posted by ブクログ
震災があった年、私は中学2年の3月だった。毎日、テレビのニュースで報道され、「大変なことになったな」という感覚だった。現実に起こったことではないような感覚があった。同級生は「修学旅行先が変更になった」とか「しばらく東京に遊びに行けないな」とかいう話をしていたのを覚えている。
震災が起こってから半年、今度は私の住む地域で大雨による大災害がおこった。
自宅が流され、学校が浸水し、避難生活を送ることになった私たちは、ようやくあの頃の東日本大震災がどれほどまで大きなことだったのかに本当の意味で気づいた瞬間だった。
今振り返ってみれば、毎日何をして過ごしていたのか分からないくらいあっという間に過ぎていった。
ただ、当たり前のように使っていた電気や水道、寝るところさえも、どれほど大切なライフラインだったのか気づかされた毎日だった。孤立集落が解消されてから、久々に見た街の明かりはとても眩しく感じた。
カワイイだけだと思ってました
カワイイ豆柴に癒されよう、と思っていたら泣けるマンガじゃねえか...ヒドイよ...。
でも良いマンガです。これは本音です。
人側の主人公である「柴ばあちゃん」にかなりしっかりとしたキャラ付けがされているし、一話毎に出るキャラにもちゃんとストーリーがあって話に深みが出ています。
震災の話も出てくるので人によっては色々と考えてしまう方もいらっしゃるとは思いますので、そこは人を選ぶ作品なのかなと。
ただ、登場するキャラの「これから」が気になる作りなので、どのような未来があるのかが気になりますし、あまり難しいことを言わないならカワイイ豆柴ちゃんを愛でるだけでも良いのではないかな。
ほのぼのとした動物モノかと思って読み始めましたが、わりと重い話で序盤から涙無しでは読めませんでした(ほのぼのとはしていますが)。震災で1人と1匹になってしまった柴ばあと豆柴太の物語。彼らもその周りの人々も大切な人を亡くして今を生きている人々。色々と考えさせられました。
Posted by ブクログ
犬を飼ってる身からしたら豆柴太の人間のような行動は「ん?」だけど、震災で大切な人を亡くし、それでも生きていかなくてはならない人がたくさんいた事、10年以上経っても 傷は癒えないし、何度も哀しみと苦しみがぶり返すだろう。震災絡みの本は、何度も読み返し、忘れてはいけない、そう思う。