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Posted by ブクログ
鈴木董氏の著作は今年2冊目で、前回も思ったが、僕は彼の文章がとても好きだ。美しい言葉選びに、知性あふれる論の展開。そして細かなエピソードが面白い。今回も多くの学びと新たな気付きを頂いた。
フランス料理、中華料理と並び、世界三大料理に数えられるトルコ料理。日本では今ひとつ馴染みがないが、紐解いてみれば世界でも有数の食の交点であることが分かる。
歴史上最も重要な都市のひとつにイスタンブルは挙げられる。それは簡単にいえば東西の洋の繋ぎ目であり、古代ペルシア帝国、古代ギリシア、ローマ・ビザンツ帝国、そしてオスマン帝国という名だたる文化の興隆を経験した土地だからである。
気候風土を取ってみても、トルコという土地は非常に豊かである。イスタンブルをはじめとした沿岸部の地中海性気候に始まり、内陸の大半は乾燥したステップ気候、北部の黒海沿岸は温暖湿潤気候など、さまざまの食材が育まれる礎があるのだ。
そしてオスマントルコを築いたトルコ民族はもとより中央アジアの遊牧民だ。遊牧民にとって馳走となる肉料理もさることながら、常食となる乳製品はトルコ料理の要ともいえる。
エキゾチックな香りが漂いながらも、教科書でしか見ていなかった土地と民族にいくらか親近感を抱くことの出来る一冊。
Posted by ブクログ
今まで3つの帝国の首都であった歴史を持つイスタンブールは、アジアとヨーロッパの狭間にある上、シルクロードや地中海など各種交通の主要地点でもあった。だからこそ各地から食品が集まり、その文化が隆盛していった。その過程を歴史とともに振り返り、我々日本人にも馴染み深いケバブやヨーグルトなど料理ごとにも詳しく情報をまとめていた。すぐにイスタンブールに行きたくなる1冊。