あらすじ
矢端竜一は魑魅魍魎が蠢く裏社会の支配を目論んだ。手始めに株の業界紙を発行する新聞社に潜り込み、その乗っ取りに成功する。億を超える金に群がるクズ共を冷徹に操る竜一は、大物ヤクザ・曽根村の信頼を勝ち取るべく、殺人にまで手を染める。野心の塊のような竜一の疾走。それは、双子の弟・竜二と交わしたある約束を果たすためだった……。
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Posted by ブクログ
不遇な子ども時代を送った双子が大物実業家に復讐するため、兄竜一は官僚になり表の世界から、弟竜二は裏の世界から攻めてゆくという話。
いつものようにハードボイルドだけど、今回は殺される人の数がいつもより多い。
けれど、殺されるやつはなかなかの狸ばかりなので、自然と竜二に肩入れして読み進んでしまう。
現在だったら、解明されるかもしれない事件も、DNA鑑定とか精密でないし、監視カメラもあちこちについているわけで時代なのですぐに迷宮入りだしね。
ことがとんとん拍子に進みすぎるところは白川道の作品では良くあることだが、この疾走感が私は好き。
時代もきっと好きなんだろうな。バブル前の昭和の終わりごろなので時代にも疾走感があるよね。
長いけどすらすら読める。
3部作になるらしいけどま飛翔編しかでてないので続きが早く読みたい。
ただ、読み終わった後は自分自身もハードボイルドになる。