あらすじ
目のつけどころがいい人は世界をどう観ているか? データ予測、意思決定、創造的思考……あらゆる知的生産の土台となる「見えないもの」を観る力――。メトロポリタン美術館、ボストン美術館で活躍し、イェール・ハーバード大で学んだ著者が明かす、全米100校で採用された知覚力トレーニング
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Posted by ブクログ
OODAに代表されるように、知覚のためには観察することが大切。
自分が知っていること×知覚して分かったことが自分が見えている世界。企業はその人がどの世界まで見えているかを測るし、我々は世界を広げていくしかない。
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データは結局その解釈に主観が入り込むので、主観からは切り離せない。私達は「純粋によく見る」という行為をしていない。現代人の眼は「マルチタスクに心を奪われてそもそも見ていない」「何かを探して、期待して見ている」「なんとなくぼーっと見ている」
ビジュアルシンキング、言葉を介在せずに視覚のメンタルイメージで考える。
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「知的生産」は知覚→思考→実行という、3つのステージを経て生産される。
残念ながら、知覚は思考と違い、無意識的に判断するためコントロールすることができない。
では、知覚力そのものを磨くにはどうすればいいか。
それが、絵画鑑賞である。
「絵画を観察するように世界を見る」
知覚と絵画に関しては密接な関係があり、この本では、「絵の観察をすることで知覚力を磨くことができる」と述べられている。
この本では、ルノアールやカラヴァッジョの絵を用いて、「観察すること」の重要性、どこを見るべきかがわかりやすくまとめられている。
また、それに関連して、企業の事例を紹介している点が、非常に実学的であると感じ、また、絵画鑑賞の技術網羅的に説明するというよりも、どう日常で使っていくべきか、に重きを置いているように思える。
絵の見方に関する本は何冊か読みましたが、実際の仕事に活かすのであれば、読む価値は非常にあると思います。また、こちらの本は、他の本よりも非常に読みやすく感じました。
もっと知りたいと思われた方へー
もし、鑑賞する技術という面を深掘りしたいのであれば、『絵を見る技術』や『国立西洋美術館 名画の見かた』 をお勧めします。
鑑賞を通じて、日常で観察力を発揮するためにはどうするべきかは、『観察力を磨く 名画読解』を読むことで、本書とは違う視点から、知覚力・観察力を磨くことができるかと思います。
ご参考までに。
Posted by ブクログ
13歳のアート思考と少し似ているが、さらに実務的。本書では「引き寄せ」という言葉はでてこないが、いわゆる引き寄せというスピリチュアル…いや、量子力学というのは、この目ヂカラを磨くことなのかなと合点した。
そうは言っても情報あふれかえる景色の中で、目が省エネしようとできるだけみないようにしているのもわかる。現代人は昔の人より目の前をみていないのだろう…スマホをみるのは、情報過多な視覚から省エネしたいからなのかもしれない。
Posted by ブクログ
・LEGOブロックのユーザーの85%が男児なのは、レゴ社がまだ「ブロックで遊ぶ女児顧客を獲得する方法」を見つけ出せていないからだ、という既存の解釈とは異なる解釈をした
・人間の知的生産プロセスの3つのステージ
1)知覚—人や資料などからの情報を選択し、解釈し、問題設定をする
2)思考—問題解決や意思決定といった一定のタスクを目的として、必要に応じて推論・分析的・論理的・クリティカル・クリエイティブ思考などを稼働させながら考える
3)実行—アイディアを組織化し、コミュニケーションやパフォーマンスを行う
・思考のための脳の活動は、じっくり考え直したり、思考法を学んだりすることで、本人がある程度コントロールできます。しかし、インプットされた情報を既存の知識と統合し、意味を付与する知覚プロセスの方は、半自動的に進むので、それ自体は本人に制御できません
・観察は「視覚以外の感覚」も含めた意味合いがある。観察についても「視覚が捉えたありのままの事実をよく観ること」と定義しておく
・私たちの眼は「検索モード」にとらわれ、「純粋によく観る」という行為をしていない。現代人の眼は「マルチタスクに心を奪われてそもそも見ていない」「何かを探して/期待して見ている」「何となくぼーっと見ている」という三つのモードに支配されており、何の先入観も持たず、眼の前の事物・事象をありのままに理解する「観察」がはいる余地がありません
・人間の「見る」はほとんどが脳のクリエーションである
・一歩下がって作品全体を眺めながら、その細部を全体との関係性の中で見ることで、「像」にとらわれることなく、全体の「図」を捉える味方をトレーニングする。ザッポスも一定期間ごとに詳細な「全体図(ビジネスパートナー・市場状況・新規プロジェクト・予算・キャッシュフローなど)」を作り直し、それを社員たちとシェアすることで、社員たちが自分の役割をより幅広く解釈していくのに役立てていた
・絵画を観る時の3つのポイント
1)十分な観察時間
2)多くの解釈を生む眼のつけどころ
3)知覚をゆがめる要素の排除
・見えて当たり前、という過信を捨て、「しっかり観るためには時間と工夫が必要」という意識へ切り替えることが、知覚力アップには欠かせない
・観察とはとにかくつぶさに物事を見ることではありません。多様な解釈を引き出せるような眼のつけどころを観ることこそが、観察の神髄なのです
・イノベーションはカテゴリで思考する傾向を壊すことだ。既存のカテゴリー内だけで思考すれば、要素を新しい方法で組み合わせる人間の能力が阻まれ、知識の創造は遅滞する
・i-mode : 今売れているけどこのままではいけない。音声通話はいつか必ず飽和する。だからデータ通信需要掘り起こしのためのプロジェクトとして携帯電話のモバイルマルチメディア通信をやってみるひつようがあるのだ、と日本におけるデータ通信の将来像をぼんやりと周縁部に見いだしていたのです
・ピカソの牡牛:最初はリアルに描かれていた牡牛が、次第に抽象化されていき、最後にはたった12ストロークの輪郭線で表現されている。「自分のメッセージを非常に簡潔に伝えることができるまで、繰り返し修正をへなければならない。それはアップルというブランドと私たちの活動すべてに一貫したアプローチであり哲学である
・OODAループもデザイン思考も観察からスタートしている
OODA loop : Observe(観察) > Orient(適応) > Decide(意思決定) > Act(行動)
デザイン思考:共感(Empathize)→問題定義(Define)→創造(Ideate)→プロトタイプ→テスト
・アクティブ・オブザベーション:「なぜそのような解釈に至ったのか」「他の選択肢はないか」を同時に自問する
・どの知覚に宝が眠っているかわからない。誰もが気軽に観察を行い、そこから得た解釈を表現できるようなシステムや組織文化をつくることも、観察をイノベーションにつなげる要件といえるでしょう
・トヨタ生産方式は、観察から出発した思考法として体系化され、5回のなぜにより、「その解釈に至った経緯」「他の解釈の可能性」を自問するしくみになっている
・人文科学とは、明確な答えがない問いに対して、自分なりの答えを提案していく学問。企業が求めているのは、人文科学の知識そのものではなく、それに向き合うことで磨かれる諸能力
・人間は、山々の高さ、海の巨大な波、川の広々した流れ、海洋の広さ、星の軌道には進みよって感嘆するが、人間自身に感嘆することは忘れている(アウグスティヌス)
Posted by ブクログ
思考を鍛える本は多いが、思考に先立つ「知覚」を研ぎ澄ませることを勧める本は貴重。
絵画を見るように世界を見ているか。
変化の激しいないものをみる 心眼(マインドアイ)を鍛える。
知覚とは情報を既存の知識と統合すること。
インプットは同じでも既存知が異なるので知覚はユニークなものとなる。
その既存知も過去の知覚と結びついた何か。
情報✖️既存知=知覚
知覚→記憶→既存知
Posted by ブクログ
読む前は、知覚力の定義も、曖昧でわからない中、「知覚力とは何か?」「知覚力を何故磨く必要があるのか?」「具体的に、どうやって磨くのか」という問いに全て答えてくれた良書でした。
月に一回は、15分一枚の絵をじっくり観察していきたいと思います。
Posted by ブクログ
「知覚→思考→実行」のプロセスは実に腹落ちする。本書が提唱する絵を観察するトレーニングは正解のないこの世の中において、非常に有効なメソッドだと感じた。
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美術館に行きたくなりました。
大学時代に美術史の授業を受けたり、もともと絵に対して興味がありました。絵が描かれた背景や、歴史や文化との繋がりを理解する事が好きでしたが、それはまさに「知覚力」を磨くことに繋がっていたのだということが分かりました。
趣味程度に考えていましたが、VUCAの時代には重要なスキルだということが分かり、絵を観察するトレーニングを積極的にやってみようかと思います。
Posted by ブクログ
スマホでいつでもSNSで検索できて便利なようになったがそのおかげで、知らず知らずに、ものを観る力が落ちてしまっていた。
その観る力をつけるには絵画をおすすめ
とはいえ、美術館に行っても一枚の絵を見る時間はたった15秒
そんな短時間では絵を鑑賞できない
1枚の絵を鑑賞にするには15分ぐらいの時間が必要
そして、見るとは単につぶさに見るだけではない
シャーロックホームズのように多様な解釈ができるポイントに目をつけ、観察すること
そしていろいろなバイアスを排除して、観ること
その訓練には絵画は最適
Posted by ブクログ
オーディオブックで拝聴。これは”読む”方がいい。
絵画も観たいし、街中のものを観察しながら散歩するのもいいかもしれない。
人とあーでもないこーでもないと考えを語り合うのもいい。
観察するなどして増えた知識、それらがふとした拍子に繋がり合って新しい発想に生まれ変わる。「発明とは既存の知識の新しい組み合わせ」という言葉からもそれがわかる。
こういうことができるのが”マスターマインドグループ”なのかな。心理的安全性の中でアウトプットしあえて、お互い学びがあるグループ…。あ、このへんは本書の内容とは直接の関係はありません。思考のメモとして。
Posted by ブクログ
2022.06.25 本当にわかりやすく、読みやすい本であった。とても勉強になった。知覚の大切さを改めて認識すると同時にこれからもしっかり絵画等を観察していこうと思うきっかけになった。
Posted by ブクログ
VUCAの時代における素養、基礎力向上に絵画鑑賞を薦める内容。
学生時代に、芸術学なる授業をとり、解説を読まずに絵画鑑賞をするというのはやっていたが、一枚の絵を15分鑑賞せよ、というのは驚いた。
若干、眉唾感を覚える部分もあるが、哲学や道徳的な主張がビジネスシーンで聞こえる機会も増え、外れたことではないのかなと、漠然と感じた。
久しぶりに美術館に行き、これまでより少し長く、一枚一枚に向き合ってみたいと思った(誰かと一緒にやるのは難しいので、一人でいかないと…)
Posted by ブクログ
一枚の絵画をみてからの
予測の立て方が見事だった。
美術をやっている者として
見ている気になっていたけど、
ちゃんとした意味で見れてなかったかもしれない。
具体的にビジネスでの
活かし方、例などもあって
参考になった。実践的ではないが…
美術をやってない人から見ても
これってしっくりくるのだろうか?
単純に気になる…
主張したい事はわかったけど、
何回も繰り返しされたので少しくどかった。
けれども作者が美術を
愛してることは伝わってきた。
Posted by ブクログ
絵画を観察することによる、知覚力の向上について書かれており、新しい世界を少し見れたようで嬉しくなった。
絵画を見るように世界を見ることで、同じ時間でも人生が豊かになるだろう。
本書内では、それだけでなく、ビジネスとの繋がり(優秀なビジネスマンがアートを収集している等)が特に終盤に書かれている。
妙に説得力がありそうなのかと思うのだが、読み終わって考えてみるとあんまり関係もないようにも思える。
世界を観察することで人生を豊かにするという観点で無理にビジネスに繋げなけても良かったのではないか。
ビジネスという目的にとらわれると見えないものがある。
Posted by ブクログ
知覚力を鍛えるために、観察力を養わなければならない。
そのために有効なのが、絵画鑑賞であると。
世界の様々な企業や大学で取り入れられている理由や効果が、とても分かりやすく解説されている。
Posted by ブクログ
企業は「人材発掘」には時間と費用をかけ、より優れた人材をかき集めているのは世界の流れであり特に最先端企業にとっては必死である。その人材とは「知覚能力」であり「リベラルアーツ」であると言う。知覚とは「観察能力」であり、それを磨くには「絵画」を観察、絵画から思考・実行能力を磨くとある。
知識と情報+五感的感覚はこれからの人材には欠かせないものとなる。それはAIにできそうにないこと「感覚・知覚」を持ち合わせるのは人間だからだ。
Posted by ブクログ
良く観て認識したものでも、実は見えていないものが沢山あることを、本書を通して確認することができた。
今まで絵画には興味はなかったが、色々な視点から観察することで、新しい発見ができて面白いと思った。
Posted by ブクログ
すごく斬新な見方をもたらしてくれる本でした。
思考する前に「知覚」があるなんて考えたこともなかった。
知覚とは気付く力で、人が見逃している要素をくまなく発見し観察することができる能力だということだと捉えました。
「見る」「考える」ことと、「知覚する」「観察する」の違いが途中まであまりしっくり来なかったんですが、ホームズの例を出してくれたおかげで一気に腑に落ちました。(笑)
たしかにホームズは相棒のジョンが気付かない点を全て知覚し、そこから知覚した情報に基づき対象を観察しています。
そんな能力を少しでも身につけることができれば世界に対する認識は大きく異なるんだと思います。
絵画トレーニングを実践し、知覚力を磨いていきたい。
Posted by ブクログ
絵画の見方を変えるだけで「知覚」が向上する。
このような内容が、様々な具体事例とともに紹介されている。
実際に「知覚」の力を向上している人たちの例も
書いてあるので、説得力がある。
難しい内容であるが、賢くなった気持ちになった。
Posted by ブクログ
「知覚とは、自分を取り巻く世界の情報を、既存の知識と統合しながら解釈すること」
「新しいものは「誰かの主観」から生まれる」
データの世界、AIの時代に本当に必要な力って何だ?と思うのだが、上記の"解釈""主観"はキーワードだなと思う。
人間の知的生産プロセスは「知覚・思考・実行」という3つのステージから成る。思考の重要性はよく言われていることなので、いつもその力の付け方には注目する。しかし、本書では、思考以前の知覚力こそが優秀な人材が持つ特徴だという。近年、デザイン、アート、哲学、リベラルアーツの重要性が説かれる理由は本書を読めば、理解できる。物事の見方、見えている世界が違う、と優秀な人を見るとそんな感覚があると思うが、まさにそれが知覚力の違い。優秀な人は、目の前の状況や世界を徹底的に観察する。絵画を観察するように世界を見ている。私も本書にあるその絵画を観察するように世界を見る技法を身につけて、「目のつけどころ」が極まっていけばと思う。
Posted by ブクログ
15分かけて絵を見て誰かと語り合うのは楽しそう
詰め込めるだけの周辺情報(成功者には知覚量がある(傾向がある)とか、どの会社が知覚量によってどのような成功を収めたかとか)が入っていて、ただアートの楽しみ方を知るだけではなかったのが、良くもあり悪くもある
Posted by ブクログ
「見る」と「観る」のちがいを教えてくれる本です。確かに大事なのだろうけど、本当にマインドアイはあるのだろうか…伸びるのだろうか…とちょっと気になってしまう本でもありました。もう一回読んでみます。
Posted by ブクログ
先行きの見えない時代こそ思考力より知覚力にフォーカスして磨くべきという本。IT的な文脈ではおおよそ思考力はCPU、知覚力はGPUなのかなと思った。レオナルド・ダ・ヴィンチが様々な分野を横断する時代を超えたリベラルアーツの知識人となり得たのは、好奇心に基づく人並外れた観察力(知覚力)を持っていたから。並外れた知覚力があったからこそ、複数分野の知識の有機的な組み合わせによる発見に繋がった。それが無ければクイズ王的ポジションに終始していたのかも。知覚力は絵画の観察力とも相関している。ノーベル賞受賞者は絵画好きの人が多い。そこに因果を見出して多くの事例により論説を展開。
Posted by ブクログ
目で観察するのではなく、脳で観察する。そうするともの事の本質、つまり目に見えない物も見えてくる。
ただ見るだけじゃなくて脳で見る。忙しい現代人には難しい。
でも見えない部分まで見ようとすること『大切な事は目に見えないんだよ』とよく言うが、なんとなくじゃなく見ようとする事は大切だと思った。
PDFに図や絵が沢山あった。
オーディブルで聴くには少し難しい部分もあり、後から絵を見てみたりした。
深いところまで理解出来なかったけど『リベラルアーツ』に興味を持った。
Posted by ブクログ
十分に見ているつもりでも、知っているものだけ・見たいものだけ見ているというのは感覚的によく分かる。この手の本は大体そうだけど、必要性や効果は雄弁に語りつつ、どうすれば身につくかという記載は薄い。
Posted by ブクログ
非常に面白い内容なのですが,残念ながら,それだけ知覚力を磨かせようとするのだったら「この領域の権威」とか「世界的な権威」とかお飾り表現は使ってはいけないと思います。
あと,「意味を付与するプロセスは直接コントロールできない」とのことで「ドレスの色」についてはそうかもしれないけど,結局は,自然と浮かぶ解釈をそのまま結果とせず,それはバイアスかもしれないのだから他の解釈の余地を作れ!ということだと思います。知覚対象は一義的ではないということです。ナゾトキの問題というのは,要するに,問題に対する自分の見方をアレンジして整合性のある見えを実現するというタスクだと思われます。
さらに,p.110で「画像の変化を正確にとらえられる人ほど,より鮮やかなメンタルイメージが観える」ことは先行研究で立証されているのは事実と言えますが,これは相関研究なので,「観察眼を鋭くすれば,『アイディアを観る眼』も磨かれる」ことが科学的に分かったことを意味しません。可能性を否定するものではありませんが,相関を因果とする誤りです。
ちょっと科学的な知覚力が足りないかなと…。