【感想・ネタバレ】東大卒、農家の右腕になる。―――小さな経営改善ノウハウ100のレビュー

あらすじ

小さな農家のための「経営カイゼン」の教科書です。
農業をテーマにした経営読み物×経営実務書。

2部構成になっています。

①東大→デュポン→メルカリを経た全くの「他所者」の著者が、栃木県の小さな梨農家「阿部梨園」を再生させた過程の読み物

②農家が経営改善するためのスキルを500こ公開したwebサイト「阿部梨園の知恵袋」から、全ての農家に共通していて、即効性と実用性の高い100を抜き出した実務書

①で実例を追体験し、②で合理的な視点や判断基準が得られる、農家のための経営ドリルです。

「本書を通して得られる合理的思考こそが、これからの農業者に最も求められること」だと著者は言います。全ての農業者の羅針盤、バイブルにします。

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Posted by ブクログ

著者は「力仕事」ではなく、頭を使って農業を向上させようと、100個の改善、改革を進めました。
どの分野にも当てはまる「無駄の排除」はとても参考になりました。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

東大卒の筆者が、大手メーカーに勤め、やりがいのある仕事をしながら、順調に夢に向かって進んでいた中、プレッシャーからうつ状態となり会社を辞め、行き着いた職場が本書の舞台である宇都宮市にある梨園。

初めて農家というもので働くことになった筆者は、現場で様々な課題を見つけ、改善の余地が大いにあることに気づく。

小さな改善を目標数を決めて次々に実践すると、梨園の従業員等の雰囲気も良くなって行った。

効果を出した改善ノウハウは、同様に日本の他の多くの家族農業でも活用できると見込み、クラウドファンディングで資金を集め、インターネット上に無料公開し話題となった。

本書は、梨園が経営改善を果たすまでのプロセスと、クラウドファンディングにより公開されたノウハウを書籍化している。

小さな経営改善だからこそ、すぐに結果につながる。
小さな改善からまず始めてみることが、改善への意欲を高め、大きな改善へと繋げるために大切だと感じた。
農家、農業指導員のほか、他業種のスタートアップ等の経営者にも役立つ本だと思う。

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2023年09月01日

Posted by ブクログ

個人農家という、いわゆるアナログな世界でコツコツと小さな改善を積み重ねることで成果につなげた実体験をもとにした本。
まさに右腕的なことをしたいと考えていた自分にとってモチベーションにもなった。
できることから整理、定量化、小さな効率化、改善が肝

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2023年07月18日

Posted by ブクログ

農家になるのではありません。「農家の右腕」
になるのです。

個人経営の農家に勤めながら、生産には手を
出さず、非生産部門の専任スタッフとして働く
ことを意味します。

これは、普通の会社では存在する人事、総務、
経理などの部門です。

この部分が農家は弱いらしいです。この本で
も触れられていますが、設備投資のために何
千万円と農協から借り入れする一方で、従業
員の給与明細も無い、直販しているのに現金
の出納帳もない、というところが多いそうで
す。

それらを「変えてくれる」ことを期待して受
け入れたこの農園も素晴らしいです。

農家は皆貧乏であり、国が助けてやらなけれ
ばいけない存在というのは、錯覚に過ぎない
と著者は主張します。

「変わる」ことで大いなる可能性を秘めた産
業であることに気づかされる一冊です。

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2022年01月12日

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家業から事業へ。
仕事で鬱になった後に出会った阿部梨園でのインターンシップ。農業、家族経営がもつ課題を、著者を含めて、阿部梨園全体で改善する過程を追っている。書籍後半は、実際行って効果があった100の経営改善のノウハウを公開。

苦労・挫折・成功体験がつまった書籍前半は、昔読んだ『ザ・ゴール』を彷彿とするような世界だった。泥臭いことも乗り越えての文章だということが、伝わってくる。
後半のノウハウ集は、農業分野だけでなく、自営業全般にも活用できそう。小さな内容もあるが、続けてきたこと、解決策の網羅性がすごい。
ただ、根本として、阿部梨園自体が商品へのこだわりを強く持っていたからこそ、成功したのだと思う。

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2021年09月03日

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家業的な農家を経営改善するためにノウハウを集めた本

栽培方法、販売方法など特化した本はあるが、農家の経営に特化していて面白い

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2021年06月15日

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農業だけでなく、すべての会社で実践できる業務改善の実践事例が満載!いまも会社の本棚に置いてアイデアを拝借しています。

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2021年05月12日

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2部構成で書かれており、1部は筆者の生い立ちから現在までの話となっている。筆者は読まなくて2部からの改善の実践、本著の肝となる部分だけ読むのでもいいと言っている。そう言ってはいるが、1部を読むことを薦める。筆者の生き方、選択した道を読むだけでも得るものは大きいと思う内容であった。特に、どん底にある中でも何かの役に立つことごあるだろうと、英語のスキル等を高めたりする筆者の努力が結果に結びついてるのだと感じた。
2部だけでも、得る内容はあるが1部をやはり薦める。

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2021年02月21日

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株式会社を作るにあたって必要な事柄を把握したいと思い再読。

前半は東大卒業後、就職したのちに29歳のときにインターンに行った阿部梨園で農家の右腕として働くことになった経緯が書かれた読み物、後半は実在する梨農園で経営改善するために行った取り組みが詳細に書かれている。

以前個人事業主として事業をされている方にもオススメしたことがあるが、会社を円滑に運営するために何が必要なのかが簡潔にまとめられており、農家だけではなく、多種多様な業種に応用できるノウハウが詰まった良書。

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2021年01月08日

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脱力しながらパフォーマンスを最大化する「9つの仕事術」が非常に参考になった。ガチガチになってはうまくいくものもうまくいかない。冷静に落ち着いて取り組むべし。

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2021年01月03日

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1.3年ほど前に、東大卒の人が近所にトマトハウスを建てたということを聞いたことがあります。世間でいう高学歴の人たちがなぜ農業に参入してくるのか、気になりました。そして、その人たちがどのように今の現場を思っているのかを知りたくて購入しました。

2.東大農学部を卒業した著者が一般企業を経て農家に就職することになるのですが、現場で畑での生産技術について改善していくのではなく、経営の面から改善していくストーリーです。前半は著者の体験記で後半は、著者が培ったノウハウ100͡コを載せています。
日本の農家は生産技術について追及するあまり、経営について考える機会が少ないです。そこを問題としてとらえ、何がどのように問題なのかについて的確に述べています。経営について考えることの重要性がしっかりと伝わってくる1冊です。

3.自分が過去に向き合っていた課題を全て打ち出してくれた1冊でした。過去に自分は、農家さんと接する仕事をしていました。そこで感じた課題は、経営についてのノウハウが曖昧のままということでした。自分自身も購入数をEXCELで情報の可視化に取り組んだことがありました。しかし、著者のように全てを数値化することができずに不完全燃焼で終わってしまったことを今でも後悔しています。
なぜ、農業ではデータ化が進まないのかを考えると3点あります。まずは、従事者の中で高齢者が多いため、パソコンなどの使い方に慣れていないことです。さらに言えば、新しく身に着ける気もないことが問題です。そもそも、田舎の高齢者は携帯ですら通話のみしか使わないうえに、スマホを持っている人ですらGoogleやLINEぐらいしか使わないという点が問題点です。次に、経営について考えることを避けていることです。「農業は天候に左右されるから」「畑作業で疲れているから」といった理由で記録をつけることを忘れがちです。それが習慣化し今に至っています。最後に、そもそも知識がないことです。青色申告で所得について触れる機会を持つだけで、日常生活を見ていると、弁護士とのやり取りや飲み会で話すときぐらいしか経営について考える機会がないことが課題となっています。つまり、課題を見つけてもその場限りですべてを実行できていないことです。
こう考えると、人を雇えばいい、教育すればいいという結論に至るのですが、人を雇うのはコストがかかりすぎる。教育には時間がかかるし、経営は直接的な利益を生みづらい面もあり、農家の方は毛嫌いする傾向にあります。とりあえず今できることは、農家の方にこの本を進めることだと思いました。後半のノウハウ部分はすぐに実行できることばかりです。きっと農家の方にも響くと思います。

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2020年10月18日

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農業経営の改善活動の方法論かと思ったらとんでもない。
目の前の困難といかに向き合ったか、生き様を惜しみなく言語化してくれている。
言葉の選び方、例え方、あとがきにも著者の人となりが滲み出ていて魅力された。


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2020年09月06日

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経営の勉強の参考に読みました。

著者は、東大→デュポンと華々しい経歴をお持ちでさぞすごい方と思いきやかなり苦労を経験されてきます。
 その苦労を経て梨農園のマネージャーとなり、そのときの改善ノウハウをまとめられています。

民間企業では、当たり前と思っていることが個人農家では、通じないとは気づきませんでした。
これは、農家だけではなく一次産業の漁業、林業なども当てはまるので??と思いました。
この素晴らしい活動がもっと広がってほしいです。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

東大卒、外資系研究職、鬱病を経て栃木の梨農家の右腕となった筆者の奮闘と経営改善のノウハウを惜しげなく披露してくれる良質なビジネス書。
現場に出ない中小企業間接部門である自分の立場から非常に参考にもなり腹落ちする。様々なアイデアはすぐに活用できるものもたくさんありとても助かる。が、多くは地味な作業の積み重ねである。情熱と意欲、そして継続は力なりと。

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2025年07月28日

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ネタバレ

〇読む目的
・農家=家族経営、家族の犠牲と暗黙知によって成立しているイメージがあるが、筆者はそこにどう切り込んでどう変えていったのかを知る。
・その家のやり方や価値観、凝り固まったビリーフをどうやってより企業体としての価値観に変えていったのか。
・具体的な改善事例を知り、自社で取り入れられるものがあるか。

〇感想
多少勉強ができたり、ヘンなプライドがあったりと精神構造として筆者に近いものを感じた。
心を病み、近い距離間の家族経営の農業、自然、筆者のスキルが生かされる状況が重なって平穏を取り戻し、やる気が回復されたのかなと思う。

・利益配分をしっかり行う
・福利厚生の制度を(徐々にでいいので)整える
・現場を知る
・広く浅く知る
・目標を設定し進捗を振り返る
・数字で語る
・嫌いなものでも食べてみる

実践されたことはごくごく当たり前ではあるが、農業・農家ではこういったことよりも生産と販売に注力され、経営スキルを学ぶ時間もなく、またそういったスキルを持つ人材を採用することも非常に難しいのだろう。
作物の魅力はもちろんだが、企業体としての魅力がないと(特に農業分野では)働き手は来ない。

筆者の参謀としての考え方にはとても共感するものがある。
社長に安心して意思決定してもらえるように準備をするのが一番だと思うし、労働者側の言い分や現状も理解しないといけない。
これはやはり実際に現場で手を動かしたり、一方で社長の考え方や目指すものを自分に刷り込む必要がある。
小さな改善から少しずつ成果を出すことで社内の信頼を勝ち得て、改革をより進められるようになったんだろうなと推測した。

課題解決については「どうすれば解決できるのか」ではなく、「なぜ解決しなくてはいけないのか」「解決するとどんないいことがあるのか」をもって提案する。
労働者は基本的に変わりたくないのでなぜやるのか、そのメリットは何かを伝えないと納得してくれない。
課題解決より、課題解決させてもらうための裁量や理解を得るのが最大の難関であると書かれており、全くその通りだと思う。

アナログな農業に携わる人を「デジタルが苦手」などと勝手なイメージで固定していることが成長を阻害している、という提言にハッとさせられた。
人は一番大きな変数であるのに、不変の定数扱いをしていると。
そういう人にPCを使ってもらえるようにするにはどうしたらいいかと考えることが本質的な解決に近づける。
今の自分にも、自社の社員に対して固定観念や決めつけがかなりあるので反省した。

具体的な改善事例の章はこれから読むが、すぐやれそうなことはぜひマネしたい。

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2025年04月29日

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農家は無形なものに投資しなさい
小さいことに忠実に改善する
作業時間、生産量、収支

いろいろ為になることが書かれてました。
特に経営ノウハウ100は取り入れたいことが何個かありました。

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2023年02月12日

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テーマは農業ですが、全て一般ビジネスにも通じる話で、ビジネスマンにとっては総じて読む価値があると思います。
日頃なにげなく使っているビジネススキルが、どのようにして経営に活かせるかを改めて気づかされました。

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2021年07月22日

Posted by ブクログ

情報が網羅的で農業以外のビジネスに携わる上でも参考になる。できる限り多くのことを記録に残し、それらに対処していった上での産物と思う。多くの企業に見られる、効率性を重視した「生産」や「販売」という縦割り組織作りへの疑問も湧いてくる。

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2021年01月22日

Posted by ブクログ

矛盾する立場を往復するって確かにすごく大事だなって思った。
生産者と販売者と消費者とか、マクロとミクロとか。色々な視点が大事。

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2024年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルからはコンサルタントが農業に乗り込んでいくないようかと思ったがそうではない。知人の梨園(こう書くと歌舞伎業界のようだが)で何年か経営を手伝ってみた、という内容。「東大卒」っていらないんじゃないだろうか。。。

前半は抽象的・観念的な内容が多く刺さりにくい。
第二部のノウハウ100というところだけ読めばよいかも。この内容も至極当然のことばかりで、農業分野ではこの程度のことすらやられていないのか、と思うことも多いが組織論の基本を網羅しているので自分の組織を見直すきっかけにはなると思う。

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2022年06月01日

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著者が、なし農家に雇用されてから農家のオーナーとともに経営改善をしていった実体験談。個人農家の実態や課題がよく把握できる。

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2020年12月29日

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ネタバレ

前半では著者が外資系企業を辞め、梨園に入り経営改善を進めていく経緯と周囲の人との関係性が描かれ、後半は改善ノウハウ100が羅列されているという構成。

正直後半のノウハウに目新しいものはない。結局この阿部梨園での学びをどう外部に公開するかをまとめきったことが著者の最大の功績。本文ではさらっとしか書かれていないが、梨園の経営者がなぜ最終的に著者との契約を延長しなかったのか、本当のところが気になる。著者の(良くも悪くも)打算的?計画的?な態度がにじみ出ているところもあり、余計に。

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2020年10月26日

Posted by ブクログ

著者は東大を卒業後、化学メーカーに就職するも心のバランスを崩し退職、スタートアップを経てたどり着いた梨農園へ就職する。農園で唯一、畑作業を行わない社員として様々な農家の経営改善を実践し、自身の天職を見つけた著者がその道のりや農家における地道な経営改善ノウハウをまとめたのが本書である。

経営改善ノウハウはどれもすぐにでも始められるものが多く、実際に彼らがやって効果が出たものが選ばれている。農家の実態を知らない自分としては、この解像度の高さが非常に面白いし、かつ農家でなくてもスモールビジネスであれば共通する要素は多数ありそう。著者自身が実際にこれらのノウハウを試行錯誤しているエピソードも面白かった。

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2020年10月10日

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