あらすじ
誰もが認める圧倒的な絵の才能を持つ少女・瀧本灯子。卓越した技術で、人間業とは思えない緻密な絵を描く少年・南條遙都。二人は幼くして出会い、互いの才能を認め、共に創作へ打ち込んできた。美大へ進んだ二人に気鋭の画家として評価が高まっていた矢先、二人のいるアトリエを土砂崩れが襲う。なんとか命は取り留めた二人だったが、画家としてあまりに酷な運命が待ち受けていた。若き天才画家を取り巻く絶望と愛の物語。
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Posted by ブクログ
「盤上〜」がめちゃくちゃ好みだったので、同じく綾崎さんの作品を。
電子書籍で細切れに読んでいたけど、続きが気になってしまう推進力のある文章は相変わらず。
色んな登場人物からの視点で話が進んでいく構成。
電子書籍だったため残ページ数を意識していなかったがゆえに、最後には遥都視点になるのかと思っていたのにあっさり終わってしまって、びっくり。
ラストのプレゼントの婚姻届はあまりにも唐突で驚いた。ハチクロエンドということ…?
遥都視点がないからこその奥行きなのかもしれない。
遥都が灯子に献身的だった理由が私には読み取れなかった。サブタイトルからして恋ではなかったとは分かるけど、灯子の才能に圧倒されて、灯子ごと守りたかったのかな?
灯子が絵に対して抱いていた気持ちが、遥都にとっての灯子だったのかなあ。
描かれている絵が浮かぶような描写だった。綾崎さんの文体好きだ…
Posted by ブクログ
天才と秀才。
芸術の才に恵まれた男女の「ある恋のない愛の物語」。ほんとに的を射た表現。遥都の気持ちは意味ありげに終始ぼかされていたけどある意味一番分かりやすかったかも。ツンデレか?遥都が一番めんどくさいな。
終わって見れば、なんだこんなものか、と思われるかもしれないが、とてつもなく極端で普遍的な愛の物語だったのだろう。
『君を描けば嘘になる』
このタイトルの意味だけが正直ピンとこなかった。
自分は「天才」じゃないとバレる、昔から好きだったのがバレる(=嫌われようとしていた気持ちが嘘だったと気づかれる)のが嫌だった?
一目惚れした灯子にたいしたことないと思われるのが怖かった?
こんなところ?どのみち、好きな気持ちも卑怯だと思う気持ちも本音なのだろうし、当の灯子はそんなこと気にしないし、、、やっぱり面倒くさいな。