あらすじ
考古学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が舞い込んだ。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を見たと証言する。だが、それらは不可思議な殺人事件の序曲にすぎなかった……過去から襲いくる悪夢の正体をポアロは暴けるか? 中近東を舞台にした作品の最高傑作、新訳で登場
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Posted by ブクログ
時折垣間見える中東の景色や発掘現場の様子などの描写は活き活きとして、目に浮かび上がってくるようでした。
ただ、中東の描写や発掘現場の描写が盛りだくさんというわけではないのでご注意を。
事件が起きた場所が、発掘チームだったという程度で思っていた方が楽しめそうです。
今作、ルイーズという美人がかき乱す人間模様が描かれた作品。
ルイーズの人となりの把握から始まり、周りの人物がルイーズにどんな感情を持っているのか?から犯人と動機をあぶりだしていきます。
登場人物それぞれのルイーズに対する捉え方、抱いている感情の書き分けが素晴らしくゾッとする。
アガサ・クリスティー作品の中でライトに読めて、うまみを感じられる作品じゃないかと思います。
Posted by ブクログ
ルイーズは、ビートルズにおけるオノ・ヨーコみたいなイメージ? 和気あいあいとしていた発掘チームを乱す“つれなき美女(ベル・ダーム・サン・メルシー)”とのこと。
美しく賢い分、冷酷で、常に注目を集めていないと我慢できなかったと。でも、書き手のミス・レザランは優しい人だったと言っているし……一体どんな人物?? と、ルイーズの人物描写がいまいち自分のなかで定まらず、入り込めなかった。
それと、元夫に気づかないことなんてあるか? 夫の方も、死にかけた後まったく新たなキャリアを築き、高嶺の花の女性をまた口説き落とすことなんてできる? とその無理矢理設定にも入り込めず。
何より、「メソポタミヤ」というタイトルから異国情緒あふれるストーリーを期待していたんだけど(日本でいうなら西村京太郎や内田康夫の旅情ミステリか)、ストーリーの軸は心理合戦で、別にメソポタミヤで起きる必要性はなかった。夫よ、なぜわざわざこの場でややこしい殺し方をしたのよ? と思うレベル。
時代もあるだろうけど、現地の人についてほとんど記述がないのもちょっと幻滅。「外国人」ですらない。イギリス人にとっての「外国人」は、せいぜいベルギー人のポワロやフランス人(設定)のラヴィニー神父止まり。それは解説にもある通り。
「クリスティーの物語では、いつも中流以上の人間だけが殺したり殺されたりする権利をもっていて、使用人や労働者は慎ましやかな脇役を忠実にこなすだけである。」
この物語でも、中庭と門の前でうろつく使用人の男の子たちはアリバイの証人として機能するだけで、彼らが容疑者として遡上に上がることはない。
ま、色々気になるところはあるけど、面白いことは間違いない。中近東舞台のクリスティー作品はこれしか読んでいないので、ほかも読んでみよう。
Posted by ブクログ
ポアロシリーズの中では好きな部類。
凄惨な事件ながらも、中東の異国情緒あふれる雰囲気が、読んでいる間もなんとなく心を温めてくれた。
犯人とトリックに関しては多少「うーん?」と思うところもなくはないが、それでも最後の犯人の自供のセリフは悲しくて不気味で心に残った。
ミスレザランの目線で進むところもよかった。ヘイスティングスとは違う物言いや目の付け所を書き分けるところ、さすがアガサ・クリスティ。女性ならではのものの見方が繊細に表されていて秀逸。
名作オリエント急行と時系列で繋がっているところも、さすがは殺人事件磁石のポアロさんだなぁと笑ってしまった。
また読み返したい一作。
Posted by ブクログ
発掘調査中に起きた殺人事件。レイドナー夫人が頭を殴られて殺された所から始まりました。ポアロが屋上に上がった時に殺人のトリックが分かったのは凄いなと思いました。男女のもつれが悲劇を生んだ話でしたが、この後でオリエント急行殺人事件に出会うなんてまるで名探偵コナン並みだなと思いました。
Posted by ブクログ
その人だけは絶対にないと頭の中で外してた。思い返してみると色々伏線張られてた...トリックより殺人までの下準備が恐ろしい。
派遣された看護師視点の作品で、読者と同じ目線で話が進んでいくのが新鮮だった。「殺人は癖になる」いうポアロの言葉が印象的。
Posted by ブクログ
イラクで遺跡を発掘している調査団長のエリック・レイドナーの妻ルイーズが精神的に不調を抱えているため、看護婦のエイミー・レザランがルイーズのサポートをするためテル・ヤリミアの現場に赴くが、ルイーズが何者かに殺されてしまう。
外部から人が入りづらいので、遺跡調査団のメンバーの中に犯人がいるらしい。。。
そして、調査団は昨年までは和気あいあいとしていたが、この年からはメンバーが入れ替わったせいなのか、ギクシャクとしてよそよそしい雰囲気が漂っている。
うーん。この感じが何とも言えないサスペンスを感じさせてくれる。
もちろん、ポワロが登場して事件を解決してさすがポワロとなるのだけど、殺されたルイーズの性格設定の重要さがよく考えられているなと思いました。(ツッコミどころは目を瞑ります。)
でもルイーズは哀れだなぁ(美人だからなおさらか)
Posted by ブクログ
犯人は最後まで全く分からず。騙された感は楽しめた。
でも、いくら時間が経ち、変装していたとしても、前の夫と今の夫が同一人物だったら妻ならば分かるんでないの?
もうひとつ言うと、一つ目のトリックが少々物理的過ぎるかなあ。あの状況で鉄格子から頭出すかな。。
と、ツッコミどころはあるけど、面白いです。
Posted by ブクログ
殺人の過去を再現せよ。
妻の様子を見てほしいとドクター・ライリーを通じて考古学者に依頼され、看護師のレザランはバグダットに向かった。不思議な魅力を持つルイーズ・レイドナーは不安定な様子を見せ、周囲の空気も何かピリピリとしている。ルイーズが昔の夫からの脅迫状に怯えていることをレザランは知ったが、その後ルイーズは殺されてしまう。犯人は死んだはずの昔の夫なのか?
ドクターに頼まれてレザランが書いた手記という形で表された作品。『アクロイド殺し』を知っていると警戒してしまうが、そんな警戒心もあっけらかんとした書き出しで解けてしまう。バグダットへの第一印象と心の変化。遺跡発掘への無関心と調査団や現地で出会う人への好奇心と鋭い批判。小気味良い語り口で次々とページをめくらせる。
込み入った話かと思いきや、解決してしまえば人間関係は単純に近い。正直この人は登場しなくても話まとまったなという人も。それでも大勢の人間が集まる異国の風景はそれだけで何か起こる予感を備えている。バグダットの気候はよくわからないけど、熱い日差しと乾いた空気にクラクラして、何かが起きそうな。
レザランのキャラクター気に入ったので、この人が語る物語を他にも読みたかったなと思った。