【感想・ネタバレ】日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族のレビュー

あらすじ

「2010年代、世界で最もSFを愛した作家」と称された伴名練が、全身全霊で贈る傑作アンソロジー。日常的に血まみれになってしまう奇妙な家族のドタバタを描いた津原泰水の表題作、中島らもの怪物的なロックノベル「DECO-CHIN」、幻の第一世代SF作家・光波耀子の「黄金珊瑚」など、幻想・怪奇テーマの隠れた名作11本を精選。全作解題のほか、日本SF短篇史60年を現代の読者へと再接続する渾身の編者解説1万字超を併録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

伴名練編の短編集、怪奇篇。初めのDECO-CHINから狂気的、文字通りデコチンで笑った。一番良かったのは「地球に磔にされた男」、少しずつ違う世界にタイムトラベル(世界線移動)する男の話。あとは「笑う宇宙」も良かった。狂気塗れの配役を演じる擬似家族、何が本当で何が嘘か。 伴名練氏の著書は短編の「彼岸花」しか読んだことないが、それも良かったので他の著書も読みたい…時間が足りない…

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2022年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

“怪奇篇”というほどにガチなSFホラーではなく、むしろ幻想、ファンタジー色の濃いSF作品が多いような印象。
・雑誌編集者が取材中に偶然目撃した異形のバンドとパフォーマンスに魂を奪われる「DECO-CHIN」は、中島らもの遺作にして文字通りの怪作。
・身体のフラクタル現象に襲われた男の運命「怪奇フラクタル男」(山本弘)、
・人口過密状態の大阪で人同士の衝突を避ける為用いられた妙案が、意外な計画に「大阪ヌル計画」(田中哲弥)、
・密集状態で座ることすらままならない世界「ぎゅうぎゅう」(岡崎弘明)、
・亡父の友人が遺した時間跳躍機構。作動させた行先は過去でも未来でもなく……。時間テーマSFと思わせて別テーマだった「地球に磔にされた男」(中田永一)、
・高校の理科実験室に出現した金色の珊瑚が徐々に人間を支配していく「黄金珊瑚」(光波燿子)はどストレートな侵略SF。
・やたら流血しまくる特異体質を持った家族の血まみれの特異な“日常”「ちまみれ家族」(津原泰水)、
・宇宙船内と思しき閉鎖環境で疑似家族が繰り広げるディスカッション。狂っているのは誰で何が真実なのか……「笑う宇宙」(中原涼)。
・生涯の伴侶を求め恒星間飛行する宇宙生命体の“少年”と、惑星に棲む“少女”の邂逅「A Boy Meets A Girl」(森岡浩之)はファンタジーのように見せて未来テーマ?の正調SF。
・知能を持った獣人が支配し、人間が奴隷の身分に堕した世界「貂の女伯爵、万年城を攻略す」、
・昭和初期、体質的低体温症の女性の治療に従事した医師の記録……という体で、民話や怪談の存在である“雪女”を医学的に解析を試みた文字通りのSF「雪女」(石黒達昌)など全11篇。
さらに日本SF史をざっと通覧するような、編者による力の籠った「編集後記」も読み応え有り。

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2022年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中島らも「DECO-CHIN」★★★
山本弘「怪奇フラクタル男」★★★
田中哲弥「大阪ヌル計画」★★★
岡崎弘明「ぎゅうぎゅう」★★★★
中田永一「地球に磔にされた男」★★★
光波耀子「黄金珊瑚」★★★
津原泰水「ちまみれ家族」★★★
中原涼「笑う宇宙」★★
森岡浩之「A Boy Meets A Girl」★★★★
谷口裕貴「貂の女伯爵、万年城を攻略す」★
石黒達昌「雪女」★★★★

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たぶんほぼ全て未読。
印象に残ったのは
『ぎゅうぎゅう』
『黄金珊瑚』
『A Boy Meets A Girl』
『雪女』

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2020年08月30日

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