あらすじ
「そもそものはじまりは間違い電話だった」。深夜の電話をきっかけに主人公は私立探偵になり、ニューヨークの街の迷路へ入りこんでゆく。探偵小説を思わせる構成と透明感あふれる音楽的な文章、そして意表をつく鮮やかな物語展開――。この作品で一躍脚光を浴びた現代アメリカ文学の旗手の記念すべき小説第一作。オースター翻訳の第一人者・柴田元幸氏による新訳!
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Posted by ブクログ
売れない作家クインが残した手記をポールオースターが綴る、という混乱しそうな構成だけど、おそらく読み手の理解を混乱さえるのが目的でもあると思う。自分が信じている自己の輪郭の曖昧さを問うような小説だった
Posted by ブクログ
ふとした想像力により人の人生の歯車が狂っていく。
クインは家族を失った悲しみは背負いつつも、作家としても、暮らしていく上でも問題ない状態だったのに、自分が衰退していくことに抵抗や反発はなく、静かに街から、世の中から存在が消えていく。
そして唯一自分に残ったノートとペンで書き記していく狂気じみた描写。
モヤかかってんのに透明感ある不思議な雰囲気が結構ささって好み
Posted by ブクログ
はじめてポール・オースターを読んだ。
ミステリみたいなあらすじと出だしだけど、事件が解決するとかそういう話ではないためミステリを期待して読むとなんだこれ?となりそうではある。
自己や現実との境界線が曖昧になっていくような不条理な話だった。
失楽園、バベルの塔、ドン・キホーテ、ポーなどについて知っていたほうがさらに楽しめるかもしれない。
なんと感想を言ったらいいのか難しいけど、不条理といえども読みにくさはそんなになかったしおもしろかった。
安部公房を読んだ時の気持ちに近いかもしれない。
作者の他の小説も読んでみたい。
Posted by ブクログ
そもそも、最後の視点は誰?
途中も急に視点が変わって、え?ってなった(笑)んで、駅でなんでピーターが2人いたんだろう、これはクインの書いた小説か?
ちょっとわからないことが沢山あるけど、間違い電話から始まって、興味本位で探偵することにした設定は物凄くいいよね。
ニューヨーク3部作、全部読んでみよう。
Posted by ブクログ
ある小説家クインがポール・オースターという探偵に間違えられた電話が来て、演じ切ることを決意する。幼少期から言葉を与えずに監禁された子供と、そうすることで神の言語が現れるとした父親に関する事件だ。数年前に父親から殺害予告じみた手紙がきて、もうすぐ精神病院から父親が帰ってくるから監視及び警告してくれという依頼だ。クインはそれに則り数週間スティルマンをつけることにする。最初にスティルマンをみつけ駅でつけていた時に、スディルマンは2人に分裂していた。クインは直感的に古びたように見える方のスディルマンを選ぶ。そこから奇妙な歩き方をし、ガラクタをひろうスディルマンを、赤いノートにしるしながらつける。ストーキングというものは相手と一体になることだ。しかし一切怪しさがなく、2週間が経った時とうとう接触してみることにした。最初にはベンチで、次は喫茶店、最後に大岩の上?(うろ覚え)。話しかける度にスティルマンはクインのことを忘れていた。最後の時には息子を名乗ってみたら信じ込み、格言と謝罪と愛を与えてくれた。
ここから話が急カーブ。スティルマンを1晩のうちに見失ってしまった。それをヴァージニア(依頼人の嫁)に伝えることを渋り、本来のオースターという探偵を探すことにする。同姓同名の人物がいたので尋ねてみると、自分の本を読んでいる作家だった。ここで劣等感を感じ、さらにはヴァージニアからのでうわを無視してしまい転落し絶望。何とか気を取り戻して、ヴァージニア夫妻の家を衣食住を犠牲にしながら2ヶ月見張り続けた。ある日金が尽きてそれも終わり、オースターに依頼金の譲渡を取り消す用取り測ろうと電話をしたところ、スティルマンの自殺を告げられる。自室呆然としつつもなんとか我が家に帰ると、そこは取り払われ、新しい女が住んでいて、今は亡き息子と嫁の写真諸共すてられていた。最後にヴァージニア夫妻の家を尋ねるも又もぬけの殻。そこで、スティルマンをつけていた時にや事件記録として最初から使っていた赤いノートに思考を書きながら、終わる。オースターの友人がこの赤いノートを発見し、このガラスの街という本を書いた。
ものすごい急展開。ポール・オースターの本は前半と後半で内容がうってかわり驚く。神の言語やスティルマンの不気味さは後半には消えていて、1度の間違いや怠慢自己欺瞞が招く悲劇や、オースターによく見られる父性愛がでてきた。これを味わいたいので良し。たださすがに前半後半どちらも不完全燃焼感がある。1連の物語を読むと言うよりも、文章や断片的な情景を楽しんだ方が良さそう。探偵小説は全てに意味があるからいい、だとか、言語についての言及や、神の言語だとか、放浪だとか、なにより老人と中年男性の親愛だ