あらすじ
ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて――。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。(解説・あさのあつこ)
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Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの「天国はまだ遠く」を読んでこの本も読んでみようと思いました。
大田くんの約1ヶ月の間の成長がすごいと思いました。確かに1歳の鈴香ちゃんの覚える速度などは凄まじいですが、大田くんは16年間で更に大きな思い出になったと思います。
読みながら、こんなに長い物語も、鈴香ちゃんにとっては忘れていくものなのかと思うと切なくなりました。
しかし朧気でも鈴香にはきっと大田くんとの思い出は残っていると思います。
図書室で、この本の横に置かれている「あと少し、もう少し」を目にしていたので、読みながら少し勘づいてはいましたが、先に読んだ方がよかったかと少しばかり後悔のような気持ちもありました。次は「あと少し、もう少し」を借りようかと思います。
Posted by ブクログ
16歳の少年が子守りのバイト。最初はひやひやしながら読んでいたけれど、相手のために一生懸命になれる大田くんにどんどん尊敬の気持ちが溢れてきました。別れの瞬間は切なかったけれど、きっとこの先も鈴香と大田君が会う機会はあると信じたいし、この期間のことは鈴香の記憶からなくなったとしても大田君を完全に忘れることはないであろうと強く思いたい、それくらい感情移入しながら読める1冊でした。
Posted by ブクログ
君が、走らせてくれた夏。
ハナシノタネ(ポッドキャスト番組)であらすじを知り、ヤンキーが子どもをお世話する話なんて、面白いに決まってる!、『愛してるぜ☆ベイベ』みたいな話かな?と興味を持ち、前作『あと少し、もう少し』から読んだ。(『愛してるぜ☆ベイベ』はヤンキーではなかったか?)
前作とは違って、終始大田くん目線で書かれているから、悩みや葛藤や成長をより深く感じることができた。
本当は心のままに素直に頑張りたいのに、自分から一歩踏み出せないでいる大田くんには、なんでも素直に楽しそうに行動する鈴香(一歳十ヶ月の女の子)はそれはそれは眩しく羨ましく写ったことでしょう。
鈴香と過ごしたのは一ヶ月という短い期間だったけど、大田くんが鈴香のために行動したことはたくさん。料理を作ったり、一緒に遊んだり、鈴香たちの応援で走ったり、手紙を書いたり。
忙しない日々を過ごしている私たちから見ると、大田くんが多くの時間を持て余していることにびっくりするけど、鈴香のために動いている日々はあっという間に過ぎていった。
鈴香と過ごす最後の日、「あと少し、もう少し」と思えることは幸せなことであると気づくほどに成長していた。
「あと少し、もう少し」って、“この時間がずっと続いてほしい”という意味だったのか。前作を読んだときには気づけなかった。「あと少し、もう少し」頑張れば順位を上げられる、という目標に向かうような意味かと思っていた。
もっとこのままでいたいって思うこと、毎日の中で、たくさん、ある。幸せな生活ができている証拠だったんだな~。
今作の上原先生も、つかず離れずの距離感で自然に大田くんの背中を押していて、良い。他人の客観的な言葉が人生において必要なときがある。
きっとここから大田くんは「がんばって」いくんだろうな、と思える希望の物語。
鈴香の成長と同じくらい、大田くんの成長はすばらしい。母目線。
今作を読んでから前作を読んだ方が、思い入れを持って読めたかも?
続編はどうやらサックス奏者渡部くんの物語のよう。気になる。