【感想・ネタバレ】君が夏を走らせる(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて――。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。(解説・あさのあつこ)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

君が、走らせてくれた夏。

ハナシノタネ(ポッドキャスト番組)であらすじを知り、ヤンキーが子どもをお世話する話なんて、面白いに決まってる!、『愛してるぜ☆ベイベ』みたいな話かな?と興味を持ち、前作『あと少し、もう少し』から読んだ。(『愛してるぜ☆ベイベ』はヤンキーではなかったか?)

前作とは違って、終始大田くん目線で書かれているから、悩みや葛藤や成長をより深く感じることができた。
本当は心のままに素直に頑張りたいのに、自分から一歩踏み出せないでいる大田くんには、なんでも素直に楽しそうに行動する鈴香(一歳十ヶ月の女の子)はそれはそれは眩しく羨ましく写ったことでしょう。

鈴香と過ごしたのは一ヶ月という短い期間だったけど、大田くんが鈴香のために行動したことはたくさん。料理を作ったり、一緒に遊んだり、鈴香たちの応援で走ったり、手紙を書いたり。
忙しない日々を過ごしている私たちから見ると、大田くんが多くの時間を持て余していることにびっくりするけど、鈴香のために動いている日々はあっという間に過ぎていった。

鈴香と過ごす最後の日、「あと少し、もう少し」と思えることは幸せなことであると気づくほどに成長していた。
「あと少し、もう少し」って、“この時間がずっと続いてほしい”という意味だったのか。前作を読んだときには気づけなかった。「あと少し、もう少し」頑張れば順位を上げられる、という目標に向かうような意味かと思っていた。
もっとこのままでいたいって思うこと、毎日の中で、たくさん、ある。幸せな生活ができている証拠だったんだな~。

今作の上原先生も、つかず離れずの距離感で自然に大田くんの背中を押していて、良い。他人の客観的な言葉が人生において必要なときがある。

きっとここから大田くんは「がんばって」いくんだろうな、と思える希望の物語。
鈴香の成長と同じくらい、大田くんの成長はすばらしい。母目線。

今作を読んでから前作を読んだ方が、思い入れを持って読めたかも?
続編はどうやらサックス奏者渡部くんの物語のよう。気になる。

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2026年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

知らず知らずのうちに「あと少し、もう少し」のスピンオフ。
個人的には不良で、でもどこか俯瞰的に自分を見れている太田に再会できて嬉しい。

あらすじ的には不良先輩の子守を頼まれて数週間に渡る一歳児との共同生活から少しずつ学びを得る成長物語。小説に必ずと言っていいほどある、読者をヒヤッとさせるような危機的状況はなく若干の肩透かし感。
あと、子どもの成長を見て気づきを得るという意味ではいい小説なんだけど、よくよく考えたら観測者側も16歳なんだから少し視点が大人びすぎている感じも否めない。
平均的な作品でした。

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2026年07月04日

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