【感想・ネタバレ】ホワイトラビット(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。軽やかに、鮮やかに。「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!(解説・小島秀夫)
※本作品は、単行本版『ホワイトラビット』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった!

けど、もうひと押し何か欲しかったかも。
というか、話のピークが終盤の早めというか、種明かしの話が長いので、わかりやすいと思いつつも、気持ちが冷めてしまう。

あとちょっとご都合主義過ぎるかなという印象を受けてしまった。
DV家庭の成人息子が誤って殺人(オリオオリオ)、家に隠す。
そこに空き巣が入る、しかも家を間違えてたまたま。
そこにオリオオリオを探す犯罪組織が押し入り、立て籠もり。
偶然が重なることはあるけれど、これは奇跡が重なり過ぎてて都合良過ぎると感じてしまう。
だからおもしろいのかもしれないけれど、その割には他の描写がリアリティなので、気になってしまった。

でも非常に緻密に作られている。
小説家の皆様はよくここまで絡められるなと、毎回脱帽させられる。

あと読みやすい。小説によくある難しいことばがあまり使われていない。
そうでありながら、独特の言い回しはクセになる。
時間を戻してみてみよう。分かりやすく今度はこの人の視点で見てみよう。このときのことが後に響くのだが、今の2人は知る由もない。
など。

そして、オリオン座に詳しくなる、笑。
ギリシア神話が由来で、オリオンは海の神・ポセイドンの子ども。
サソリの毒にやられ、オリオンは死んだ。さそり座は夏の星座で、オリオン座は冬の星座。オリオンはサソリを怖がっていて、さそり座が空に昇っているあいだは出てこない。
何万光年も離れているので、昔の光が届いているだけで、すでに星は爆発していて、ないかもしれない。爆発した光が届いたときは、数週間から数ヶ月の間、満月の100倍ほどの明るさで輝き続ける。


追記
友人とこの本の感想を語り合ったときに、この作品は小説でしか味わえない、と教えてくれた。
というのもオリオオリオと思っていた人がクロサワ!?という驚きは、映像化できない、小説で頭の中で描くからこそ成立する。
そう気付かされたら、じわじわとこの小説が魅力的に思えてきた。
評価を4→5に修正。

小説もスポーツと同じように、ある程度ルールとか知らないと、本当の魅力は分からないものだなと感じた。

0
2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中途中で読み手に向かって語りが入る、伊坂さんの相変わらずなユーモアのある会話炸裂で楽しめた。
後半部分のネタバレ解説からは一気読みだった。

妻を誘拐された兎田孝則が起こした立てこもり事件。
一軒の家族宅へ立てこもりしてたのかと思ったら父親は空き巣犯の黒澤⁉︎
かと思ったら人質の家族はすでにオリオオリオを殺してしまっているし、みんな兎田の妻を助けるために裏で協力者として仲間意識がうまれていて…
物語を読み進めていくとドンデン返しが待っていて、伏線回収もお見事で、物語の内容的には大事件ではないけれど話の展開がとても楽しかった。

空き巣犯の黒澤の仲間、中村と今村、3人のチームを見ていると私の好きな太田愛さんの修司・相馬・鑓水を思い出した。

0
2025年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ん?と思ったタイミングでちょうど作者の外部からの解説が入るのがすごいと思った。
オリオン座によって繋がる物語と、複数の人物のそれぞれの話が一つに集結していく構成はさすがと思った!


オリオン座のベテルギウスは640光年離れている。

0
2025年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〜1周目〜
2020.09.09
ある詐欺グループに所属している主人公のお話。
妻と子を人質にとられ、お金をある空き家から取り出すというところから始まるが、徐々に罠に引き込まれていく。
途中途中にあるオリオン座との関連もいい。

0
2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作中のある人物が実は別人であったと、作中の登場人物はもちろん読者も共に騙されていた!という手法は特別に目新しいわけではないが、次々とトリックが明かされる疾走感が良かった。
折尾を騙った黒澤の警察に対する言動にやきもきしていたが、そもそもの前提から作者に騙されていたのだから、まさに作中の警察官たちの気持ちをトレースさせられていたような気分になって面白かった。
オリオオリオという呼び名だけはちょっとダサいと思う。

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2025年01月11日

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