あらすじ
三十五歳の家康は、長篠の戦いに大勝し、その名を天下にとどろかせていた。宿敵・武田
との不気味なにらみ合いが続く中、勝頼の謀略が息子・信康に迫る。妻子との悲しき決別。
この無念を一生抱えることを誓った家康は、泰平の世への決意を新たにする。そして訪れ
る信長との最後の日々。天下統一直前の信長が家康に遺した言葉とは。戦国大河第四弾!
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Posted by ブクログ
第4巻は、長篠の戦に勝利した家康が、宿敵武田を滅ぼすまで。
ここでは、「この世を浄土に近づけるために生きてみよ」と諭した登誉上人の教えを守ろうとする家康が描かれる。
「この世を浄土に近づけるとは、家臣、領民が幸せに暮らせる国、戦いに怯えることなく安穏に暮らせる国を築くことだ」と考えるまでの高みに至った家康。
彼は浄土を信じているのに対し、信長はそうした心はない。
その信長が湯殿で家康に語る場面がある。
土地の私有と人の自由が、戦乱を拡大させてきたと、信長。戦いのない世を作るには、かつて大和朝廷がものした制度=律令制を取り入れ、すべての土地と領民は国のものとする=公地公民制にする必要があり、これが天下統一を果たす方法だと、語る。
歴史にifは禁句だが、本能寺の変がなく信長が天下統一を果たしていたら、後の日本の姿はずいぶん変わったものになっていたかもしれない。